5月11日17時半、JX金属は16時10分に発表した26/3期決算を受けて、説明会を行った。説明に使われた資料はこちら。ハイライトについては林社長が、25年度実績・26年度予想については早乙女IR担当部長が、それぞれ行った。

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<ハイライト>

〇25年度実績・26年度見通し(資料4P)
25年度通期の営業利益、フォーカス事業、主力製品の増販に加えて、銅価上昇等も寄与した。対前年度+625億円増益の1,750億円となった。
また、増益を受けて、配当についても前年度の18円から31円へ増配予定として、26年度の通期見通しについては、AIデータセンター関連需要の拡大が引き続き見込まれることに加えて、販売単価改善等によるフォーカス事業の成長が継続するということから、+150億円増益の1,900億円を見込んでいる。
なお、足元継続中の中東危機の影響については、燃料費、電力代、物流費、この高騰が約1年程度継続するということを前提に試算した影響、営業利益に▲70億円を織り込んでいる。
〇販売動向
●25年度実績(同5P)
半導体材料は、本年度の決算説明会を通じて、これまでも説明してきた通り、AIデータセンター需要の拡大を背景に、同社製品の関連製品も着実に成長し、対前年度増販ということになった。
結果としては、おおむね2月に公表した数値、想定通りの着地ということになった。
一方、情報通信材料の機能材料についても、チタン銅はAIデータセンター向け用途が大きく伸長して、こちら、2月公表時の想定を上回る増販となった。
●26年度見通し(同6P)
半導体材料については、引き続きAIデータセンター関連需要の拡大が続くとみており、これをドライバーに26年度も全製品において増販を見込んでいる。半導体のターゲットにおいては、ひたちなか新工場における増産投資を決定しており、需要拡大に応える安定供給体制構築に向けてこれを着実に実行していく。
また、インジウムリン基板については、非常に強い需要が継続している。公表済みの能力増強投資の前倒しを急いでいるが、設備が稼働するまでの間は、生産効率改善によって生産能力の最大化、これを図っていく。
次に、情報通信材料の機能材料について、圧延銅箔について、足元、メモリー不足を主因にスマートフォン販売に下押し圧力が見込まれているが、高機能化に伴う同社製品の採用面積の増加が見込まれており、前年度対比では、増販を想定している。
また、チタン銅については、データセンター向け需要が引き続き拡大しているということで、前年度対比でも増加を見込んでいる状況。
〇ポートフォリオ変革の進捗(同7P)
ポートフォリオ変革の進捗について。これまでの取り組みとして、ベース事業においてベースメタルの事業規模の適正化を進める一方で、Mibra鉱山への出資あるいはCopiプロジェクトへの参入などを通じて、レアメタルサプライチェーンの強化、これを進めてきた。
こうしたポートフォリオ変革を進める中で、当期においては、カセロネス銅鉱山、同社持ち分30%のうちの5%の権益、並びにその周辺の地域における鉱山開発プロジェクトで、これを合わせて約340億円で売却した。得られた資金については、AIデータセンター用途における半導体の需要拡大を背景としたひたちなか新工場における半導体ターゲットの能力増強投資、あるいはレアメタルサプライチェーン強化のためのカナダのFireweed社への出資に振り向けた。
〇東邦チタニウム完全子会社化(同8P)
親子上場の観点からこれまでも様々な可能性を検討していると伝えしてきたが、グループシナジーを生かした事業成長、新規事業領域の拡大に加えて、情報、人材、経営資源、これの一体活用を進め、迅速かつ中長期視点での意思決定体制を構築するために完全子会社化するということを決定した。
4月24日開催の東邦チタニウム臨時株主総会において株式交換契約の承認も得られたことから、6月1日に完全子会社化が完了する予定。
技術の活用やサプライチェーンの強化といった点において、資料に記載したような様々なシナジー効果を期待しているところ。
なお、東邦チタニウムが展開しているチタン事業については、分社化した上で、長期保有が可能かつ信頼できる株主による資本参画がより安定した事業基盤の構築、企業価値向上に資すると考えており、既存株主であり、かつ重要な取引先である日本製鉄株の資本参画について検討を開始しているところ。
〇自己株式の公開買付け(自己株TOB)について
●自己株TOB(同9P)
背景としては、特定の株主が40%以上の同社普通株式を所有していること、これは、同社の資本政策の柔軟性の確保、資本関係の見直しによる市場からの評価向上を図る観点から、同社としては課題であると従来から認識していた。また、上場後1年を経過する中で、財務体質の改善並びに各事業の成長施策が着実に進展し、同社として、資本構成の最適化及び資本効率重視へと舵を切る局面に入ってきた。
そのような状況のもとで、ENEOSホールディングスから同社普通株式の一部を売却する意向を受け、検討を開始した。検討に際して、同社のキャピタルアロケーション方針に則り、成長投資あるいは財務体質の健全性とのバランスを考慮し、最適なスキームを検討してきたが、その結果として、自己株式の公開買付けの実施、これが1番よろしいということで決定した。
資料に記載の通り、この方針は、特定株主の所有比率の低減と全株主への選択肢の提供が可能だということ、それから、特定株主からディスカウントで自己株を取得することにより他の既存株主にとっても利益につながることから、市場流通する発行済み株式が減少し、EPS、ROEの構造的な改善および株主への還元につながること、そうした点を考えて本スキームの実施を決定した。
●転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行について(同10P)
CBについては2,500億円規模の発行を決定しており、調達資金は基本的には全額自己株式公開買付け資金に充当する予定。金利上昇が見込まれる中で、通常の社債発行と借入を比較して資金調達コストの最小化を図ることが可能である点、また、資本増強の性質も備えうる資金調達方法であるCB発行により中長期的に柔軟な財務戦略の選択が可能となるという点を考え、今回、CB発行による調達とした。
〇株主還元方針の変更について(同11P)
株主還元方針については、配当性向20%程度を基本として、加えて、同社の想定対比で銅価が上昇した結果としてベース事業の利益が上振れた分、これにつきましてはその一部も株主に還元するという考え方に基づいてきた。
今般、株主からの意見も踏まえて、還元方針の簡略化による予見可能性を高めるということ、それから安定的な配当を実現するということで、還元方針の見直しを行うこととした。
具体的な方針としては、今後は配当性向25%程度を基本とする。また、合わせて、利益が下振れした場合に備えて、株主への安定した配当を実現するため、1株当たり配当20円を下限として設定する。
ただし、資産売却や自己株式取得、今回のケースなどにおいて、バランスシートに非常に大きな影響を与える事象があった場合、これは例外として、都度適切に検討していく。
なお、26年度については、すでに説明の通りの大規模な自己株式の取得を実施する予定であるので、
総還元性向で言えば約230%が見込まれることから、26年度については、1株あたりの配当については20円とする予定。
〇同社財務指標への影響イメージ(同12P)
今回の自己株TOBとCB発行が財務指標へ与えるインパクトイメージを示ししたもの。イメージ図に示した通り、自己株TOBにおいては、実施前と比較して、株式数の減少によりEPS、ROSの向上が期待できる。
また、将来的にCBが仮に全額転換された場合においても、本件一連の施策を実行しない場合よりも発行済み株式総数は減少することから、EPS改善効果は見込まれると考えている。
〇中長期事業目標(同13P)
目標達成に向けて、25年度実績においても継続的な成長を実現することができた。今後、この流れを維持しながら着実に成長を積み重ねて、28/3期、27年度の目標の達成に向けて今後とも努力していく。
<25年度実績>

〇損益計算書(同15P)
売上高は8,846億円、1,697億円の増収、営業損益は1,750億円、625億円の増益、当期利益は1,046億円、363億円の増益となった。
為替は151円と前年同期比2円の円高、LMEの銅価については491セント/ポンドと66セント/ポンドの銅価高となった。
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(IRuniverse 井上 康)