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【SMMオンラインウェビナー】2026年 錫(Tin)価格見通し

2026/02/03 23:44
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【SMMオンラインウェビナー】2026年 錫(Tin)価格見通し

2026年2月3日、SMM(Shanghai Metal Market)のアナリストらによる2026年 錫(Tin)価格見通しが発表された。
2025年、世界の錫(Tin)価格は歴史的な急騰を記録した。上海有色網(SMM)による最新錫市場レポートによると背景には単なる需給バランスだけでなく、アフリカでの地政学リスク、主要産地での政策変更、さらにAI・半導体・蓄電分野を中心とした下流需要の拡大など、複数の要因が同時に作用しているという。

2026年に入ってからも錫価格は過去最高水準を更新し続けており、市場では「この上昇局面をどう捉えるべきか」が重要なテーマとなった。

本ウェビナーでは、SMMの錫市場アナリストがマクロ環境から産業サイクル、政策要因、需要構造までを包括的に整理し、2026年の錫価格見通しを提示した。

Speakers

  • Vicky Dan Qiao 氏(Senior Analyst – Tin, SMM)
  • Ethan Chen 氏(Senior Analyst – Tin, SMM)
  • Jenny Wu 氏(Senior Account Manager – Tin, SMM)

1. グローバル供給:錫資源は極めて集中している

ウェビナーで最初に強調されたのは、錫の供給構造が非常に偏在している点であった。

世界の錫生産は、中国・インドネシア・ミャンマーの3か国で全体の50%以上を占めている。

  • 中国:埋蔵量22%、生産量は世界の約45%
  • インドネシア:生産は概ね安定推移
  • ミャンマー:禁輸措置で供給急減

このような集中構造のため、一国の政策変更や紛争が即座に世界市場へ影響を与える状況にある。

2. ミャンマー鉱業禁止とDRC紛争が供給ショックに

供給混乱の中心として取り上げられたのが、ミャンマーとコンゴ民主共和国(DRC)だ。

ミャンマー:ワ州の鉱業禁止

ミャンマーは中国向け錫鉱石輸入の7〜8割を占めていましたが、2023年8月末に採掘禁止令が発令され供給が急減。

再開手続きは進んでいるものの、

  • 実際の供給回復は2025年下半期以降
  • 初期増産は最大でも金属量1万トン規模
  • 雨季や設備トラブルも遅延要因

とされ、市場への影響は限定的と見られている。

DRC:武装衝突で世界第3位鉱山が停止

2025年3月にはDRC東部で武装闘争が発生し、世界第3位規模の錫鉱山が安全上の理由で操業停止。

供給源が突如市場から消えたことで価格は即座に反応し、再開時期は治安次第で不透明とされた。

3. 不足分はアフリカ・南米輸入で補完

ミャンマー減産を補う形で、中国の輸入構造は変化している。

  • コンゴ民主共和国
  • ナイジェリア
  • ペルー、ボリビア
  • 豪州

などからの輸入が急増し、DRCの中国輸入シェアは2023年に28%まで上昇した。

ただし供給源が「高リスク地域」に移っていることで、市場不安定性はむしろ高まっている。

4. 下流需要:最大用途は太陽光(PV)が48%

需要面では、錫消費の最大用途は依然として太陽光分野である。

世界消費構造(2024年時点):太陽光 (PV) - 48%、化学品 - 16%、メッキ - 12%、鉛蓄電池 - 7%、合金 - 7%

PV用途では特に電子用・太陽電池用ペースト材料が中心となっている。

5. AI・半導体が新たな成長ドライバーに

ウェビナーでは、従来用途に加えてAI・半導体需要が錫市場を押し上げる新要因として注目された。

  • AI投資拡大で半導体稼働率が上昇
  • 韓国の半導体輸出は前年比+102%
  • TSMCなど主要企業は稼働率90%超

錫は電子材料として不可欠であり、AI技術の進展が長期需要を支える構造になりつつある。

6. 太陽光市場:中国成熟、インド・マレーシアが拡大

中国のPV市場は成熟段階に入り、需要成長はやや鈍化している。

一方で成長が期待されるのが、

  • マレーシア:余剰電力制度緩和、蓄電要件明確化
  • インド:国内モジュール優遇政策でローカル生産加速

新興国市場が今後の需要拡大を担う構図が示された。

7. 新規鉱山プロジェクト不足で供給制約は構造的

供給側の最大課題は、

  • 資源枯渇
  • 大規模新規鉱山の不足
  • 高リスク地域への集中
  • 生産コストの硬直性

2026〜2027年に新規プロジェクト計画はあるものの、遅延が多く需給逼迫は継続する見通しだ。

8. 2026年錫価格見通し:短期調整後、再上昇へ

価格は以下の要因で大きく変動している。

  • 地政学リスク
  • 米国マクロ政策とドル資産への資金流入
  • AI期待による投機的取引
  • 社会在庫の減少

短期的には旧正月前後で物流減速・調整局面が想定され、

  • 2026年初頭:一時的下落
  • 3〜5月:調整局面
  • 年央以降:AI技術発表・雨季供給制約で反発

という季節パターンが示された。

結論:長期的には上昇基調が続く可能性

SMMの見解としては、錫市場は構造的供給制約が強く、需要はAI・半導体で拡大しているため、長期的には価格は上昇基調を維持する可能性が高いとみている。

2026年は短期調整を挟みつつも、供給不安と成長需要が市場を支える年になると予測されている。

参考:SMM最新錫市場レポート

(IRuniverse)

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