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フジクラ:中期経営計画を発表し、説明会を開催した

2026/05/19 17:32
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フジクラ:中期経営計画を発表し、説明会を開催した

 5月19日14時発表予定が遅れたが、フジクラは28年度を最終年とする中期経営計画を発表し、16時半から予定通り説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。説明は岡田CEOが行った。

 

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<25年中期経営計画の総括>

 前中期経営計画(23〜25年度)は、経営管理の高度化と戦略的な事業運営、ポートフォリオの再構築を進めた結果、計画を1年前倒しで達成し、最終年度は大幅な上振れとなった。

〇業績結果

●売上高は目標8,250億円に対し1兆1,824億円、営業利益は目標850億円に対し1,887億円といずれも大きく超過した。

●セグメント別の状況

・情報通信事業:生成AIの普及によるデータセンタ投資の拡大を受け、戦略的製品である光ファイバケーブル(SWR/WTC)等の光配線ソリューションが大きく伸長し、全社の業績を牽引した。

・自動車事業:採算重視の受注戦略などにより安定的な黒字体質となり、計画を達成した。

・エネルギー事業:都市再開発やデータセンタ、半導体工場建設等の国内需要が好調で計画を達成した。

・情報端末事業(電子・電装等):スマートフォンの成長鈍化や競争激化により、計画未達となった。

 

<28 中期経営計画>

〇「第4の創業」と目指す姿

 同社は、激変する社会環境の中でさらなる成長を目指すため、26年度からの期間を「第4の創業」と位置づけた。

 「つなぐテクノロジー」を通じ、顧客の価値創造と社会に貢献するというパーパスのもと、「高度デジタル化社会」と「カーボンニュートラル」の両立をターゲットに掲げている。

 

〇事業戦略の基本方針:「攻めの選択と集中」

 経営危機からの再生を果たし強靭な財務体質を確立した今、これまでの「守りの選択と集中」から「攻めの選択と集中」へ移行する。

●情報通信事業への集中:革新的事業領域である「情報インフラ」と「情報ストレージ」の成長を牽引するため、人的リソースおよび資金を重点的に投下する。

●事業統合によるシナジー創出:情報通信以外の領域では、「電子部品・コネクタ事業部門」と「自動車事業部門」を統合した。高密度配線や微細加工技術などの資産を融合させ、次世代車(CASE)、フィジカルAI、AIロボットといった高付加価値な新領域の開拓を目指す。

 

〇生成AIインフラ・データセンター市場の獲得

 生成AIの進化に伴う爆発的なデータセンタ需要と、データセンタ間(DCI)を結ぶ光配線インフラの需要を的確に捉える。

●米国の生成AIインフラ需要:米国政府との枠組み合意により、米国生成AIインフラ強化に向けた光ファイバケーブル(SWR/WTC)のサプライヤーに選定された。

●ソブリンAIによる世界的拡大:データ主権の確保(自国データの保護体制強化)を目的とした「ソブリンAI」の動きにより、米国だけでなく各国政府主導のデータセンタ投資が加速し、需要は世界規模に拡大すると見込む。

●トータルソリューションの提供:光ファイバケーブルのみならず、小型化が進む光コネクタ、多心の光ファイバ融着接続機、さらには通信エンジニアリング(施工工事)まで、エンドツーエンドでのソリューションを提供し、高収益を確保する。

 

〇未来への布石:フュージョンエネルギーとR&D

 データセンタの消費電力増大という社会課題に対し、電力需要とカーボンニュートラルを両立させる夢の技術として「フュージョンエネルギー(核融合)」に注力。

●フジクラの技術である「高温超電導線材」(磁場閉じ込め方式向け)や「ファイバレーザ」(レーザー方式向け)が貢献可能であり、すでに国内外のスタートアップから発注を獲得している。

●R&D(研究開発)のシフト:短期間の事業化テーマは事業部門に移し、R&D部門は次世代光ファイバ(高密度・低遅延、CPO/光電融合など)や超電導・レーザー応用など、中長期での独自性・優位性があるコア技術の創出に特化させる。

 

〇戦略的成長投資の計画

 急速に拡大する生成AIインフラ需要を確実に取り込むため、日米において最大3,000億円の戦略的投資を実行する。

●光ファイバケーブル(SWR/WTC)・・・()内の能力は22年度比

・日本国内:先行して100億円(能力1.3倍)と450億円(能力約2倍)を投資。

・日米戦略投資:米国生成AI需要に向け、日本で400億円、米国で最大2,600億円を投資(2030年頃から段階的に稼働予定)。

●高温超電導線材:国内で60億円(約3〜4倍)と56億円(約6〜8倍)を投資し、生産能力を急拡大させる。

 

〇財務計画とキャピタルアロケーション

 26年度から28年度までの3年間における財務目標と資金使途。

●28年度 業績目標:売上高 1兆6,000億円、営業利益 3,150億円(営業利益率 約20%)。

●KPI目標:ROE 28.5%、ROIC 21.6%。

●長期到達イメージ:米国等の投資がフル稼働する35年度には、売上高2兆8,000億円、営業利益5,800億円規模を目指す。

●資金の使途(3年間累計)

・創出される営業キャッシュフロー約6,200億円などを原資。

・成長・戦略投資等:約5,300億円を充当。

・株主還元:約2,200億円(配当性向40%を目安)。

・自己資本比率は50%程度を維持し、健全な財務体質を保つ。

 

〇環境経営の強化

 事業活動に伴う環境負荷低減に向けて、2028年度までに以下の目標(2020年度比)を掲げている。

●Scope1&2 排出量:26.4%以上の削減。

●Scope3 排出量(上流):12%以上の削減。

●各事業所における太陽光パネルの敷設や、再エネ電力の購入(PPA)等を通じてカーボンニュートラルの実現を目指す。

 

 

(IRuniverse 井上 康)

井上 康

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