米ブルームバーグ通信は4月11日、「中国が5月に硫酸の輸出を禁止することを計画している」と伝えた。中国は3月から肥料の輸出を実質的に停止したばかり。自国の農業を防衛するとともに、世界のサプライチェーン(供給網)をコントロールしたいとの思惑もあるようだ。
■既にメーカーに通知か
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報道によると、中国の一部の硫酸生産者は最近、当局から輸出禁止措置に関する通知を受け取った。また海外のある大口買い手は、中国のサプライヤーからこの措置を知らされたという。
ブルームバーグは、「商品専門メディアの英アキュイティー・コモディティーズ(Acuity Commodities)が4月9日に中国の禁止措置を最初に報じた。アキュイティーはこの制限は2026年を通じて続く可能性があると述べた」とも伝えた。
■中東紛争後に2倍に値上がり
硫酸価格は上昇している。4月9日にRMB2025/tonと、過去15年間での最高値圏にある。特に中東の紛争が勃発した後は急伸し、イスラエルと米国によるイラン空爆直前の2月27日(RMB1057)からは1か月余りでほぼ2倍に値上がりした。ホルムズ海峡の実質閉鎖で硫黄の流通が滞ったことが影響した。
過去15年間の硫酸価格の推移(RMB/ton)

中国の措置は穀物の作付けシーズンを前に肥料の材料確保を目指したものとの見方が強い。硫酸は多くのリン酸塩系肥料に不可欠であるためで、国内農業の安定を目指した措置とみられる。硫酸は同時に、銅精錬で使われるため、輸出のコントロールで世界の銅サプライチェーンに影響を及ぼすことも可能だ。
ブルームバーグによると、中国の禁輸で最初に影響が及ぶのはチリ、コンゴ民主共和国(DRコンゴ)、ザンビアなどの銅生産国。チリではすでに硫酸価格の値上がりが激しくなっているという。
(IR Universe Kure)