磁石同志の会として今年で8回目を迎えるNS会が23日、都内・神保町の明治大学紫紺館で行われた。
会の冒頭、今年の3月5日に逝去された浜野氏に1分間の黙祷が捧げられことからも、今回のNS会では、参集したすべての方々に思い出がある浜野氏への弔いの言葉が多く聞かれた。

明治大学の山元教授は
「浜野さんは私の一番の友人でありました。このNS会も浜野さんとともに立ち上げたあの日のことをなつかしく思い出します」と話された。
また業界ではつとに有名な話になっているが、佐川眞人氏がネオジム磁石を発明するにあたって重要なヒントを出してくれたのが浜野氏だということで、佐川氏は浜野氏への思い出と同時に
「彼は後年、技術者ではなく教育者でありたいと願い、寺小屋塾などを立ち上げ、若き技術者を育てようと一生懸命だった」
と晩年の浜野氏の情熱をたたえた。
恒例のNS講話は日本ボンド磁性材料協会会長の芳賀美次氏による
「ボンド磁石の歴史とその応用例」で、ボンド磁石の技術的発展と需要の拡大というドラマチックな推移と同時に芳賀氏本人の笑いを誘うエピソードも盛り込んでおり、氏の1時間の講演は50名の磁石同志を魅了した。
芳賀氏は大日本インキ時代から数えて40年間ボンド磁石に携わっており、ボンド磁石業界の隅々まで知悉している。
ボンド磁石協会の前身であるプラスチックス・ゴムマグネット懇話会発足の経緯からボンド磁石の発展の経緯を丁寧に語られ、最後には今後のボンド磁石発展のためのいくつかの提言もあげられた。






講演会後には懇親会が行われ、故浜野氏の思い出話から昨今の磁石業界近況等について各卓で話は途切れることなく続き、午後5時30分に第8回NS会は終了した。

(IRUNIV棚町裕次)