日本自動車リサイクル機構(JAERA)の未来部会は4日、会員企業の経営者や管理職、人事労務担当者向けに「採用力強化と人材定着の実践労務セミナー」をオンラインで開催した。講師を務めた特定社会保険労務士の大江広満氏は、若手労働者に「選ばれる工場」となるためには給与・休日・キャリアパスの3本の柱を整備することが重要だと呼びかけた。
大江氏は特に給与の重要性を強調し、「賃上げは避けては通れない道」だと述べた。同氏は、大手ディーラーや他業種(製造・物流・IT・小売など)が初任給を数万円単位で引き上げる動きが加速していると説明したうえで、たった月給1万円の差額であっても検索結果に表示されなくなり、求職者の目に触れる機会が失われてしまうリスクを示唆した。
その後、先輩社員よりも給与が高くなる逆転現象についても言及。組織内の士気を致命的に損なうため、全体の底上げをセットで考えることが不可欠だと主張し、「今では人手不足倒産という言葉もあり、賃上げを経営投資の遺一環として見なければいけない時代」と見解を述べた。一方で、国内全体で賃上げの風潮が強まっていることから「工賃の値上げにも反映しやすいタイミング」だと述べ、聴講者の背中を押した。
また、休日については「完全週休二日制」を基本としつつ、その実現が難しい場合は閑散期に特別休暇の付与や労働時間の削減を行い、バランスを取ることが重要だという。もしくは、「休日の連絡禁止ルール」を設けるなど、休みの質を高める工夫も有効だと伝えた。
(IRuniverse K.Kuribara)