Loading...

共英製鋼:26/3期決算説明会を開催

2026/04/30 19:24
文字サイズ
共英製鋼:26/3期決算説明会を開催

 4月30日17時、共英製鋼は、本日13時に発表した26/3期の決算を受けてウエブにて説明会を開催した。説明資料は後日、同社HPに掲載予定。説明は営企画部長の増田執行役員が行った。

 

関連記事

 ⇒「共英製鋼:26/3期決算を発表。27/3期は増収減益見通しで、減配予想。

 

<決算ハイライト>(資料4)

〇26/3期実績

 国内の落ち込みを堅調な海外がカバーをし、前期対比で減収ながら増益となった。出荷量は、国内が減少した一方で海外は増加し、前期対比15万トン増の328万トンとなった。

 国内鉄鋼事業は、出荷量減少及び円安や中東情勢の背景、中東情勢を背景としたスクラップ価格の上昇による売買差(スプレッド)の縮小が影響し減益となったが、海外鉄鋼事業はベトナム、カナダの堅調な業績及び米国が下期から黒字化を果たしたことから、前期対比79億円の大幅増益となった。

 

〇27/3期予想

 売上高3,600億円、経常利益140億円を予想。出荷量は、国内は140万トン、海外は220万トンで、前期対比32万トン増の360万円を予想。

 

<26/3期実績>

〇実績(同6)

 売上高3,151億円、営業利益170億円、経常利益162億円、当期利益99億円と前期対比減収ながら、営業利益と経常利益は増益となった。

 1月末時点で、業績予想に対して、売上高、営業利益、経常利益はほぼ同水準で着地した。当期利益は予想及び前期対比で減益となったが、前期は※2に記載の通り35億円の特別利益を計上していたという一過性の要因もあり、それらを除いた実質的な収益で見れば前期対比増益だった。

 

〇セグメント(同7)

●国内鉄鋼事業(同9-11)

 売上高1,255億円、営業利益113億円と、前期対比減収、利益は約60億円減益となった。工期の遅れや長期化の影響による出荷量の減少に加えて、円安や中東情勢を背景としたスクラップ価格の上昇幅が拡大し、売買差が縮小したことが主因。

 国内の出荷の動向について。製品出荷量は、通期で138万トンとなり、前期対比で7万1,000万トン減少した。価格については、スクラップ価格は先ほど説明の通り上昇傾向にあり、4Qで4万6,400円となった。

 一方で、製品価格は9万3,800円と前4Qからほぼ横ばいで推移し、その結果、4Qのメタルスプレッドは4万7,400円と前回予想よりも1,100円縮小した。

 以上から、通期のメタルスプレートは、前期5万5,400円から5万1,300円と4,000円縮小した。

 この出荷量の減少とメタルスプレッドの縮小とが減益の主な要因となった。

 下図参照。スクラップ消費単価は、25年10月以降、円安を背景に上昇基調で推移していたが、3月に入り、中東情勢の緊迫化を背景とした国際市況の変動などにより上昇幅がさらに拡大。3月は4万7,900円となった。

 一方で、契約単価は、1月に販売価格トン当たり10万円と表明したことで底打ち、2月より上昇基調へと転じて、出荷単価を上回る水準となっている。足元はさらに値上げが浸透してきている。

 

図表、国内の製品単価とメタルスプレッド推移(千円/トン)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

●海外鉄鋼事業

 売上高1,790億円、営業利益61億円と前期対比増収、利益は約80億円の大幅増益となった。ベトナム、カナダは堅調に推移しており、米国拠点も下期で黒字化したことが主な要因。

・ベトナム南部(同12)

 VKS社は、4Qもハウジング向けの需要の回復は遅れたものの、政府主導のインフラ投資や民間の大型プロジェクトによる旺盛な需要を捉え、出荷量は前期対比で23%増加の72万トンとなった。

 これにより、厳しい局面で継続してきたコスト削減策の効果が顕在化し、通期では26億円の営業利益を計上、前期の▲1億円の赤字から大幅増益となった。

・ベトナム北部(同13)

 北部は、政府主導のインフラ投資や民間のプロジェクトに加え、ハウジング向けの需要も非常に強く、競合も含め在庫が逼迫している状況にある。

 そのような中、KSVC社は安価なビレット購入を徹底し、スプレッドを確保した。また、他社からのOEMを実施し、通期の出荷量、利益ともに、過去最高の水準となった。

 VIS社は、新圧延工場の稼働が順調に進み、出荷量は前期対比で7万1,000トン増加の39万トンとなった。また、コストも改善され、通期で営業利益は5.5億円を計上、前期▲11.8億円の赤字から、こちらも大幅に改善した。

・北米(同14)

 米国拠点のビントン・スチール社のあるテキサス州は、高速道路などのインフラ投資に加えて、エネルギー関連施設やデータセンターの建築需要を背景に鋼材需要は非常に旺盛であり、また、米国関税の影響により市況も上昇している。

 そのような中、同社の日本人スタッフによる技術支援などにより操業も改善傾向にあり、下期には黒字を達成することができた。

 カナダ拠点のアルタ・スチール社は、米国製品に対する報復関税により米国からの鉄筋の輸入が抑制されたことから、市況は上昇し、メタルスプレッドは拡大した。また、利益率の高い細物鉄筋を収益の軸とし、通期で営業利益28億円と高水準の利益を計上することができた(なお、細物にシフトしたことで販売数量は減少)。

●環境リサイクル事業(同15)

 売上高59億円、営業利益5億円と、前期待比若干の減収減益となった。

 大型の個別案件を受注したことにより、4Q単体で営業利益約4億円を計上することができた。しかしながら、医療廃棄物における価格競争や排出元のリサイクル意識の変化による廃棄物の減少などの課題は現在も解消されていない。

●その他の事業(同15)

 前期対比で減収増益となった。特にベトナムの鋳物事業は堅調で、過去最高益を達成した前期と同水準の利益を計上することができた。

 

〇配当について(同16)

 予想から変更はなく、年間で1株当たり90円とする。配当方針にある配当性向30-35%を目処、上回るものの、株主還元の強化など総合的に判断をし、配当予想を維持。配当性向は39.7%。

 

<27/3期予想>

〇業績予想(同18)

 中継「NeXuS II 2026」の3年目、つまり最終年度に当たるが、売上高は3,600億円、営業利益は160億円、経常利益140億円、当期利益90億円を計画。前期、つまり26/3期対比で増収ながら減益となる計画。

 

〇配当について(同19)

 27/3期の1株当たり配当は、米国ピントン・スチール社における設備投資計画を含めた資金需要を踏まえて、配当性向30-35%を目途とする同社の配当方針に沿って、中間配当30円、期末配当40円、年間70円の期初の予想とした。配当性向は33.8%となる。

 

〇セグメント(同20)

 売上高は、国内鉄鋼事業は前期対比で45億円増収の1,300億円、海外鉄鋼事業は390億円増収の2,180億円、環境リサイクル事業は6億円増収の65億円、売上高合計は449億円増収の3,600億円を計画。営業利益は、国内鉄鋼事業は前期対比で53億円減益の60億円、海外鉄鋼事業は49億円増益の110億円、環境リサイクル事業は前期並みの5億円、営業利益合計で10億円減益の160億円を計画。

●資料21は参考。

 今中期経営計画の3年目、3年間の売上高と営業利益の推移を示している。合わせて、中経策定当初の26年度の目標も記載をしている。

 中継策定時には、棒グラフ青色で示した海外鉄鋼事業の業績不振が大きな課題だったが、最終年度の目標としていた70億円を上回る110億円の利益計上を計画。

 一方で、国内鉄鋼事業は、中継策定時の想定以上の需要減少となり、大幅な利益減少という厳しい状況となっている。

 しかしながら、同社がこれまで推し進めてきた世界3極体制の確立に向けた施策により、特に前中継期間中に進めてきたベトナムでの投資が今中継で身を結び始めたことなどから、海外鉄鋼事業の利益により国内鉄鋼事業の減益の一定程度のカバーができる形となってきた。とはいえ、営業利益で250億円という当初の目標には及ばない状況であり、引き続き各事業の利益の伸長を目指していく。

 

〇経常利益の変動要因(同22)

 国内鉄鋼事業のメタルスプレッド縮小で▲20億円、出荷量増で+5億円、コストの悪化で▲28億円など、一方で、海外鉄鋼事業で、ベトナム+31億円、北米+18億円と、49億円のプラスを見込む。

 

〇経常利益の変動要因(同22)

 国内鉄鋼事業のメタルスプレッド縮小で▲20億円、出荷量増で+5億円、コストの悪化で▲28億円など。一方で、海外鉄鋼事業で、ベトナム+31億円、北米+18億円と、49億円のプラスを見込む。

 

〇セグメント

●国内鉄鋼事業(同23)

 通期の国内鉄鋼事業の生産・出荷の見通しは資料23ページの通り。前期同様に厳しい事業環境が予想されるが、下期には需要がやや回復すると見込んでおり、出荷量は前期対比で2万トン増加の140万トンとなる計画。

 価格については、前期末頃からのスクラップ高を受け、製品価格の値上げを推し進めているが、上期には出荷単価への反映が部分的になると想定している。下期にはスクラップ価格の上昇が落ち着き、また値上げの出荷単価への反映も進むことから、スプレッドの改善を見込んでいる。

●海外鉄鋼事業

・ベトナム南部(同24)

 引き続きプロジェクト案件を中心に旺盛な需要が見込まれる一方で、ハウジング需要の本格的な回復には一定の期間を要する見込み。

 このような状況を踏まえ、VKS社はここ数年間でプロジェクト向けや輸出の比率を増やしてきており、出荷量は前期対比10万トン増加し、フル生産に近い82万トンを計画。数量増加で稼働率を上げることにより、トン当たりのコストも低減が進むことから、通期の営業利益は約41億円を見込む。ただし、中東情勢の影響が長引けば原油高によるコスト上昇など懸念されることから、下期についてはやや固めに予想している。

・ベトナム北部(同25)

 こちらも南部同様に旺盛な需要が継続。特に北部ではハウジングの需要も好調。KSVC社は、引き続き安価な半製品、ビレット調達に努めるとともに、VIS社との連携によるOEM生産も行いながら出荷量を増やし、前期を上回る水準の出荷量を計画している。

 VIS社は、昨年6月に稼働を開始した新圧延工場の稼働が順調であり、今期は前年前期対比で18万トン増の57万トンの出荷量を見込む。また、これまではプロジェクト向けのみの販売だったが、同社のブランド力を生かし、ハウジング市場にも参入していく。

 北部の2社も、下期にかけて、中東情勢の影響によってはコストの上昇などの可能性がある。

・北米(同26)

 米国、特にテキサス州から西海岸エリアの需要は、エネルギー関連施設やデータセンター、半導体工場などによりの建設などにより、引き続き堅調。従前からの課題である現行工場の操業については、日本からの技術支援により、おおむね安定してきている。市況も好調であり、安定的な生産・出荷により利益の確保を見込む。

 カナダも、引き続き需要は堅調に推移すると見込む。アルタ・スチール社では、利益率の高い細物鉄筋の比率を高め、前期に続き高い利益水準を維持する見込み。なお、北米については、いずれも産油国であり、中東情勢への直接的な影響は今のところ限定的と見ている。

●環境リサイクル事業(同27)

 前期並みの業績を予想。収益改善に向けて、引き続き、鉛塗膜付着金属廃棄物やフロンガス類などの付加価値の高い難処理廃棄物処理の拡大に取り組むとともに、企画部門の強化も行い、事業環境の変化に機敏に対応できる体制の構築を目指す。

●その他の事業(同27)

 前期並みの業績を予想。ベトナムの鋳物事業が引き続き好調に推移すると見込む。

 

<補足>

〇製品の出荷量(同28)

 25年度の出荷量は329万トンと、24年度の314万トンを上回った。国内は、前年度に続き減少したものの、ベトナムが大きく数量を伸ばした。26年度については、需要の旺盛なVIS社の生産能力を増強したベトナムで引き続き数量の増加を見込んでいる。グループ全体の出荷量は、19年度の337万トンを超える過去最高の360万トンを計画している。

 

〇減価償却・設備投資の推移(同29)

 25年度は、VIS社の新工場の建設、アルト・スチール社の出荷や炉の整備、ピントン・スチール社の新工場の基礎の工事などにより、162億円の設備投資を行っている。26年度は、特にビントン・スチール社の新工場の建設の本格化などにより、ビントンでは380億円ほどであるが、それらを含め、全体では526億円という非常に大きな設備投資の計画を見込んでいる。

 

 

(IRuniverse 井上 康)

関連カテゴリ

関連記事

新着記事

ランキング