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ヨコオ、26/3期Q3 エヌビディアGPU検査用プローブピン伸長で11.2%増収76.7%営利増

2026/03/13 20:24
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ヨコオ、26/3期Q3 エヌビディアGPU検査用プローブピン伸長で11.2%増収76.7%営利増

ヨコオの26/3Q3は、エヌビディアGPU検査用プローブピン伸長で、売上高233.82億円(11.2%増)、営業利益17.58億円(76.7%増)となった。26/3期CTC増額で7.4%増収6.5%営利増予想に増額し増益予想に転換、再増額着地も。

26/3期CTC増額で7.4%増収6.5%営利増に一転増益予想、27/3期収益上伸期待

 

株価3075円(3/13)   時価総額730億円    発行済株23850千株

PER(26/3期DO予22.1X)PBR(1.29X) 配当(26/3DO予)55円  配当利回り:1.8%

要約

26/3Q3はエヌビディアGPU検査用プローブピン伸長で11.2%増収76.7%営利増

 26/3Q3決算が2/12にあり、説明会はなく、3/11にWEB説明会取材した。26/3Q3は売上高233.82億円(11.2%増)、営業利益17.58億円(76.7%増)、経常利益23.20億円(12.4%減)、税引利益10.29億円(48.1%減)となった。CTCの本格拡大が寄与、MIX良化で営業利益大幅増益に。経常利益は平均為替1$=145円予想に対し、148.7円と円安に推移し為替差益が2.28億円生じたものの、25/3Q3で5.64億円から半減したため、経常利益では減益にとどまった。

セグメント別では車載通信機器(VCCS)が売上高142.80億円(同期比1.4%増)、営利6.51億円(同4.0倍)に。中心となる約35%程度を占めるシャークフィンアンテナが、トランプ関税影響が残る中で約5割を占めるとみられるトヨタ系中心に堅調な伸びを示した。しかし20%程度を占めるホンダ系、その他、スズキ、日産などの不振で10%程度減少した。中継コードは銅価格上昇で10%程度増収、国内中心の車載TV等アンテナも堅調に推移、全体で微増収に。地域別では日本がトヨタの不祥事からの回復もあり57.01億円(8.3%増)も、アジアが23.48億円(0.7%減)、欧米はトランプ関税影響が残り62.31億円(3.4%減)にとどまった。利益面ではトランプ関税の混乱の沈静化や適正値上げなどが寄与し。適正水準の利益率に復帰した。

 

回路検査コネクタ(CTC)は売上高54.35億円(36.8%増)、営業利益12.45億円(29.6%増)となった。売上面では引き続きエヌビディアGPU向け検査治具で台湾WINWAY向けプローブピンが伸長、加えてクアルコム向けにSnapdragonシリーズの新製品向けテストソケットも拡大、インテル向けの低迷を完全に打ち消し5割程度の伸びと大幅増収に。一方、クアルコム向けの前工程向けは新製品前倒し影響がからQ3は反動となりに3割弱の減少となった。YPXはハイエンドスマホ向けにスカイワークス向けで2割弱の伸びとなったが、スカイワークスが同業のQorvoの買収で本格的な伸びが27/3期にずれる模様で、計画比では伸びが抑えられる結果に。利益面ではエヌビディアの新GPU対応で歩留まり向上が多少遅れがちで、Q1の5.0%、Q2の12.8%と比較し大幅に改善したものの、前年同期比での利益率は大幅増収ながら1.3ポイント低下し22.9%とにとどまった。

 

無線通信機器は売上高27.75億円(4.8%減)、営利0.29億円(95.5%減)と低迷した。全体の3割を占めるスプリングコネクタはPOS向け受注が軟調で微減収も、サムスン向けワイヤレスイヤフォン向けが好調に推移し2%程度増収に。一方、医療用は計画遅れで2ケタ減収となり、全体では減収に。利益面ではスプリングコネクタに使用する金が暴騰、原価高を価格転嫁できす大幅減益、医療用も計画遅れ赤字継続で、全体で大幅利益減に。

インキュベーション事業は売上高8.91億円(16.2倍)、営業損失1.78億円(同期比4.38億円赤字縮小)となった。売上面では6/1に承継した光波のネットワークソリューションの売上が加わり大幅増収に。利益面では開発費用先行で計画通りの赤字計上となっている。

全体を通じCTCのエヌビディア向けプローブピン拡大が寄与し、収益本格回復となった。

 

26/3期CTC増額で7.4%増収6.5%営利増予想に増額し増益予想に転換、再増額着地も

 26/3期会社予想を半導体回路期コネクタ増、円安から11/11修正予想を増額修正、また配当も2円増配し年間52円予想とした。26/3期再修正予想は、売上高890億円(8/6予想比50億円増額、11/11予想比15億円増額、7.4%増)、営利45.0億円(同15億円増額、同5億円増額、6.5%増)、経常利益46.5億円(同25億円増額、同10億円増額、18.4%増)、税引利益30億円(同14億円増額、同変更無し、34.7%増)予想とした。税引利益は、連結子会社の東莞友華汽車有限公司における固定費構造改革の実施で特別損失を計上し変更無し。なお為替前提をQ4は145円予想で、現状12円程度の乖離があり、経常利益、税引利益は為替差損3.5億円想定が解消されるとみられ、それぞれ上振れするとみられる。

 セグメント別ではVCCSを売上高557億円(11/11予想比10億円増額、0.5%減)、営利21億円(同変更無し、前期比26.0%減)予想。全体の4割弱を占める主力のシャークフィンアンテナがトヨタの生産正常化で数量増も、トヨタ以外が不振で期初計画に増額も、全体では5%減見通しに。中継コードは銅価格上昇で増額。なお同部門は、Q4にADAS関連で新規納入の量産化が始まり、26/3期ADAS関連で15~20%まで構成比が高まる見通し。利益は26/3H1までトランプ関税影響、その後、円安影響が同部門は為替損拡大となるため、売上増額ながら利益は計画並みに。

CTCは売上高195億円(8/6予想比15億円増額、11/11予想比5億円増額、24.8%増)、営利29.0億円(同15億円増額、同7.5億円増額、96.1%増)予想と大幅増額見通しに。基本的にAI半導体向けの好調持続でWINWAY向けの拡大が継続、増額は後工程の増額で、前工程、YPXは期初計画比未達予想となっている。現在となり、後工程としては25%増を見込む。前工程はクアルコム新モデル向けで一部、クアルコム向け以外の立ち上げ遅れで、期初計画比多少減額、前期比横ばい程度と予想している。YPXも26/3H2に新規受注の取り込みを見込んでいたものが多少遅れる見通しから減額、前期比は40%程度の伸びにとどまる見通しとした。いずれにしてもAI半導体向けプローブピン生産が活況で、この増産対応に全力投球する見通しとしている。利益面では高採算のプローブピン拡大でMIX良化が見込まれ、加えて為替前提を見直した効果も大きく、利益では大幅な上振れ予想とした。

FC・MD事業は売上高112億円(同5.5億円増額、同1.5%増)、営利5.5億円(同2.0億円増額、同30.2%減)予想。主力のスプリングコネクタがPOS端末向けに在庫調整一巡、ワイヤレススマホ向けも多少伸びる見通しも、為替の見直し効果が主で、売上が2%増とどまる。医療用機器は既存大手向けが好調もベンチャー製品の減額から1%増にとどまる見通し。利益面ではスプリングピンの金価格高騰影響から、大幅減益が避けられないとした。

インキュベーション事業は8/6の期初計画を変更せず、売上高26億円、営業損失8億円予想。基本的に光波事業の取り込みが26/3H2はフルに寄与する見通しで、光波の利益寄与は27/3期以降となる見通しのため。

現状、CTCについては半導体生産の拡大が継続、特にAI半導体向けの活況が続く見通しで、増額修正が期待される。一方、CTC以外の部門においては不透明な要素も多い。会社前提よりも円安に推移しており、VCCSは利益下方修正圧力、FC・MDは金価格高騰影響、米中摩擦によるPOSの回復遅れも懸念され、会社計画並みにとどまると見られる。このため、全体としてはCTC事業の上振れによる営業利益の増額、経常利益では会社前提に対しさらに円安影響で経常利益の上振れが見込まれる。なお税引利益は光波の負の暖簾償却や補助金収入などがあり、前期比大幅増益予想と、税引利益も再増額修正が見込まれる。

 

中期経営目標で29/3期に売上高1080億円、営利129.6億円目指す

同社は28/3期に売上高1000億円、営業利益100億円、29/3期には新規事業拡大で売上高1080億円、営業利益129.6億円、ミニマム10として売上営業利益率12%を目標としている。

柱となるのがCTC事業で、29/3期売上高260億円、営利60億円を目指す。すでに26/3期CTCは売上高で5億円、営業利益で7.5億円上振れ予想。27/3期は後工程において台湾WINWAYへのエヌビディア新世代生成AIGPU向けビジネスがさらに拡大しよう。

具体的に、半導体の通電テストでは、プローブピン(スプリングプローブ/ポゴピン)は、3つの部品から成り立つ。プランジャー(可動軸 / 接触針: 半導体の電極に直接触れる先端部分)は対象物を傷つけずに確実に導通させるため、様々な形状で金メッキが施される。

バレル(ピン筒 / 外枠: プランジャーとスプリングを内部に収める極小の金属筒)は、検査装置側(基板)との電気的経路の役割と、構造を支える役割を持つ。スプリング(バレル内部に組み込み、プランジャーを押し返す力を生み出す)は、弾力により数千〜数万ピンが同時に半導体に触れた際、高さばらつきを吸収し、均一な接触圧(荷重)を保つ役割をもつ。

この中でバレルの従来の製造方法は、平らな金属板をプレス機で筒状に押し伸ばす「深絞り加工(プレス加工)」や、極細パイプを切断する「パイプ加工」で対応してきた。これらは大量生産に向き低コストも、Rubinのような最先端AI GPUの検査では極小、熱抵抗、剛性などで使えない状況となった。Rubinアーキテクチャは、HBM4などの高密度実装により、電極のピッチが極めて狭く、プローブピンも超極細にする必要から、従来の深絞り加工で極細筒を作ると「肉厚」が極端に薄くなってしまう。AI GPUは検査時に数百ワットから1000ワット超という強烈な電流を消費し、肉厚が薄いプレス品では、電気抵抗が高くなり、大電流を流した際に発熱して溶け、正確なテストができなくなる。また肉薄のバレルは物理的な強度が弱く、数万本のピンを一斉に押し当てた際の圧力で変形リスクが生ずる。これに対しWINWAYはプレス加工ではなく「無垢材からの削り出し(CNC旋盤)と微細ドリルによる深穴加工」を採用することとした。具体的には極細の金属の無垢の棒材の中心に、マイクロドリル(多分、ユニオンツールの極細ウルフコートドリル)でスプリングを収めるための「筒穴」を高精度に掘る。この製法により、外径を極限まで細く保ち、プレスの限界を超えた「分厚い肉厚」を残し、電気抵抗を劇的に下げ、Rubinの大電流テストに耐えうる経路を確保するような設計とした。継ぎ目のないソリッドな金属で、構造的な強度が非常に高く、AI GPUの強力な押し当て荷重にも変形せず、長期間の連続テストに耐えられるようにした。またRubinの超高速データ通信をテストするには、ピン内部の電気信号の乱れを極限まで減らす必要があるが、ドリル切削は内径の寸法精度が極めて高く、内側の表面も滑らかで、信号の劣化を防ぎ、高周波特性も安定する。実際にこのような微細な加工をできる企業は殆どおらず、WINWAYはヨコオの微細加工技術、高周波対応技術とプローブ一貫生産体制でこれに対応できる企業として採用したとみられる。なお同社は2025年5月に直径わずかΦ0.08mmの「ウエハ前工程検査用の世界最小100μmピッチプローブ」を開発しており、スプリングについての加工技術の高さも評価、またプランジャーも様々な形状加工、低抵抗などの技術も評価されたとみられる。26/3期については新世代向けへの移行期で27/3期は本格拡大が見込まれ、能力増強と歩留まり改善、さらには単価アップなども見込まれ、5割以上の伸びも期待される。現在、プローブピンはWINWAY向けで手一杯の状況であるが、これ以外ではテストソケットとしてクアルコム向けのSoC半導体向けが継続して拡大する見通し。Snapdragonシリーズ開発で、高性能化、AI機能統合、製造プロセスの微細化を加速させているため、AP向けソケット受注拡大も期待される。なお、推論型データセンタ設備増強に合わせてASICテストソケット投入も重要なカ鍵を握る。すでにGAFAの一角から受注を獲得、検査ソリューション分野などで協業して事業拡大加速を目指すが、現状はWINWAY向け対応が最優先で、本格的な対応は27/3期以降となろう。

前工程向けでは引続きクアルコム中心。次世代通信技術(6G)向けにIRS(インテリジェンスリフレクションサーフェース:高機能反射板技術を利用した通信システム)トランシーバ向けの検査用用途が主力と見られる。6G対応で27/3期以降は再度拡大が見込める。なお27/3期より第2ユーザーとしてオランダNXP向けで量産が始まる見通し。ただし金額的インパクトは小さく全体としてはクアルコム中心に10%程度の伸びが期待される。

YPXについては、スカイワークス向けにハイエンドAIスマホ向けなど伸び悩んでいる。しかし27/3期は2026年のスマホモデルで高機能AI対応スマホの普及が進むとみられ、しかもスカイワークスのQorvo買収により、改めて売上拡大が見込める。

 全体としてCTC事業は27/3期に3割程度伸びる可能性があり、28/3期中計計画を上回る収益が期待される。

 

VCCS事業では車両進化に伴う高付加価値品の投入、ADAS製品への参入を見込み、29/3期売上高600億円、営業利益40.9億円を目指す。

同事業での成長ドライバはADAS向け製品の拡大。26/3期に戦略的製品の売上高を80億円と見込んでいるが、大半がADAS向け。27/3期には26/3期比1.5倍の120億円程度に拡大する見通しを立てている。28/3期以降は採用車種の拡大で29/3期にはADAS関連中心に240億円程度まで拡大を見込む。このADAS関連は従来製品の営業利益率が4~5%に対し、5~10%の水準が見込め、MIX良化で営業利益が高まる期待がある。

なお新市場としてインド市場に注力する方針。インド自動車部品大手のLumax Industries社と合弁のLumax Yokowo Technologies Private Limited社(50%出資)が インドローカル向けに26/3期より売上拡大、同社の持分利益増が見込める。シャークフィンアンテナの他、自動車用ドア解錠、解錠用LFアンテナ、全球測位衛星システムなどを製作、同事業関連で29/3期に40億円程度の売上寄与を見込んでいる。

同事業についてはADAS関連がトヨタ系列中心とみられ、計画通りの展開が見込める。但しホンダの巨額赤字計上などEV伸び悩みなどもあり、事業環境の不透明さがある。このため既存事業の伸び悩みなどから、同事業での中計計画達成のハードルは高いと見られる。

FC事業については、29/3期に売上高110億円、営利17.3億円を見込むが、足元、収益が低迷している。既存のPOS事業は、物流合理化の進展から緩やかな成長を想定している。またワイヤレスイヤフォンもギャラクシーのモデル更新とともに需要を確保しよう。ここで期待するのはデータセンタ向け光トランシーバ。光電変換モジュール開発により、従来のSFP+の体積比1/3の小型化を実現している。但しデータセンタ向けは後発であり、事業拡大に時間を要し、当面は既存事業での緩やかな収益拡大にとどまろう。

MD(医療機器)事業は29/3期に売上高66億円、営業利益10.1億円を目指す。中身は既存のカテーテル関連が27/3期をボトムに緩やかな回復、またベンチャーエコシステムは販売力強化で29/3期に数億円の売上を見込む。足元は既存大手医療機器向けカテーテル用部品やユニット製品が伸び悩み、ベンチャーエコシステムも遅れがち。最近もNB Medical(脳血管疾患の治療に用いる医療機器を開発する日本発スタートアップ)に1億円出資を決めるなどの動きがある。29/3期に20億円超を見込むが、従来から医療機器分野は認証などで事業展開が遅延しがちであり、現実的には中計予想の未達の可能性が高い。

インキュベーションは29/3期に売上高44億円、営業利益1.3億円を見込む。26/3期は2025年6月に事業継承した光波のシステム・ソリューション事業の拡大が26.7億円寄与し、27/3期はフルに寄与し同事業で35億円程度に拡大する見通し。中計想定44億円は達成可能と見られる。車両管理システムなどは提携などの進展が必要で、これらの未達成を光波事業の拡大で補い中計計画の達成が見込まれる。

全体として、特にCTC事業が成長の柱となり中計の達成が見込まれ、再度企業成長の軌道に回帰すると言えよう。

株価は26/3期期初計画が8/6に発表されて以降、順調に上昇、11/11の増額修正で急上昇し、2/10のQ3決算を受け、2/17には過去10年の高値である2021年2月の3530円を抜き3770円まで上昇した。現在、26/3期会社修正予想EPS128.7円に対し、 PER23.9倍はプライム電機平均PER27.9倍に対し多少割安感がある。また山一電機20.4倍比較で割高、エンプラスの29.4倍に対して割安、日本マイクロニクスコンセンサス29.7倍に対して割安となっている。同社はNVIDIAのGPU検査用ピンの高シェア納入、クアルコム向けの高周波デバイス向けの拡大などが期待され、27/3期以降の先端半導体向けの売上拡大、ADAS向けの拡大によるVCCS事業の収益性回復が見込まれる。このためAI半導体関連として評価が定着、評価はややポジティブを継続したい。

(出所:図は25/3期、26/3H1、26/3Q3決算説明資料より添付、IRユニバースで加工、チャートはヤフーから添付)

 

 

                  *山一電機(6941)、エンプラス(6961)、日本マイクロニクス(6871)との比較

 

 

 

 

 

 

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