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【貿易統計/日本】 2026年2月のモリブデン輸入推移統計
特殊鋼需給統計/時系列:一般社団法人日本鉄鋼連盟 (jisf.or.jp)
為替相場推移 TTS 3か月
(三酸化モリブデン詳細分析)
■数量面では、2月単月は2,379トンと、1月(2,690トン)から減少し、前月比88%と反落した。ただし、前年同月比では105%と前年水準はなお上回っており、基調としては持ち直し圏内にある。
1月はチリ品の増加が全体を押し上げたが、2月はその反動もあって、チリ品が1,700トン(前月比89%、前年同月比116%)へ減少しつつも、引き続き全体数量の中心を担った。
主だったところでは、
米国品は339トンと前月比75%、前年同月比76%で減少し、1月の回復分をやや吐き出した。
メキシコ品は160トンと前月比160%、前年同月比100%で増加し、弱含みだった前月から持ち直した。
チリ品は数量を落としたとはいえ依然として主力であり、全体の高水準維持に最も大きく寄与している。
その他は180トンで前月比75%、前年同月比90%と減少し、1月の増勢は一服した。
1-2月累計では、全体で5,069トンとなり、前年同期比104%と前年をやや上回った。
内訳は、米国789トン(前年同期比96%)、メキシコ260トン(同76%)、チリ3,600トン(同108%)、その他420トン(同117%)。
累計でもチリ品の増勢が全体を支える一方、メキシコ品はなお前年割れで、地域別の強弱が分かれる構図が続いている。
全体としては、2月は1月の反動で単月数量は減少したものの、前年同月比および累計ではなお前年を上回っており、回復基調そのものは維持されている。もっとも、その中身は引き続きチリ品依存の色彩が強く、供給構造の偏在は一段と鮮明である。
「その他」180トン、内ベトナム80トン、韓国20トン、台湾40トンなど。
(表―1、グラフ―1)。


■数量構成では、1月→2月でやや構成変化がみられた。
米国は 17%→14% と低下し、前月の持ち直し分を一部縮小。
メキシコは 4%→7% へ上昇し、存在感を回復した。
チリは 71%→71% と横ばいで、引き続き7割超を占める圧倒的主力供給国としての地位を維持した。
「その他」は 9%→8% と小幅低下。
その結果、主要3国(米国・メキシコ・チリ)の合計シェアは 92%→92% と高水準を維持。2月は米国比率の低下をメキシコの回復が補う形となったが、供給構造全体としては依然としてチリ中心の集中構造に大きな変化はない月と整理できる。
(グラフ―2)。

■金額面では、2月単月は108億99百万円となり、1月(129億32百万円)から減少し、前月比84%と反落した。ただし、前年同月比では110%と前年水準は上回っており、年初の金額水準としてはなお堅調である。
1月はチリ品と米国品の増加が全体を押し上げたが、2月はその反動もあり、主要国の多くで減少がみられた。
国別では、
チリが77億46百万円と最大を占めるものの、前月比85%へ減少。ただし前年同月比では122%と高水準を維持し、引き続き全体金額の中核を担った。
米国は15億89百万円で、前月比72%、前年同月比82%と減少し、1月の伸びから調整した。
メキシコは7億42百万円と、前月比159%で増加、前年同月比でも108%と持ち直しが鮮明となった。
その他は8億22百万円で、前月比76%、前年同月比95%とやや減少した。
1-2月累計では、全体で238億32百万円となり、前年同期比111%と前年を上回った。
内訳は、
• 米国:38億08百万円(前年同期比104%)
• メキシコ:12億10百万円(同79%)
• チリ:169億07百万円(同115%)
• その他:19億06百万円(同120%)
累計でも、チリ品の増加が全体押し上げの最大要因となっており、その他も前年超えで寄与した。一方、メキシコは2月単月では回復したものの、累計ではなお前年割れが続いている。
総じて、2月は1月の高水準から一服し単月金額は減少したものの、前年同月比・累計ともに前年超を維持しており、回復基調そのものは継続している。もっとも、その中身は引き続きチリ依存度の高い構造であり、供給ソースの偏在が金額面でも鮮明な状態が続いている。
(表―2、グラフ―3)。


■輸入CIF(JPY/kg)単価推移は、全体平均で1月キロ4,808円から2月4,581円へ低下し、3カ月連続の下落となった。年末の高値圏から調整色が一段と強まっている。2月は対ドルでやや円高方向へ振れる局面もあり、円建て単価の下落には為替要因も一定程度作用したとみられる。
国別では、
米国品は4,933円→4,686円へ低下し、続落。
メキシコ品も4,676円→4,640円と小幅安で、軟調推移が継続した。
チリ品は4,821円→4,557円へ低下し、主要国の中では下げ幅が比較的大きく、全体平均押し下げの主因となった。
結果として、主要3国すべてが下落する全面安の展開となり、全体平均も押し下げられた。ただし、2月はやや円高に移行したため、円建て下落幅のすべてを国際価格の軟化とみるのは適切ではなく、ドル建てベースでは下落幅はより限定的だった可能性がある。供給数量はなお高水準を維持しており、価格面では需給緩和に為替要因が重なった調整局面と整理できる。
(グラフ―4)。

酸化モリブデン(Mo57% USA)(USD/lb) 1年

主要税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
■今後の展望
供給面では、チリ品が引き続き中核を占める構図に大きな変化はなく、当面もチリ依存の高い状態が続く公算が大きい。米国品やメキシコ品は補完的な位置づけながら、月ごとの数量変動が大きく、全体数量は安定感を欠きやすい。とくに主力ソースへの集中度が高いだけに、鉱山・製錬・物流のいずれかで支障が生じれば、国内輸入数量にも影響が及びやすい。
価格面では、2月時点の輸入CIFは円高要因も重なって軟化したが、米国内の酸化モリブデン価格は2月後半以降に持ち直し、足元では上昇基調へ転じている。これは北米需給の引き締まりや先高観を示唆する動きであり、日本向け輸入価格にも時間差で波及する可能性がある。とくに米国品の上昇が国際指標として意識されれば、チリ品を含む他地域価格にも下支え要因となりやすい。
このため当面は、数量面では高水準供給を維持しつつも、価格面では2月までの調整局面が一巡し、反発含みへ移行するシナリオを警戒したい。円相場が再び円安方向へ振れれば、国内CIFは海外価格上昇以上に押し上げられる可能性もある。
総じてみれば、「供給は安定気味だが価格は再上昇リスクを孕む」局面に入りつつあり、春先以降は数量動向以上に海外市況と為替動向が国内調達コストを左右する展開となりそうだ。
(フェロモリブデン詳細分析)
■数量面では、2月単月は21トンと前月105トンから急減し、前月比20%と大幅反落した。前年同月比でも26%にとどまり、1月の持ち直しから一転して低水準へ落ち込んだ。年明けの回復基調は一服し、需給の弱さが改めて意識される展開となった。
内訳では、チリ品が20トンで前月比25%と大幅減少したものの、当月数量の大半を占め、引き続き主力供給源の地位を維持した。
一方、「その他」は1トンと前月25トンから急減し、前月比4%とほぼ消失に近い水準まで縮小した。
総じて、2月はチリ品・その他ともに大幅減となり、1月の増加分を打ち消す急失速となった。供給構造自体はチリ依存が続くものの、月次数量の振れ幅が大きく、安定感を欠く局面と整理できる。
■1-2月累計では、数量は126トンとなり、前年同期(104トン)比121%と前年を上回った。1月の高水準が寄与し、累計ではなお前年超を維持している。
内訳では、
・チリ品は100トンで前年同期比71%と減少。
・「その他」は26トンで前年同期比1,083%と急増。
このため累計では、チリ品の減少を「その他」の増加が補完する構図となっている。(表―1、グラフ―1)。


■金額面では、2月単月は1億14百万円と前月6億13百万円から急減し、前月比19%と大幅反落した。前年同月比でも48%にとどまり、1月の堅調な立ち上がりから一転して低調な水準となった。数量の急減(前月比20%)がそのまま金額面にも強く表れた格好である。
内訳では、
・チリ品は1億09百万円と前月4億88百万円から急減し、前月比22%、前年同月比82%。数量が80トンから20トンへ減少したことが主因で、金額全体を大きく押し下げた。
・「その他」は5百万円と前月1億25百万円から急減し、前月比4%、前年同月比22%。数量も25トンから1トンへ縮小しており、スポット案件の剥落がうかがえる。
総じて2月は、チリ品・その他とも数量減少に連動して金額も急縮小し、1月の回復局面が一時的なものであったことを示す結果となった。単価要因よりも、輸入数量そのものの減少が主因とみられる。
■1-2月累計では、金額は7億27百万円となり、前年同期(5億51百万円)比132%と前年を上回った。1月の高水準寄与が大きく、2月の急減にもかかわらず累計ではなお前年超を維持している。
内訳では、
・チリ品は5億97百万円で前年同期比134%。
・「その他」は1億30百万円で前年同期比約183%。
累計数量126トン(前年同期比121%)と合わせてみると、数量増に加え平均単価も前年をやや上回って推移しており、年初2カ月では総じて堅調な輸入実績と整理できる。
(表―2、グラフ―2)。


■輸入CIF(JPY/kg)単価推移は、全体平均で前月キロ5,839円から2月5,432円へ低下し、2カ月連続の下落となった。12月の急伸局面をピークに、年明け以降は調整色が一段と強まっている。
チリ品CIFも前月6,102円から5,436円へ大幅低下した。数量面では主力供給源を維持したものの、価格面では高値修正が鮮明となり、全体平均の押し下げ要因となった。
2月は為替市場で一時的に円高方向へ振れる場面もみられ、円建て輸入単価の低下を後押しした可能性が高い。もっとも、下落幅の大きさからみれば、為替要因だけでなくドル建てモリブデン価格そのものの調整圧力も相応に作用したとみられる。
結果として、12月までの過熱的な上昇局面はいったん収束し、需給逼迫感の後退と為替の円高寄与が重なる形で、2月は価格調整がより明確化した月と整理できる。
(グラフ―3)。

フェロモリブデン (Mo: 65%)(basis 65% min)EU(USD/kg) 1年
主要税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
(モリブデン酸塩詳細分析)
2月は3カ月連続で0トン。
(モリブデン酸化物・水酸化物詳細分析)
■数量面では、2月単月は158トンとなり、前月244トンから減少(前月比65%)と続落した。前年同月比でも95%と前年水準をやや下回り、年初の弱含み地合いが継続している。1月に続き、全体数量は低位圏での推移となった。
主だったところでは、
・中国品は40トンと前月57トン থেকে減少(前月比70%)、前年同月比67%と低調。
・米国品は18トンと、前月ゼロから再開。スポット的な流入が続いている。
・チリ品は100トンと前月120トンから減少(前月比83%)したが、引き続き最大の供給源として全体を下支えした。
・台湾品は前月19トンから当月ゼロとなり、一服。
・オランダ品も前月18トンから当月ゼロ。
・インド品は前月30トンから当月ゼロとなり、前月までの流入が途絶えた。
・「その他」は当月も実績ゼロ。
総じて2月は、チリ品が主力を維持したものの、中国品の減少に加え、台湾・オランダ・インドの流入停止が響き、全体数量は縮小した。依然として月ごとの変動が大きく、供給構造の不安定さが続いている。
■1-2月累計では、数量は402トンとなり、前年同期比91%と前年を下回った。年初2カ月では回復感に乏しく、前年割れでのスタートとなっている。
内訳では、
・中国品は97トン(前年同期比57%)と大幅減。
・米国品は18トン(前年同期比450%)と小規模ながら増加。
・チリ品は220トン(同132%)と増加し、累計ベースでも最大の押し上げ要因。
・台湾品は19トン(同79%)。
・オランダ品は18トン(同100%)で前年並み。
・インド品は30トン(同50%)と減少。
このため累計では、チリ品の増加が全体を下支えする一方、中国品とインド品の減少が重しとなり、総量では前年割れとなる構図が鮮明である。
(表―1、グラフ―1)。


■金額面では、2月は9億63百万円となり、前月13億69百万円から減少(前月比70%)と続落した。前年同月比では104%とわずかに前年を上回ったものの、年初の勢いはやや鈍化した格好である。数量も244トンから158トンへ減少(前月比65%)しており、金額減少は輸入量縮小と連動した動きといえる。
内訳を見ると、
・中国向けは1月3億31百万円 → 2月2億43百万円へ減少(前月比73%)、前年同月比75%と低調。数量も57トン→40トンへ減少しており、数量減がそのまま金額に反映された。
・米国向けは1月ゼロから2月1億08百万円へ増加。数量も18トンの流入があり、スポット案件の再開が確認された。
・チリ向けは1月6億73百万円 → 2月6億13百万円へ減少(前月比91%)したが、前年同月比164%と引き続き高水準。数量は120トン→100トンへ減少したものの、当月最大の金額寄与国として全体を下支えした。
・台湾向けは1月90百万円から当月ゼロとなり、一服。
・オランダ向けも80百万円からゼロ。
・インド向けは1億95百万円からゼロとなり、前月の押し上げ要因が剥落した。
・「その他」は当月も実績ゼロ。
総じて、2月はチリ向けが主柱を維持した一方、台湾・オランダ・インドの剥落と中国向け減少が重しとなり、全体金額は縮小した。数量減少に加え、高単価案件の減少も響いたとみられ、金額面でも月次変動の大きい不安定な構造が続いている。
■1-2月累計では、金額は23億32百万円となり、前年同期比94%と前年をやや下回った。数量累計402トン(前年同期比91%)と合わせてみると、年初2カ月は数量・金額とも前年割れでのスタートとなっている。
内訳では、
・中国向けは5億73百万円(前年同期比59%)と大幅減。
・米国向けは1億08百万円(同441%)と増加。
・チリ向けは12億86百万円(同136%)と大幅増で、累計全体の最大寄与国。
・台湾向けは90百万円(同83%)。
・オランダ向けは80百万円(同79%)。
・インド向けは1億95百万円(同58%)と減少。
このため累計では、チリ向け増加が全体を下支えする一方、中国・インド向けの落ち込みが重しとなり、総額では前年割れとなる構図が鮮明である。
(表―2、グラフ―2)。


■輸入CIF(JPY/kg)単価推移は、全体平均で1月の5,611円から2月6,094円へ上昇し、前月比109%と反発した。1月にみられた調整局面から切り返し、高値圏を維持した格好である。2月は対ドルでやや円高方向に振れる場面もあったが、それにもかかわらず円建て単価が上昇したことから、ドル建てベースでの価格上昇圧力が為替要因を上回った可能性が高い。
国別にみると、
・中国品は5,805円から6,064円へ上昇し、再び6,000円台を回復。数量は57トンから40トンへ減少したが、単価面では需給の引き締まりを示した。
・米国品は1月実績ゼロから2月5,981円で再開。スポット案件ながら高水準での流入となった。
・チリ品は5,608円から6,126円へ大幅上昇し、主要供給国の中でも最も強い戻りとなった。数量は120トンから100トンへ減少しており、供給減少と価格上昇が同時進行した形である。
・台湾品、オランダ品、インド品は2月実績ゼロ。前月に存在した比較的高単価案件が剥落した一方、中国・チリ品の上昇が全体平均を押し上げた。
全体としては、数量が244トンから158トンへ減少するなかで平均単価は上昇しており、需給は再び引き締まり方向に傾いたとみられる。2月の円高進行を勘案すれば、円建て上昇以上に海外市況そのものの強さが意識される内容であり、1月の調整は一時的で、足元では再度強含み基調に戻ったと整理できる。
(グラフ―3)。

主要税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
■今後の展望
供給面では、引き続きチリ品が中核を占める構図に大きな変化はなく、当面もチリ依存の高い状態が続く公算が大きい。一方で、中国品や米国品など周辺ソースは月ごとの増減が大きく、数量全体は安定感を欠きやすい。2月は総数量が減少したものの、チリ品の比重はなお高く、供給集中リスクはむしろ意識されやすい局面にある。
価格面では、1月にみられた調整から2月は再び切り返し、円高局面にもかかわらず円建てCIF単価が上昇した点は、市況そのものの底堅さを示している。特に主力のチリ品単価上昇は、需給の引き締まり継続を示唆する。
このため当面は、「数量は伸び悩む一方、価格は高止まりしやすい」展開が想定される。数量回復が進めば価格上昇は一服しやすいが、供給国の偏在やスポット供給の不安定さを踏まえると、短期的には高値圏での乱高下を伴う神経質な推移となる可能性が高い。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)