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中東情勢と原油・非鉄金属市況の行方――エモリファンドマネジメントの江守哲氏に聞く

2026/07/28 17:36
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中東情勢と原油・非鉄金属市況の行方――エモリファンドマネジメントの江守哲氏に聞く

 中東情勢は目まぐるしい展開をみせ、まったく先行きが読めない。固唾を飲んで世界がその趨勢を見守る中、戦禍拡大か、それとも和平交渉進展か、相反する報道が飛び交うたびに、原油相場は乱高下し、それを受けた非鉄金属市況もジェットコースターのような値動きを繰り返してきた。緊迫の中東劇場は今後どんな展開を見せるのか。両市場に精通したエモリファンドマネジメントの江守哲代表取締役に大胆に占ってもらった。

 

    ―― 二転三転する中東情勢とどう向き合うべきか。

 

江守氏:中東情勢は、一時的な停戦や合意が報じられても根本的な対立構造は変わっておらず、緊張緩和と再燃を繰り返す可能性が高い。市場が一時的に安堵感を織り込んでも、紛争は終結したわけではなく、再び軍事的緊張が高まればエネルギー市場は直ちに反応する。また、米の国際的影響力は徐々に低下し、BRICSの拡大など世界経済の多極化が進む中で、ドル一極体制も長期的には揺らぐ可能性がある。中東情勢は解決を前提に考えるべきではないだろう。

 

―― 起点になっている原油市況についてはどうみている。

 

江守氏:地政学リスクを考えれば、原油相場が大きく下落する局面は想定しにくい。実際、直近にあった調整局面も中東情勢が一時的に落ち着いたとの見方を市場が織り込んだ結果に過ぎず、その後の緊迫化で再び反発している。特にホルムズ海峡を巡るリスクは依然として残っており、それが原油供給への懸念が相場を下支えする要因になるとみる。戦争はインフレを招き、エネルギー価格を押し上げる構図は今後も変わらない。

 

米・イラン協議の進展期待繋がるトランプ大統領発言から足元、下落基調にあるが、不安定な相場が続く26年のNY原油相場

 

―― 中東情勢と非鉄市況の関係はどう見ておくべきか。原油価格の上昇で世界景気の悪化を招くので下げ要因、逆に供給不安から上げ要因と、その行方について意見が分かれる。

 

江守氏:上昇要因としてみている。例えばアルミ。中東に大規模製錬所が集中しているため、紛争による供給不安が価格を押し上げやすい。実際に紛争激化局面ではLMEアルミ相場が急騰し、一時的な停戦で調整が入ったものの、再び上昇基調に転じている。今後の情勢次第では1トン4,000ドルを試す展開も十分あり得るとみている。

 

26年のLMEアルミ相場

 

――他の非鉄金属市況についてはどうみている。

 

江守氏:銅など他の非鉄金属についても、資源供給の制約に加え、エネルギー価格の上昇などによるコスト高が相場を押し上げる可能性がある。銅を巡ってはAIやデータセンター向け投資の拡大による需要増も価格を支える要因だ。「戦争→インフレ→コモディティ高」という構図は当面変わらず、原油だけでなく非鉄金属全般も上昇圧力を受けやすい。そんな地合いとみておくべきだろう。

 

26年のLME銅相場

 

  ――米の利上げ観測なども受けて、金価格が大きく下げている。貴金属市況についてはどうか。

  

  江守氏:いまの金や銀の下落は、高値で買った投資家の換金売りによる需給要因が大きく、ファンダメンタルズの変化ではない。売りが一巡すれば、本来の基調に戻るとみている。中国など各国の中央銀行による金の買いも続いており、中長期では引き続き強気の見通しを維持している。

 

26年のNY・Gold、NY・Silver相場

 

 

G・Mochizuki

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