名古屋大学は3月13日、ホームページ上で、「同大低温プラズマ科学研究センターの研究チームが、酸化ガリウムの熱伝導性の大幅な向上と低コスト化を可能にする複数の技術を開発した」と発表した。シリコン基板上での酸化ガリウムのヘテロエピタキシャル成長に世界で初めて成功した。技術が実用化すれば低価格ガリウムの生産も期待できる。

■大学発ベンチャーが実用化に取り組む
プレスリリース: 次世代パワー半導体"最有力素材"の新規技術を確立~世界初「酸化ガリウム」成長技術でEV、再エネ、宇宙開発を加速~ - 名古屋大学研究成果情報
共同研究者である同大発ベンチャーのNU-Reiとともに、3月15日-18日に開催の「応用物理学会 春季学術講演会」で発表した。発表した研究は6件で、高密度酸素ラジカル源(HD-ORS)の開発を基礎に、酸化ガリウムの結晶成長につなげた。
研究結果はNU-Reiが実用化を目指す。同大は、この技術が実用化すれば、電気自動車(EV)や再生エネルギー、宇宙開発などの技術進展の加速に貢献できるとした。
■ガリウム価格、過去最高値で高止まり
過去20年間のガリウム価格の推移(EU Spot market)($/kg)

ガリウムは中国が2023年夏からの輸出制限の対象にしている。足元の価格は3月6日に仲値$1850/kgと、過去最高値圏で高止まりしている。中国が輸出制限を緩める兆しはなく、高価格での取引が常態になった。もし低価格ガリウムの生産が実現すれば、価格圧力を弱めることも期待できそうだ。
(IR Universe Kure)