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東京オートサロン2026 攻勢をかけるBYD

2026/01/16 09:37 FREE
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東京オートサロン2026 攻勢をかけるBYD

2026年1月9日から11日までの3日間、千葉県千葉市の展示場である幕張メッセにおいて東京オートサロン事務局(TASA)主催の「東京オートサロン2026」が開催された。本記事では会場内の概況やそこで伺った話などをもとに、今後の自動車の動向について見ていく事にする。

電気自動車に攻めの姿勢の国内メーカー

 今回の東京オートサロンでは、国内メーカーがブースの多くを占めており、特に注目されたのはホンダの新型と、日産の新たなnismo仕様の車両だ。

 日産自動車の誇るブランドであるnismoは、通常グレードの車両とは違い、より走りを重視するタイプのモデルとなっている。現在納入されているフェアレディZの新モデルに対してもnismo仕様が存在しており、こちらは現行車に比べ足回りを強化。サスペンションの性能は現行車と同じものの、カスタマイズされたホイールブレーキや改良されたダウンフォース重視の形状は、まさしく「走る」ためのモデルであると担当者は語る。浮きやすかった現行車のコーナリング性能などをきっちりと突き詰めており、nismoのモデルに恥じない性能となっている。

 そんな同社のnismoブランドで今回メインを飾るのが、「AURA」のRSモデルだ。nismo限定であるという異質さを放つ同車は、これまでLeafのような車両に対してnismoブランドを付けたカスタマイズカーが展開されたが、今度はより大型かつARIYAとは違う方向性の、コンパクトカーながらも走りを追求するモデルとしてリリースされたのが今回のモデルだ。「AURA NISMO」のボディに「X‑TRAIL NISMO」のパワーユニットを搭載したハイパフォーマンス・スポーツモデルとして、小柄なボディにハイパワーの武装を施した、まさに弾丸の様な走りを実現できる車両だという。

 ホンダの新型は、フロントに給電口を設ける「Super-One Prototype」だ。これはジャパンモビリティショーでも展示されていたモデルであるが、同社のモデル「N-One:e」がベース車となった新しい車両である。最大の特徴は、ほんのちょっと広がった車幅である。元来の軽自動車の括りではやや大きめとなったボディは、普通自動車区分の最小モデルであるコンパクトカーとしてリリースされる見込みとなっている。

 2026年夏頃の投入を目指しており、主に欧州圏を中心に投入をしていく予定であるとは担当者の弁である。

 他にも二酸化炭素吸収装置を展示しているマツダや、ジムニーの新型モデルを展示しているスズキなど、多くのメーカーが目白押しとなった今回。意外な事にダークホースが存在しているのである。

 

PHEVで攻めてくるBYD

 今回最も意外な展示を見せていたのがBYDである。同社は新型の電気自動車である「RACCO」モデルの投入で話題を呼んでいたが、その影にひっそりと佇むモデルが存在する。同社の高級電気自動車SEALION 7の一つ前のモデルにしてPHEVである「SEALION 6」がそれだ。

 知っての通り、これまでBYDが手掛けてきた車両はBEVモデルであり、同社の乗用車はもちろん、バスなどの大型商用車ですらEVとして出してくるその手腕は話題を呼んでいた。だが日本という環境においてはBEV以上にPHEVが求められていると悟った同社は、完全電動化モデルのSEALION 7の先発モデルとして、SEALION 6を日本市場に投入したのである。

 この車両はベース車が1940kg、四駆仕様が2100kgとかなり重く、近似車種としては三菱アウトランダーPHEVモデルがターゲットだ。それでいて0-100mの到達時間は通常モデルが8.5秒、四駆モデルが5.9秒と相当の加速を見せる。そのうえで車両のスペック自体はSEALION 7と同性能。エントリーモデルのATTO 3とは比較にならない高級ぶりである。

 その上で同社はPHEVである。これはBEVの最大の弱点である、猛暑や積雪といった極端な環境変化における動作のポテンシャル低下を防ぐ動力構成である。BEVの様にクーラーに怯えたりヒーティングをせず車両をお釈迦にしたり、そういったリスクを低減出来るのは日本という環境に最も適した形態の一つといって良いだろう。寒冷地でもBYDの車両を選べる選択肢が出たのだ。

 そして肝心のお値段は税抜392万円。既存の国内メーカーのPHEV価格帯と十分勝負する事が可能なまでに安い。ここまで攻めてきた相手に対し、国産メーカーがどのような対抗策で打って出るのか。今年の自動車市場はまだまだ盛り上がりそうだ。

 

(IRuniverse Ryuji Ichimura)

 

 

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