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ニチアス、26/3Q3 増配、分割、自己株償却で材料出尽くし「ややポジティブ」

2026/03/05 21:00
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ニチアス、26/3Q3 増配、分割、自己株償却で材料出尽くし「ややポジティブ」

ニチアスの26/3Q3は6.0%減収32.2%営利減と半導体向け低調、原子力向け反動減で収益低迷、26/3期Q3累計進捗率悪く、26/3期は1.0%減収8.1%12.5%経常利益減予想並みも、27/3期は原子力関連、半導体向けの急回復で再度最高益に期待。                                                                                                                                                                               

 

26/3期Q3累計進捗率悪く1.0%減収8.1%営業利益減予想並みも、27/3期再度最高益期待

 

株価8811円(3/5) 時価総額5609億円    発行済株63661千株

PER(26/3DO予:21.8X)PBR(2.49X)配当(26/3予)152円  配当利回り:1.7%

 

要約

26/3Q3は6.0%減収32.2%営利減と半導体向け低調、原子力向け反動減で収益低迷

26/3Q3は、売上高622.72億円(6.0%減)、営利75.32億円(32.2%減)、経常利益85.60億円(32.3%減)に。高収益品の減収が影響、4四半期連続同期比減収、総利益減となった。

セグメント別ではプラント向け工事・販売が売上高196.60億円(2.1%減)、営利23.21億円(30.4%減)となった。収益性の高い原子力関係が反動減となり、石油精製や石油化学向けは堅調も、減収影響とMIX悪から大幅減益となった。

工業製品は売上高127.00億円(4.1%減)、営利19.90億円(28.0%減)となった。中国向け環境製品需要が悪化、半導体向けフッ素樹脂ライニング製品も伸び悩み、国内インフラ向けシール材が堅調も、減収とMIX悪化で大幅減益に。

高機能製品は売上高90.72億円(23.6%減)、営利11.28億円(62.1%減)。半導体製造装置向けが在庫調整進まず軟調に推移、MIX悪化もあり収益大幅低迷に。

自動車部品は売上高131.93億円(0.9%減)、営利13.85億円(4.9%増)。国内は減産影響が一巡も海外需要が軟調に推移し微減収に。利益は、円安効果が寄与し微増益に。

建材は売上高76.47億円(1.6%減)、営利7.07億円(1.1%減)。一部大型案件で工事遅延があったものの事業構造改革による効果から、利益面では利益率を維持した。

全体を通じ、レガシーやパワー半導体などのレガシー半導体の回復遅れ、原子力関連の反動減などで収益が大きく落ち込んだ。

 

26/3期1.0%減収、8.1%営業利益減予想据置も上期営業利益上振れ通期で利益増額期待

26/3H1は同期比減収減益ながら、8/7の減額修正予想に対し会社計画を上回って着地した。しかしQ3累計では、26/3期修正会社予想に対する進捗率は、売上高で72.8%、営業利益で69.3%、経常利益でも73.8%に留まっている。今回26/3期予想についてQ4では半導体向けの回復や遅延案件の売上などがあると見られ、売上高2540億円(期初計画比30億円減額、1.0%減)、営業利益365億円(同5億円減額、8.1%減)を据え置いている。

セグメント別では8/7減額修正時には高機能製品のみ売上高30億円、営業利益5億円を減額した。その後、全体予想は変更していなかった。

プラント向けは期初計画比売上高で30億円増額、Q2予想比10億円増額、営業利益は同10億円、同6億円増額予想とした。季節性もありQ4に売上増が見込まれ、原子力関係が反動減でセグメントとしては減益予想ながら、石化、石油向けメンテナンスが好調で増額修正となっている。

工業製品はQ2に売上高で期初計画比5億円、Q3でも5億円減額、営業利益も同1億円、同4億円減額した。国内のインフラ用シールは堅調に推移も、半導体ファシリティ向けフッ素樹脂製品が軟調で、緩やかな減額に。

高機能製品はQ1の減額に続き、Q2で売上高変更無しも原価高などで営業利益を6億再度減額した。今回、さらにQ3では売上高で15億円、営業利益で7億円再減額修正した。半導体製造装置向けがレガシーやパワー向けなどが低調、一部顧客の在庫調整も影響している。

自動車部品向けはQ3に売上高で期初計画比5億円、営業利益で3億円増額予想とした。内外で自動車メーカー間に格差が生じているが、同社はトヨタのHEV向けの生産回復で恩恵を受けている模様。

建材はQ2に売上高で15億円減額、Q3では5億円戻した中で、営業利益はQ2に3億円、Q3でも2億円増額修正予想としている。不採算案件からの撤退が進み、大型物件の遅延があるものの、収益性が改善している。

全体を通じては、高採算の原子力関連の反動減、半導体関連の回復遅れがある。Q4でプラント等の季節要因で売上が増加、また半導体向けが本格回復見通しとしているが、工業製品や高機能品の想定利益率に対し未達成懸念がある。一方、自動車向け、建材では利益率の改善が見込まれる。総合して円安寄与はあるものの、営業利益は会社計画に対し未達成、経常利益については円安影響から会社計画並で着地するとみられる。

なお同社は、26/3期に新基幹システム費30億円をコスト増としてみている。このためこの分を控除すると、実質営業利益は395億円(0.6%減)予想となる。今回26/3期営業利益は未達懸念があるが、経常利益については実質的に横ばいを確保する見通し。

 

27/3期は原子力関連の拡大、半導体関連の回復が見込まれ、再度最高益更新期待

同社は中計において27/3期に売上高2750億円、営業利益率17.3%計算上476億円、海外売上高580億円を数値目標としている。

27/3期に向け売上伸び率が最も大きく伸ばす予想となっているのが高機能製品。売上高550億円(26/3Q3修正予想比39%予想)を見込む。具体的に各種Oリングやクリーンルーム対応ジャケットヒーター、各種断熱材の拡大を見込む。Oリングではフッ素ゴムに強み、ジャケットヒーターでは先端プロセス、化合物半導体向けなどに強い。現状、26/3期高機能製品を減額修正したが、EV見直しから設備投資が先送りされ一方で、27/3期はAIデータセンタが推論型の伸長が始まり同社製品の伸びも高まる見通しにある。このため550億円に対しては大幅未達の懸念はあるが、26/3期比3割程度の500億円程度までの拡大は可能とみられる。

プラント向けでは売上高800億円(26/3期修正予想比1%増)予想。水素・アンモニア技術開発に期待が膨らむが計画は後連れ気味も、他方、高市政権下で原子力発電関連の再稼働に伴う需要増が期待され、海外プラント向けも堅調を維持する見通し。これらの寄与から同部門向けは計画を上回って推移、原子力関連の売上増で収益性も改善が期待される。

その他、工業製品580億円(26/3期修正予想比5%増)は計画通り、自動車部品関連は売上高500億円(26/3期修正予想比2%減)となっているが、HEV拡大から26/3期比で増加が見込まれ、収益性も維持されよう。建材部門については売上高320億円(26/3期予想比8%増)、売上については未達も、構造改善の一層の進展で利益の上振れが期待される。

全体としてプラント関連で原子力発電の再稼働などで収益の上振れ、高機能製品は27/3期に挽回が進み、自動車向けも堅調な伸びを示し、建材の利益上乗せなどが寄与しよう。ただし、高機能製品は3割増でも計画比50億円未達成となること、工業製品の利益率も想定ほどには達しないとみられる。27/3期は最高収益更新見通しも、営業利益率17.3%達成は難しいと思われる。なお新システム稼働が26年10月となっており、26/3期に発生する30億円のコストは27/3期に半減以下になると見られる。この分は販管費の抑制効果となり、むしろ効率化アップに繋がるとみられる。

株価は昨年5/12の決算発表で26/3期予想が0.2%減収6.9%営業利益減予想ながら総還元性向50%以上を打ち出し、配当を108円から152円に大幅増配予定としたこともあり全体相場とともに上昇した。また2/9に自社株償却(発行済の6.1%)、配当性向40%となる164円への再増配、さらには1:3の分割をアナウンスしたこともあり、2/27には9715円の高値更新となった。現在、26/3期会社予想EPS403.93円に対しPER21.8倍はプライムガラス・土石製品PER32.6倍に対し割安感があり、またピラー21.5倍と同等、バルカー18.7倍、イーグル工業14.5倍に対し割高感がある。同社26/3期修正予想は前向きな一時費用30億円を前提にすると実質的に経常利益でほぼ横ばい予想である。また27/3期は再度最高益更新が見込まれる。ただし、最近の株価上昇は全体相場に加え、増配、自社株償却、株式分割の寄与で材料を過度に織り込んだとみられる。業績推移では回復遅れがあり、営業利益では未達懸念もあり、27/3期中計営業利益予想も未達懸念がある。このため、好材料出尽くしで従来評価の「ポジティブ」から、一旦「ややポジティブ」に評価を引き下げたい。

*図表は決算説明会資料より添付、もしくはIRユニバースが加工、チャートはヤフーから添付

 

 

 

                                                   *ピラー(6490)、バカー(7995)、イーグル工業(6486)との比較

(IRuniverse Okamoto)

 

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