銀の国際価格が一部市場で節目の$90/tozを超えた。ロンドンの銀現物価格がアジア時間1月14日に高値$91.53を付けた。その後も$90台で推移している。投機マネーの流入や工業向け需要が底堅い一方で供給は増えず、2026年も供給不足が続くとの見方が多い。金融機関の価格見通し引き上げも相次いでいる。
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過去3か月間のロンドン銀価格の推移($/toz)

ロンドン銀価格は仲値では1月13日に$85.82だった。一方、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の銀価格は1月13日に$87.41を付けた。
過去3か月間のNY銀価格の推移($/toz)

銀相場を巡っては強気な見方が相次いでいる。独立系ニュースメディアのベインクリプトは1月14日、「カナダ資源のファースト・マジェスティック・シルバーの経営陣など業界関係者が今後数か月で銀価格が$100を超えると予想している」と伝えた。
1月7日にはロイター通信が、英金融HSBCが2026年の銀平均価格見通しを従来予想の$44.5から$68.25へと大幅に引き上げたと伝えていた。HSBCは2027年の銀予想価格も大幅に上方修正したという。
背景にあるのは供給不足観測だ。1月14日のmining.comは、米格付け大手のフィッチBMIのレポートとして、「2026年も供給不足が続く」との予想を報じた。金に連動した投資マネーが流入するほか、太陽光パネルや電気自動車(EV)向け需要が底堅いと予想されるという。
一方、供給面では中国が1月1日付で銀の輸出規制を強化した。2025年末に発表した2026-2027年度の輸出認可企業のリストに銀の取り扱い企業を含めた。リスト外企業は輸出認可の申請ができないが、認可対象になった銀の輸出企業は44社だけだ。
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また、生産国のメキシコで特に生産が拡大する計画がなく、需要の急減に対し生産・流通は横ばいか縮小するとみられている。
■過去3か月間で6割上昇、ETFも人気
銀価格は金に比べても上昇ピッチが速い。過去3か月間では、NYの金価格が7%上昇したのに対し、銀価格は64%値上がりした。金に対する割安感から人気は過熱している。銀相場に連動する投資信託(ETF)など、関連の金融商品にも買いが集まっているという。
過去3か月のNY金価格と銀価格の推移($/toz)

(IR Universe Kure)