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米軍攻撃のベネズエラ、原油埋蔵は世界首位 超重質油、鉄鉱石やボーキサイトも生産

2026/01/04 14:42
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米軍攻撃のベネズエラ、原油埋蔵は世界首位 超重質油、鉄鉱石やボーキサイトも生産

 トランプ米大統領は1月3日、南米ベネズエラの首都カラカスに「大規模な攻撃を実施し成功した」とSNSで発表した。ベネズエラは原油埋蔵量で世界首位。鉄鉱石やボーキサイトの生産国でもある。

 1月4日までにベネズエラのマドゥロ大統領と妻が捕らえられ、米ニューヨークに移送されたと伝わった。これを受けてベネズエラの憲法裁判所(最高裁‌)は1月3日、ロドリゲス副大統領に大統領代行を務めるよう命じた。ロドリゲス氏はマドゥロ大統領の開放を求めている。また、攻撃により民間人を含む約40人が死亡したとも伝わった。

 

■麻薬対策を打ち出すも実際は原油目的との見方多数

 トランプ氏はベネズエラへの攻撃について「フェンタニルを中心とした麻薬流入に対する制裁措置」と主張する。実際、米政権は2025年9月以降、ベネズエラからの「麻薬密輸船」だと見なした船への攻撃を繰り返し、計100人以上を殺害してきた。11月からは最新鋭の原子力空母ジェラルド・フォードを展開したほか、ベネズエラから出た石油タンカーを拿捕(だほ)。12月には地上攻撃の可能性を繰り返し予告していた。

 

 ただ、米国の狙いが本当に麻薬対策だけにあるとの見方は少ない。理由は、ベネズエラが世界最大の原油埋蔵国だからだ。経済産業省資源エネルギー庁の2020年末時点のデータによると、ベネズエラの確認埋蔵量は世界の17.5%を占める。

 

(出所: 経済産業省資源エネルギー庁)

 

関連資料:第2部 第2章 第2節 一次エネルギーの動向│令和5年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2024) HTML版|経済産業省・資源エネルギー庁

 

 原油埋蔵量は長年、サウジアラビアが首位だったが、2000年代にベネズエラ全土に流れるオリノコ川流域で超重質油が発見され、ベネズエラが世界首位に躍り出た。超重質油は比重が大きく硫黄分も多いため、精製するのが難しい。しかし、トラック、船舶、鉱山機械、農業などの動力であるディーゼル燃料の生産には欠かせない材料だ。

 実際、1月3日のロイター通信によると、トランプ米大統領は同日の記者会見で、「米石油企業がベネズエラの生産回復に向けた投資に取り組む用意がある」との期待を示したという。現在、ベネズエラ事業を手掛ける米石油大手はシェブロンのみだが、他の企業が参入する可能性が出てきた。

 なお、ベネズエラは天然ガス生産量も世界7位。経済全体も石油と天然ガスの収入に依存する。

 

■金属は鉄鉱石が世界11位

 ベネズエラは、金属方面では鉄鉱石とボーキサイトが主製品。小規模だがフェロニッケルや精錬鉄の輸出も行う。また、金やダイヤモンドも生産している。金属資源もやはりオリノコ川流域で採掘される。

 

(出所:JOGMEC)

(IR Universe Kure)

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