■ 概要
世界有数のリチウム生産企業である米アルベマーレ(Albemarle)は、西オーストラリア州に位置する国内最大級の「ケマートン水酸化リチウム精製工場」の閉鎖を発表した。これに伴い8億2000万ドルの特別損失を計上し、同社の株価は5.2%下落した。
■ 閉鎖の主な要因
採算の悪化: 中国からの供給過剰によるリチウム価格の暴落や、エネルギーコストの高騰により、精製コストが市場価格を上回る赤字状態が続いていた。
市場環境の厳しさ: 硬岩リチウム処理における構造的な課題や激しい競争に加え、重要鉱物企業向けの政府による税額控除支援の遅れも逆風となった。
■ 今後の影響・見通し
財務・事業面: 豪州子会社は8億5400万ドルの純損失を計上し、今後2年間でさらに3億7500万ドルの追加費用を見込んでいる。一方で、不採算部門の切り離しにより2026年第2四半期以降の調整後EBITDAにはプラスに働くと予測しており、代替施設での生産により2026年の販売予定量への影響はないとしている。
地域社会への打撃: 250人以上の雇用が失われ、多数の請負業者や地元経済に深刻な影響を及ぼす。
サプライチェーンの課題: 現在リチウム精製とバッテリー供給網を支配する中国に対し、西側諸国(中国国外)で競争力のあるリチウム精製能力を確立・維持することの難しさを改めて浮き彫りにした。
(IRUNIVERSE)