5月8日13時、中山製鋼所は26/3期の決算を発表し、続く27/3期業績見通しを発表した。詳細は後日開催予定の説明会後に再度報告する予定。
<26/3期実績>
〇概況
同社グループは、9月26日に発生した第5変電所事故により同社電気炉は操業停止を余儀なくされ、電気炉の生産量は前年度の約6割と大幅に減産することとなった。同社しては代替鉄源を調達することで取引先への製品供給を優先に努めたが、外部鉄源の調達コスト、設備復旧費用や原単位悪化等により約16億円のコストが発生した。なお、12月24日の稼働再開以降は順調に操業を継続している。
11月26日に日本製鉄と、新電気炉設備の建設、保有および同社への賃貸を目的とした合弁会社の設立に関する合弁契約を締結した。また、12月12日にヨドコウとの業務提携に向けた基本合意書締結に関するお知らせ」の通り、同社はヨドコウと、電気炉鋼材の適用拡大に向けた協業関係の強化を目的として、業務提携に関する基本合意を締結した。現在、その本合意の締結に向けて協議を進めている。
〇実績
売上高1,483億円(前期比210億円減)、営業利益49.1億円(前期比35.2億円の減益)、経常利益48.0億円(前期比33.1億円の減益)、当期利益24.6億円(前期比32.3億円の減益)となった。
図表1、26/3期業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇セグメント
●鉄鋼
鋼材販売価格における価格対応を迫られる中でスプレッドの確保に鋭意努めたが、変電所事故による電気炉操業休止中の減産影響、需要低迷に伴う鋼材販売量の減少、固定費の増加等により減益となった。
これらの結果、売上高は1,458億円(前期比207億円減)、経常利益は42.1億円(前期比36.9億円の減益)となった。
〇エンジニアリング
鋳機部門のコスト増などにより、売上高は16億円(前期比1億円減)、経常損失は▲0.2億円(前期比0.5億円の減益)となった。
〇不動産
賃貸収入を中心に安定した収益を確保し、売上高は13億円(前期比微増)、経常利益は6.8億円(前期比0.1億円の減益)となった。
<27/3期業績見通し>
〇背景
国内鉄鋼需要の低迷に加え、中国経済の減速に伴う供給過剰を背景とした低価格製品との競合や、足元で急騰している鉄スクラップ価格や各種資材コストに加え、中東情勢の影響によるエネルギー価格の高騰なども懸念され、厳しい経営環境が続くものと想定される。鋼材販売価格への転嫁や新設した関東中継地の活用等により販売価格・販売数量ともに改善を見込む一方で、主原料価格の高騰や高止まり、中東情勢の
影響の顕在化などが先行し、鋼材販売価格への転嫁には一定の時間を要することから、下期からの回復を見込むも減益見通し。このような環境下で、安定的な電気炉生産のもとコスト改善を進める。
また同社は26年4月1日付にて、日本製鉄との合弁契約に基づき「NN製鋼合同会社」を設立した。今後は、新電気炉建設計画を着実に遂行するとともに、新電気炉の稼働開始を見据えた電気炉材の適用拡大を図るべく、ヨドコウとの業務提携の本合意に向けた協議を進めつつ、将来に向けた地歩を固めていく。
〇業績予想
売上高1,570億円、営業利益34億円、経常利益20億円、当期利益35億円を見込む。
図表2、27/3期業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
<配当>
同社の利益配分の方針は、経営基盤・財務体質の強化並びに今後の事業展開に備えるために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を実現していくことを基本としている。
26/3期末配当は、25年10月31日に公表した1株当たり5円から1株当たり6円に修正。これにより、既に実施した中間配当金1株当たり8円と合わせて、年間配当金は1株当たり14円となる予定。
なお27/3期の年間配当金は、業績予想を踏まえて、1株当たり20円(中間配当金13円、期末配当金7円)の予定。
<参考>
図表3、四半期別の業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)