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中山製鋼所:26/3期決算説明会を開催。長期計画の進捗。

2026/05/12 13:17
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中山製鋼所:26/3期決算説明会を開催。長期計画の進捗。

 5月12日11時、中山製鋼所は8日に発表した26/3期決算を受けて、説明会を行った。説明に使われた資料はこちら。総括・長期計画の進捗・サステナビリティについては内藤社長(写真右)が、25年度実績・26年度予想などについては大穂常務が、それぞれ行った。

 

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 ⇒「中山製鋼所:26/3期決算を発表、27/3期は増収経常減益」

 

<総括>

〇25年度実績(資料3P)

 需要低迷による販売数量の減、安価輸入材の影響による販売価格の下落、一過性ではあるが、変電所トラブルの電気炉減産により減収、減益の決算となった。

 

〇26年度見通し

 26年度の見通しは、増収減益を見込んでいる。電気炉材の適用拡大、高付加価値製品の拡販、加工製品の強化、関東地区での営業強化などの施策による増販と、現在実行中の1-1.5万円の値上げの完遂により、増収を見込んでいる。

 しかしながら、収益については、25年度下期からのコストアップ先行の影響が26年度上期にまで残ること、それと地政学的リスク、さらなるコストアップ要因を勘案して、減益の見通しとした。ただし、これで「良し」とはしていない。拡販施策の前倒し、利益率の高い電気炉製品を使用したメッキ、C型パイプ、それと収益の安定している製品の拡販を図っていく。

 また、コストアップ分については、販価に転嫁していき、状況を見ながらさらなる値上げを視野に入れて収益改善を目指していく。

 

〇配当

 引き続き配当性向30%以上を安定的に維持すると方針のもと、25年度比+6円の1株当たり20円を予定。新電気炉建設の進捗については、後ほど説明する。

 

<25年度実績>

〇実績(同5P)

 先ほど説明の通り、販売数量の減少、販売価格の下落、変電所事故影響を主因として減収減益となった。

 同社の主力マーケットである建築関連は、労働力不足や資材高騰などにより国内需要が低迷、安価輸入鋼材の流入もあり、販売数量は減少した。

 一方、9月の変電所事故による電気炉休止に伴う3Qの出荷調整分は、計画通り4Qにて解消済み。

 販売価格は、需要環境が厳しい中で輸入鋼材への対抗を強いられ、県内を中心に全般的に下落をした。

 結果として、資源量価格の低下以上に販売価格が下落をしたということに加えて、電気炉休止中の減産、代替鉄原の振替、変電所修繕にかかる費用の合計16億円の一過性の減益要因が重なり、大幅な減益になった。

 その結果、ROSは、24年度の4.8%から▲1.6ポイント低下し、3.2%となった。

 

〇販売数量/スプレッド(同6P)

 販売数量は、資料左側の棒クラブ、24年度は101万トンに対して25年度は92万トンと、約1割減少した。特に3Qは変電所事故の影響が大きく減少が、逆に4Qは、その出荷調整のリカバリーをして大きく増加をした。

 右側のスプレッド。24年度はトン当たり7.9万円だったが、25年度は7.5万円ということで、4,000円縮小した。特に4Qでは、スクラップ価格が上昇する中で、3Qの出荷調整の解消を図ったことで、6.8万円までスプレッドが縮小した。

 

〇第5変電所事故について(同7P)

 既に公表しているが、9月の26日に発生した送電遮断機のトリップ事故により電気炉に送電ができなくなり、3ヵ月間操業休止をした。遮断機取り替え工事を行い12月24日には操業を再開しており、その後は順調に稼働を続けている。休止中は、代替鉄源を購入して、ユーザーへの製品供給を維持し影響を最小限にとどめたものと理解している。3Qに出荷調整をしたが、4Qでリカバリー済み。事故原因については、送電遮断器の機械構造部の故障と推定されるとの結論に至っており、点検周期の短縮により故障発生の事前察知を図り、再発防止を徹底していく。

 決算の影響については、25年度限りの一過性で、3Q時点では事故影響額▲16億円を売上原価と営業費用に計上しており、影響額が確定したことで恒常性のない偶発的な事故と判断できることから、▲16億円のうち8億円を事故関連損失として特別損失の方に振替をした。詳細は資料下の表の通り、電気の減産影響のうち▲6億円で、設備の修繕費用▲2億円の合計▲8億円を特別損失で振替をした。

 

〇経常利益増減分析(同8P)

 24年度の81億円に対して25年度は48億円と、▲33億円の減益となった。販売数量については、数量減ということで▲21億円の減益の影響。販売価格と主原料価格についてはともに下落をし、販売価格については▲81億円、主原料価格では+66億円ということで、スプレッドは▲15億円の影響があった。固定費については、労務費などのコスト増加により▲6億円、在庫影響については+14億円、その他で▲5億円。なお、スプレッドの▲15億円とその他の▲5億円の中には、変電所事故影響の▲8億円が含まれる。

 

〇貸借対照表・キャッシュフロー

 資料の9-10ページの通りなので割愛。

 

<26年度見通し>

〇事業環境認識(同12P)

●国内需要見通し

 経済産業省が出している26年度1Qの国内需要見通しというのがあるが、同社としては、これは年度を通じて続いていくものと認識をしている。

 建築については、資材費や労務費の上昇を、人手不足の影響が継続、自動車については横ばい、産業機械については緩やかに回復、輸出についても横ばいという見通し。

●同社販売見通し

 それを踏まえて、同社の販売見通しは、国内の鋼材需要の回復の遅れ、中東情勢の影響、安価な輸入鋼材の流入の継続により厳しい需要環境を予想している。

 一方で、日本ではアンチダンピング対応は進むと予想しており、これはプラスの材料と考えている。

 このような状況において、同社では、ヨドコウなど他社共同の具体化、電気炉材の適用拡大の販売施策の推進、加工製品の拡販により販売数量の増加を図っていく。加え、スクラップ価格やコストの上昇分の価格転嫁を進め、数量優先ではなく採算性を重視する方針を徹底していく。

 

〇前提条件(同13P)

●販売数量

 26年度は97万トン、前年度比で+5万トンの見通し。アライアンスの具体化と電気炉材の適用拡大等により増加を見込む。

●スプレッド

 スクラップ株の上昇の価格転嫁というのはタイムラグが発生をすることもあり、25年度のトン当たり7.5万円から、26年度は6.8万円ということで、7,000円の縮小としている。下期に向けては、価格転嫁が進むので、改善を見込んでいる。適正な販売価格への早期の引き上げに努めていく。

 

〇高炉原料価格の推移(同14P)

 鉄鉱石・原料炭、溶銑コストはともに高止まると予想。資料左のグラフはドルベースで、ドル円相場については、下期に向けては円高方向に進む予想しており、歴史的な水準比では円安の継続としている。

 資料右側、円価ベースのグラフ、スクラップについては高騰が続くと考えている。

 

〇エネルギー使用単価の推移(同15P)

 同社の使用単価について、22年上期を100とした場合の折れ線グラフ。ウクライナ侵攻時には電力、ガスともに上昇したが、今回についても中東情勢の影響で電力は上昇すると予想しており、ガスについても短期的には上昇の懸念があると予想をしている。

 

〇26年度業績見通し(同16P)

 冒頭にも説明したが、売上高については1,570億円で+87億円の増収、営業利益、経常利益についてはそれぞれ34億円、20億円ということで、それぞれ▲15億円、▲28億円の減益。当期利益は逆に35億円ということで+10億円の増益と見込んでいる。

 売上高は、施策の実行による販売数量の増加、販売価格の引き上げによる増収を見込んでいる。一方、電気炉生産は正常化するが、値上げに対して原料やコストの上昇が先行することから、中東情勢の影響等を勘案して大幅減益と見込んでいる。当期利益については、新電気炉建設資金確保のためにグループ会社含めて2件の土地の売却は決定をしており、それによる譲渡益37億円を上期の特別利益に計上予定。

 それらを踏まえて、年間配当は、先ほど説明した通り、配当性向30%以上を目標として、25年度比で+6円、年間20円の増配を予定している。

 

〇経常利益増減分析(同17P)

 25年度の実績48億円に対して26年度見通しは20億円で、▲28億円の減益。販売数料については、数量増ということで+13億円を見込んでいるが、販売価格、主原料価格が共に上昇するということで、販売価格については+51億円、主原料価格については▲70億円ということで、スプレッドは▲19億円を見込む。固定費については、さらなるコスト増を盛り込み▲7億円、在庫影響は▲6億円、その他について▲9億円としている。

 26年度については、変電所事故影響がなくなることで+8億円分が改善されるが、これはスプレッドとその他の中に含まれている。

 

<株主還元>

〇配当方針(同19P)

 当期利益が25億から35億ということで、+10億円増益になるので、年間配当は14円から20円と、+6円の増配。引き続き、長期計画の方針に従い配当性向目標を30%以上とし、新電気の稼働後については、事業収益やキャッシュフローの状況等も踏まえて配当方針を検討していきたい。

 

<長期計画の進捗>

〇長期計画における重点方針

 資料23Pに記載の通りなので割愛。

 

〇電気炉材の多様な分野での適用拡大に向けた取組み(同24P)

 再掲載だが、電気炉鋼材の適用拡大に向けて取引先との関係もあり、詳細説明は控える、取り組み内容は順調に進んでおり、ユーザーの増、用途の拡大、案件も増えてきている。現在のところ、プロパー化したもの、それから評価中のものも含めて月3,000トンの量となっており、今後も強化して進めていく。

 

〇新電気炉建設の進捗状況(同25P)

 スケジュールについては資料の通りだが、この4月、環境アセスメント、先ほども説明したが、広告・縦覧、住民説明会を実施し、終了した。11月には環境アセスメントが完了となる。いくつかの設備の解体が残っているので、それが済み次第、新電気炉建設工事に着工していく。30年の7月にホットラン、30年度中にはフル操業へ進めていきたいと考えている。

 この中で、※印が記載している当初想定スケジュールから約6カ月変更となっているが、日本製鉄との合弁契約書の通りの内容となっている。

 

〇キャピタル・アロケーション(同26p)

 25年5月公表の内容の進捗状況について。1つ目は、日本製鉄出資分ということで、先ほど説明したように、4月1日に合弁会社が設立しており、めどが立ったという認識。この下の合弁の目的と記載をしているが、両社にとってウィンウィンの関係にあるプロジェクトであるとの認識。銀行借り入れについて、将来キャッシュフローの予測を踏まえて、現在、取引先金融機関との具体的な交渉を進めているところ。それから、資産売却だが、先ほども説明したように、2件の売却を決定しており、進めているところ。

 

<サステナビリティ>

〇圧延工程でのAIソリューション活用(同28P)

 この件については検討中ということで説明したが、AIを使用して棒線工場の加熱炉における最適運転条件を検証して、本格導入を目指している段階。省エネそれから脱炭素への貢献を期待して、今現在推進中。

 

〇去年から今年にかけての取り組み(同29P)

 1つ目、9月10日、大阪の関西万博に出店を展示。これは、大阪ブルーカーボン宣言に参画するという内容で、ブルーカーボン生態系の保全を目的とした取り組み。万博に模型を展示して、好評を得た。

 2つ目、海の豊かさを守ろうということで、北九州市の公立小学校にてSDGsの事業として説明をしたという内容で、地域貢献にも繋がったかなと考えている。

 3つ目、10月31日、昨年に引き続き2年連続で統合報告書を発行。

 今年に入ってからの取り組み(資料30P)、CDP2025、気候変動とそれから水セキュリティのセクターの調査について回答しており、気候変動については2年連続で「Aリスト」、最高ランク、初めて回答の水セキュリティについては「A-」の評価、今後も継続していきたい。

 それから、次の2月13日、30by30に参加ということで、環境省が中心となって進めている取り組みだが、生態系を守る取り組みとして、これは最初に説明した大阪のブルーカーボン宣言にもつながる内容なので、この取り組みにも参加をした。

 3月においては、健康経営優良法人ということで、6年連続で認定を受けた。

 

 

(IRuniverse 井上 康)

井上 康

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