デンソーは28日、ロームに対する株式取得に関する提案を取下げることを決議したと発表した。今後も半導体分野でのパートナーシップは継続するとしている。
両社は2025年5月8日付で公表した半導体分野における戦略的パートナーシップ構築に向けた基本合意以降、ロームが民生市場などで培ってきた最先端の半導体技術や当社が持つ自動車分野での高度なシステム構築力を融合することで、アナログIC を中心に、クルマの電動化や知能化を支える高品質なデバイスのラインナップの補完・開発面での連携を進めてきた。加えて、両社が持つ半導体事業の中で、親和性の高い分野においてはより幅広い連携を視野に入れて協議を進め、強固なパートナーシップを構築してきた。
その後、デンソーによる一連の検討を経て、半導体を巡る競争が激化する近時の環境下において、産業機器、民生機器の領域で強みを有するロームと連携し、用途や市場の異なる領域で培われた技術や知見を相互に活かすことによって、半導体事業における幅広い領域での貢献が可能となると考え、株式取得に関する提案を実施。複数回にわたる協議を重ねてきた。
しかし、28日までに、同提案について、ロームの取締役会及び特別委員会から賛同の意見を得るには至らなかった。デンソーはこうした状況の中、提案を進めることの意義や同社の中長期的な企業価値への影響、両社の最適な関係の在り方などについて総合的に検討した結果、提案を継続することが企業価値向上に必ずしも資するものではないとの判断に至り、取下げに至った。
提案を取下げた後も、ロームとの戦略的パートナーシップに基づき、アナログ IC を中心に、自動車分野に加え、民生及び産業機器分野においても製品開発・供給等の協業施策や、人的交流を進めることで、両社の共創活動をこれまで以上に進展させていくことを両社で合意しており、継続して協議していくとしている。
(IRuniverse K.Kuribara)