5月14日11時、大紀アルミニクム工業は26/3期の決算を発表し、4月30日に修正した値で着地した。続く27/3期は17%増収、営業67%増益、経常利益と当期利益は2倍以上になるとした。同社は決算説明会開催していないが、説明動画及び資料は作成している。なお、動画は約2週間後に同社HPにアップされるようだ。
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<25年度実績>
〇実績・・・前年度と比較して、大幅な増益を達成。
売上高: 3,311億円(前年度2,997億円)、営業利益: 72.6億円(同48.3億円)、経常利益: 56.2億円(同37.4億円)、当期利益: 36.8億円(同6.9億円、1株当たり当期利益: 93.01円(同17.48円)
図表1、26/3期実績(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇製品販売状況
・国内: 通期累計で225,410トン(前年同期比1.2%減)となった。自動車向けを中心としたダイカスト用・鋳物用合金は前年並みに推移したが、圧延向けCAN材原料の高騰により生産調整等を実施したため、圧延向け製品が減少した。
・海外: 通期累計で253,110トン(同2.2%増)となった。特にインドネシア、インド、マレーシアの連結子会社において、前年同期に比べて製品販売数量が回復した。
〇財政状態とキャッシュ・フロー
・財政状態: 総資産は1,778億円となった。製品販売価格の上昇に伴う売上債権の増加や、原料となるスクラップ価格の上昇に伴う仕入債務の増加が主な要因。自己資本比率は42.9%。
・キャッシュ・フロー(CF):
営業活動CF: 18.6億円のプラス。運転資金は増加したが、税前利益や減価償却費で賄えたためプラスとなった。
投資活動CF:51.8億円のマイナス。経常的な設備更新等を含めた固定資産取得による支出。
財務活動CF: 50.7億円のプラス。売上債権等の増加で発生した運転資金を短期借入金で対応したことなどによる。
<26年度予想>
・業績予想:売上高3,867億円円、営業利益1,216億円、経常利益113.8億円、当期利益88.4億円と、さらなる増収増益を見込む。
・設備投資: 亀山工場(国内)における過熱水蒸気キルンの新設工事や、タイの連結子会社における溶解炉更新工事などを計画。
図表2、27/3期見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
<株主還元と資本政策>
・配当: 26/3期の1株当たり配当金は55円(配当性向59.1%)。
・PBR向上に向けた取り組み:同当社の株主資本コストを概ね8〜9%と認識しており、PBR(株価純資産倍率)1倍以上を目指す。そのために、コア事業の強化や高付加価値化による「収益性改善」と、株主に対する継続的かつ安定的な利益還元や投資家との対話機会の創出による「市場の信認」の獲得を推進する。
※30年以上、同社をみている筆者にとっては、決算説明動画を作成するなどIR活動は改善してきているが、どうせ資料や動画を作成するのであれば、説明会(年1、2回)を開催したほうが、同社にとっては有益かと思う。機関投資家やアナリストからの忌憚のない意見を聴くなどで、マーケットにおける同社のポジションなどが確認でき、その上今後のIR活動の参考となるばかりか、マーケットにおける認知度も高まるものと思う。
<参考>
図表3、四半期別の業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
図表4、国内外のアルミ販売数量推移(千トン)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)