前回に続き、2026年第1四半期(Q1)の半導体動向をアプリケーション別でみてみる。今回はデータセンタである。
●事業環境:超旺盛なAI需要がある。些か加熱過ぎるという声もあるが。
・2025年のデータセンタ投資は世界で約5,800億ドル超、前年比+27%、その大半をAIワークロード向けインフラ(GPUサーバー、HBM、NVMe SSD、ネットワーク)が牽引した。
・2026年は「量から質」へ:CAPEXは高水準維持だが、選別と実行リスクがテーマ ハイパースケーラーは、地域拡大よりも「AIコンピュート密度・電力効率・TCO最適化」にフォーカス。AIサーバー(GPU/アクセラレータ搭載サーバー)が引き続き投資の中核である。
・Q1の特徴:需要が供給を上回る。特に電力が顕著。
・電力インフラが世界的にボトルネック化し、電力確保が立地より重要な決定要因になっている。
・北米・欧州・インド・中東などで、電力・規制・コミュニティリスクが開発リードタイムを大きく延ばしている。
2メモリーIC(DRAM・NAND・HBM)の2026年Q1時点の状況を総括すると、・汎用DRAM契約価格動向:QoQ+90~95% ・NANDフラッシュ契約価格:QoQ+55~60% ・PC DRAMはQoQで2倍超の値上がり見込み、・サーバーDRAMも契約QoQと、過去最大級の上昇率(ソース:Trendforce.com)
・需給バランス:AI・データセンタ向けが供給を食い尽くす構図となっている。・北米CSP/サーバOEM/PC OEMが軒並みDRAM不足・メーカーは生産能力をDRAM側にシフトし、NANDの供給拡大は抑制されている。
・NAND市場:エンタープライズSSD・AIストレージが成長エンジン、エンタープライズSSD需要は前年比+15~20%程度で拡大。1)AIクラスタの学習・推論用データセット、チェックポイント保存などでAI関連ストレージ需要は年率30%超で成長と推定されている。中期的なメモリICの需要・市場トレンド(2026年以降):AI時代のボトルネックはメモリへシフト2) HBM・CXL・3D NANDの高度化、HBMはAIアクセラレータ向けの主戦場。AIサーバの構成単価の中で最もレバレッジの高いコンポーネンツの一つ、3D NAND:300層超、ウエハボンディング、ハイブリッドボンディングなどでビットコスト低減と性能向上を両立する。
●Q毎のサーバ生産結果と予想(ソース:OMDIA)

●年度ごとの世界のDC(データセンタサーバ)需要

●DCサーバ地域別シェアトレンド

ソース:OMDIA
【DRAM生産情報】
・Samsung、スト回避に向けた交渉が山場に
・以前取り上げたSamsungのスト問題については、交渉が山場を迎えている。
5/11から会社側と再交渉を行っており、労働側が満足する回答が得られなければ、5/21より18日間のストライキに突入する。
・このDRAM不足の時期にSamsungの生産が止まれば、電子機器生産への影響は避けられない。そして、Samsungも1,000億円/1日の損失である。巨額な損失となる。 韓国労組は日本のように妥協しないので、交渉決裂となる可能性も十分ある。
・Samsung労組の最大の要求は賞与配分である。現状は年収の50%を上限とする規定となっているが、この撤廃を求めているのですあ。ただ、現状のメモリ価格を考えると、これを撤廃すれば相当な額の賞与支払いとなります。
Samsung労組は、要求を受け入れられなければ、SKへ転職する社員が大勢出るとも言っている。
さて、Samsungがどのような結論を出すか、半導体市場にインパクトを与えるので、注目しょう!