5月13日18時、日本製鉄は15時半に発表した26/3期決算を受けて説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。

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<25年度実績>
〇実績
25年度の実力ベース連結事業利益は6,504億円。関税影響やトラブル等による環境悪化があったものの、国内製鉄所のコスト改善やグループ会社の改善努力により、前回見通しを上回る結果となった。当期利益は171億円、配当は24円/株を予定。
図表1、26/3期実績(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇事業環境
国内・世界ともに鉄鋼需要が減少し、中国からの鋼材輸出が過去最高を更新するなど、当初の想定を超える厳しい事業環境となった。
●国内事業: 高炉基数や粗鋼生産能力の削減といった生産設備構造対策のほか、品種高度化や紐付きマージン改善を実施し、損益分岐点を4割引き下げ、スリムで強靭な体質を構築した。
●海外・原料事業: 米国(U.S. Steel買収等)、欧州、インド、ASEANで成長投資を行い、厚みと幅のある事業構造へ進化させた。
〇財務・株主還元
政策保有株式の縮減等による資産圧縮(前中計期間で約9,100億円規模)を実施し、U.S. Steel買収資金のパーマネント化を完了させ、健全な財務体質と株主還元を両立。
<26年度見通し>
〇見通し
26年度の実力ベース事業利益は7,000億円以上(U. S. Steel除きで6,000億円)を見込む。また、一過性の損失等が減少するため、当期利益は2,200億円を見込む。なお、これらに中東情勢による影響は含まれておらず、外数として扱われている。
図表2、27/3期見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇配当見通し
配当性向30%程度を目安としつつ、新たに「下限配当24円/株」を導入。26年度の配当見通しも24円/株とした。
<26年度の取り組み(2030中期実行状況)>
〇全体方針
「圧倒的な優位性の確立と世界No.1の鉄鋼メーカーへの復権」を掲げ、国内事業の収益基盤強化と海外事業のグローバル成長戦略を加速させる。
〇国内事業
名古屋製鉄所の次世代熱延設備の稼働や次世代鋼製自動車コンセプトの開発などにより、技術・商品の優位性を拡大。また、山陽特殊製鋼の完全子会社化・統合を通じ、特殊鋼事業の直営化と体質強化を図るなど、グループ会社再編によるシナジー創出を進める。
〇海外事業(重点4地域への投資)
●米国: U.S. Steelにおいて、当社の先進技術導入や大規模な成長投資(DRIプラント新設など)を実施し、2026〜2035年にかけて飛躍的な利益成長(EBITDA 30億ドル改善)を目指す。
●インド: AM/NS Indiaにおけるハジラ製鉄所の能力増強に加え、南部アンドラプラデシュ州での鉄源一貫製鉄所建設の土地造成に着手した。
●タイ (ASEAN): 「タイプロジェクト」を発足させ、ホームマーケットとしてサプライチェーン一貫でのシェア拡大を目指す。
●欧州: 欧州の鉄源一貫製造拠点(Ovako、Nippon Steel Slovakia)を直接出資体制に移行し、域内の連携とシナジーを強化。
<カーボンニュートラルビジョン2050関連>
技術開発、投資回収の予見性、制度化・標準化、インフラ整備の4つの課題克服に向けて取り組みを着実に進めている。
九州製鉄所八幡地区における電炉プロセス転換工事に着工(2029年度下期稼働予定)した。
東日本製鉄所君津地区の試験高炉において、水素還元によりCO2排出45%削減を確認したほか、波崎研究開発センターでは水素による還元鉄製造の試験還元炉が稼働を開始した。
<参考>
図表3、四半期別の業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)