5月13日13時、共英製鋼は経営戦略説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。坂本社長より挨拶、決算及び中計の進捗については菅副社長が説明を行った。

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<挨拶>

今回の決算の概要と今後の同社グループの方向性について簡単に説明する。まず、25年度の業績については、国内鉄鋼事業が依然として厳しい環境にある一方で、ベトナム・カナダは堅調に推移した。また、課題であったアメリカのビントンスチール社も下期には黒字化を達成した。これにより、海外鉄鋼事業は24年度の赤字から大きく改善して、21年度以来、4年ぶり黒字を計上した。その結果として、営業利益、経常利益ともに、前期比で増益となった。
続いて、26年度の見通しだが、国内鉄鋼事業は引き続き厳しい環境が続くと見ている。ただし、現在進めている製品値上げ、これが下期には出荷単価に反映させ、メタルスプレッドの拡大につながると見込んでいる。
ベトナムをはじめとします海外事業、これが引き続き収益を牽引することから、出荷量だけでなく、利益面でも海外が国内を上回ると想定をしている。
今年度は中期経営計画の最終年度。非常に重要な一年と考えている。国内事業を取り巻く環境は厳しく、非常に不透明であり、同社が扱う鉄筋需要も想定以上に減少するとみている。ブランド戦略でありますエシカルスチールのさらなる浸透により、非価格競争での製品販売数量の確保、それと環境リサイクル事業の強化にも注力をしていく。
一方で、海外需要は当初計画を上回る業績を見込んでいる。特にベトナムでは、前中期経営計画の期間中に厳しい環境下でも投資を継続してきた成果がようやく現れてきている。今後も一定の変動はあるとみているが、中長期的には成長が期待できるエリアであると認識をしている。
また、今後の成長戦略の柱として位置付けている北米ピントンスチール社の500億規模の大きな投資の完遂、これが、最重要テーマであると考えている。
同社グループは他社メーカーにない世界三極体制、国内4事業所、そして環境リサイクル事業、さらには多くのグループ会社を有しており、ブランド戦略も進めている。また、プロッパーだけではなく、銀行出身や商社出身など豊富な経験や人脈を持つ役員、幹部が揃っている。これら同社の特色とも言えるコンテンツをさらにつなげて、さらに活かして、次期中期経営計画期間での大きな収益貢献につなげていきたいと考えている。
<決算説明>

〇業績について(資料4-7P)
25年度の決算と26年度の業績予想について簡単に説明する。その後、今年度が最終年度となる中期経営計画「NeXuSⅡ2026」、こちらの進捗状況について説明する。
●25年度、前年度比で減収となったが、営業利益と経常利益は増益となった。資料5ページにセグメント別の業績をまとめている。国内鉄鋼事業は、工期の遅れや長期化の影響による出荷量の減少に加えて、円安や中東情勢を背景としたスクラップ価格の上昇等により売買差が縮小し、減収減益となった。
一方では、海外鉄鋼事業は、ベトナム・カナダの堅調な業績に加えて、米国拠点も下期から黒字化したことにより、前期対比で大幅な増益となった。環境リサイクル事業は、前年度若干の減収減益という結果。
●26年度の業績予想は資料の6ページのとおり。前年度対比で減益となる計画。こちらはセグメント別の業績予想を資料7ページに示しているが、国内撤去事業は増収減益、海外鉄鋼事業は増収増益で、海外事業が国内事業をカバーする構図。環境リサイクル事業はおおむね前期並みの計画。
<中期経営計画「NeXuSⅡ2026」>
〇エグゼクティブ・サマリー
中期経営計画の最終年度である今年度は、米国で進めている大型投資を着実に進めることなど、次の成長に向けた土台を固める1年と位置づけている。このパートでは、まず、これまでの2年間を総括した上で、26年度の取り組みについて説明する。
●25年度までの総括
国内外で事業環境が大きく変化し、各事業の業績は明暗が分かれた。
国内鉄鋼事業は、想定以上の需要減少の影響により、収益環境は大変厳しいものとなっている。
一方で、海外鉄鋼事業は、中計策定時は業績不振が大きな課題であったが、冒頭に坂本からも話があった通り、前中計から進めてきたベトナムでの投資が実を結び始めたことやカナダでの安定的な収益が寄与して、グループ全体収益を大きく支える形となった。
●26年度計画のポイント
26年度は、こうした取り巻く環境変化を前提としつつ、世界三極体制の総仕上げとして、米国における投資を着実に進め、次の成長に向けた取り組みを強化していきたいと考えている。
〇25年度の総括(同10P)
セグメント別に期初計画と実績を示ししたものであり、事業環境の変化を受けて各セグメントでは差が出てきており、国内の減益を海外の増減で補う形となっている。
〇中期経営計画の進捗状況(同11P)
足元の状況と中計策定時の最終目標と比較して示している。利益面では、中計最終目標から乖離が生じており、厳しい結果と言わざるを得ない。出荷量は増加傾向にあり、最終目標にも近づきつつある。将来に向けた収益基盤の強化はしっかりと進めることができると評価をしている。
また、加えて、ここでのポイントが2点。
1点目:最終年度に向けて、中長期の成長に必要な投資を着実に織り込んでいる。特に、米国のプロジェクトは、今年度が正念場だと考えている。
2点目:財務の健全性は維持していく方針。今後も中長期の成長に向けた投資と財務のバランスを引き続きしっかりとコントロールしていく。
資料12ページは、中計最終目標と今年度の計画との関係についてセグメント別に整理をしたもの。
国内鉄鋼事業の今年度の計画は60億円と、最終目標である180億円を下回り、課題を残す形となった。
一方、海外鉄鋼事業は、最終目標である70億円を上回る110億円の計画となっている。これまで進めてきた投資の効果が現れ始めており、国内と海外の利益構造が逆転する形となり、国内の減益を海外が一定程度カバーする収益構造が形成されつつある。
特にベトナムは、これまでの投資効果の実現と国としての成長、これをうまく取り組みつ取り組みつつあり、将来に向けた基盤は着実に整ってきたと認識をしている。
〇中計最終目標と今期計画の乖離要因(同13P)
今後も、各事業の収益力をさらに高め、この差分を少しでも埋めるよう取り組んでいく。ここまで説明してきた事業環境を踏まえつつ、26年度は中計の最終年度かつ次の中計の土台となる大変重要な年度であると考えている。
〇中計最終年度の取り組み(同14P)
厳しくかつ不透明な事業環境が続くが、力強い持続的な成長を実現するためには、今年度は大きく次の3点に注力したいと考えている。
第1に、米国拠点における大規模投資を着実に進めること、
第2は、国内鉄鋼事業における収益構造の見直しであり、ローコストオペレーションの推進に加えて、エシカルスチールを軸に施主への直接的なアプローチにもチャレンジしたいと考えている。業界でも例の少ない取り組みではあるが、中長期的には重要な変化につながるものと考えている。
第3は、次期中計に向けて、国内外を問わずビジネスの視野を広げ、将来の成長機会の基盤を構築すること。
これらの取り組みを通じて、不透明な事業環境の中でも次の成長ステージにつながる事業展開を実践したいと考えている。
<具体的施策>
〇国内鉄鋼事業(同17P)
国内の鉄鋼需要は、引き続き、建設現場の人手不足による工期の遅延や長期化により、低調に推移することが予想される。そうした中、原材料である鉄スクラップの上昇と、中東情勢の緊迫化により、収益環境はさらに厳しくなると見込んでいる。
一方、下期にかけては案件増加の話も聞こえてきており、出荷量に関しては一定の回復余地があると見ている。
そのような環境下で、資料左のグラフの通り、同社はシェア19%前後を維持できており、鉄筋国内トップの地位を堅持している。
まだ右下のグラフでは鉄スクラップ価格が上昇する中、今年の1月には販売価格トンあたり10万円を打ち出し、足元では徐々に値上げが浸透し、契約単価も出荷単価を上回りつつある。
●3つの戦略(同18P)
中計における国内鉄鋼事業の具体的な施策の進捗について、エリア、機能、ブランド、この3つに整理して説明する。
1つ目のエリア:最大需要地である関東エリアでのプレゼンスの向上を目指して、グループ連携強化に取り組んでいる。特に、名古屋事業所の高強度鉄筋、ネジ節鉄筋の拡販については、今後も重要なテーマとして注力していく。
資料19ページ右のグラフ、25年度の収益全体に占める関東事業所や名古屋事業所の割合がさらに増加をしてきている。
2つ目の機能:川上と川氏も両戦略の取り組みの確度を高めていく。
川上戦略としては、昨年5月に子会社化した東洋商事を含めた安定かつ効率的なスクラップの調達を進めていく。川下戦略としては、グループ会社である共英産業・共英加工販売とのさらなる連携により、加工部門の強化に努めていく。
3つ目のブランド戦略(同20P):エシカルスチールを軸としたブランディング活動を進めている。エスカルスチールの理念の浸透と認知度向上の取り組みとして、今年2月から3月にかけて、イメージキャラクターのウルトラマンが登場するCMを地上波テレビで放映した。また、取引先などへの説明会の実施やノベルティを活用した販促活動などの取り組みにより、今年の4月までに約7,000トンを受注した。今後も、施主への営業活動をより一層強化していきたいと考えている。
海外鉄鋼事業については「共英製鋼:経営戦略説明会を開催(後半)」に続く
(IRuniverse 井上 康)