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第11回機械要素技術展に見る、東南アジアシフトが加速するものづくりの最前線

2026/04/14 08:14
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第11回機械要素技術展に見る、東南アジアシフトが加速するものづくりの最前線

2026年4月8日から10日にかけて、ポートメッセなごやで第11回ものづくりワールドが開催された。同時開催された第11回機械要素技術展では中国パビリオンや台湾パビリオン、タイパビリオンが出展する中、ベトナムやフィリピンといった東南アジア諸国の企業も出展しており、存在感を放っていた。本稿ではその中で印象的だったベトナム、フィリピンの2社を紹介する。

 

ベトナムに拠点を置く人財コンサルティングおよび教育事業を手がけるWILLTEC VIETNAM Co., Ltd.は、2018年にハノイで創業。現在は大阪や東京にも拠点を構え、日本とベトナムをつなぐ高度人財の育成と供給を担っている。

同社はハノイ工科大学をはじめとするベトナム国内の有力工科系大学と連携し、技術分野に強みを持つ優秀な学生を対象に、日本語教育および専門教育を実施。日本のものづくり現場で即戦力となる人財の育成を目指している。

教育プログラムでは日本語能力の習得に加え、報・連・相や名刺交換といったビジネスマナー、さらには設備設計や電気分野などの技術教育までを一貫して提供。日系企業の面接機会を組み込んだ教育プロジェクトや、就職フェア・セミナーの開催、インターンシップ支援なども展開し、日本で働くまでのプロセスを包括的にサポートしている。

また、企業向けには日本語対応が可能なベトナム人エンジニアの紹介や採用支援、配属後のフォローまでを一体的に提供している。加えて、現地大学や研究機関とのマッチング、アウトソーシングや生産支援など、ベトナム進出企業に対する総合的な支援体制も整えている。

現在、同社はアメリカ、ヨーロッパ、韓国、日本といったグローバル企業に対してテクニカル人材を供給しており、人材の約2割が日本で働いているという。こうした実績を背景に、さらなる日本市場での事業拡大を見据え、今回の展示会への出展に至った。

日本企業で培われた技術やノウハウをベトナムへ還元しつつ、現地人財の高度化を推進する同社の取り組みは、今後のものづくりにおける国際連携のあり方を示す一例といえるだろう。展示担当者は「日本とベトナムは政治的に安定しており、長期的な連携が可能な関係にある」とした上で、「ベトナムとしても日本のものづくりを手本とし、産業としてさらに発展させていきたい」と語る。

その一方、「人材が十分に育たなければ、低賃金の労働力として先進国に使われ続けてしまう」と課題を指摘し、「だからこそ人を育て、高度人材を育成することで、ベトナムのものづくり産業全体を底上げしていきたい」と意欲を示した。

中国、台湾、タイパビリオンに次いで積極的に展示をしていたベトナムの人材コンサルティング会社の皆様と筆者

Aboitiz Economic Estatesは、スマートかつ持続可能な産業主導型の複合開発を手がけるフィリピン有数のデベロッパーおよび運営会社である。過去30年にわたる取り組みにより、経済成長の促進、環境整備、社会的発展を通じて、数多くのフィリピン国民の生活向上に貢献し、地方の発展を牽引してきた。

現在、同社の経済特区フィリピン国内において合計2,000ヘクタール超にわたり展開されており、250社以上の世界的企業や業界リーダーが拠点を構え、直接雇用者数は10万人以上にのぼる。これらの開発エリアは高度に統合されており、水道、電力、通信、建設、行政サービスなど、ビジネスに必要なインフラと機能を一体的に提供することで、投資家にとって円滑な事業運営環境を実現している。

Aboitiz Economic Estatesのインフラは、産業、オフィス、商業施設、住宅、教育機関などの拡張を見据えて整備されている。すでにAboitizとそのパートナーにより、現代都市に求められる重要な機能の多くが構築されている。

また、将来的なカスタマイズにも対応可能なスマート技術に加え、水、インターネット、エネルギー、衛生、交通といった各種ユーティリティが統合され、持続可能なエコシステムを形成している。こうした自立性の高いインフラ基盤により、同エリアでは企業活動およびコミュニティの迅速かつ安定した成長が可能となっている。

同社は日本企業との連携も進んでおり、セイコーエプソン、ヤマハ発動機、味の素といった企業と事業提携を実施。2026年1月には東京に支社を開設し、日本市場との接点を一層強化している。展示担当者は、「日本との技術・資本面での連携をさらに拡大していきたい」と語り、「フィリピンのものづくり産業をより活性化させていきたい」と今後の展望を示した。

2026年1月に東京にオフィスを構えたフィリピンのAboitiz Economic Estatesの担当者と筆者

東南アジア・東アジアを代表するものづくりの提携先として、中国や台湾、タイははこれまでも日本企業と密接に協力しており、今回の展示会でもパビリオンとして大々的に展示していた。日本のものづくり立国としてのモデルケースと技術力はすでに世界に広く認知されており、近年では東南アジア諸国においても「追いつけ、追い越せ」という機運が一層高まっている。

2000年代以降はフィリピンやベトナムをはじめとした東南アジア諸国の台頭が着実に進んできた。近年では単なる業務委託先にとどまらず、自国をものづくり先進国へと引き上げるべく、教育体制の整備や設備投資が本格化している。

今回の機械要素技術展においても、多くのメーカーがベトナムなどに生産拠点を構え、現地での製品製造を進めていることが確認された。こうした動きを背景に、日本では「ものづくりをしなくなってきている」との見方も一部で指摘されている。しかし、日本が培ってきた技術力や品質へのこだわりは依然として世界に匹敵するものであり、その存在感は決して揺らいでいない。

今後は、東南アジア諸国との連携をさらに深化させ、互いに刺激し合いながら発展していくことが求められる。そうした中で、日本が引き続き世界のものづくりを牽引していく存在であり続けるのか、その動向に注視したい。

 

(IRuniverse Midori Fushimi)

Midori Fushimi

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