Loading...

2026年3月フェロチタン輸入統計分析 数量調整も前年超え――英国依存低下と調達先多極化進む

2026/05/24 12:30
文字サイズ

関連記事→
【貿易統計/日本】 2026年3月のフェロチタン輸入統計
鉄鋼生産概況月次:一般社団法人日本鉄鋼連盟 (jisf.or.jp)


為替相場推移 TTS 3か月

 

(詳細分析)
■数量では、3月単月は350トンと前月(507トン)から減少し、前月比69%。ただし前年同月比では389%と大幅増を維持し、年初からの回復基調自体は続いている。
輸入先別では、英国は200トン(前月比71%)と減少した一方、「その他」も150トン(同66%)へ縮小。もっとも「その他」の内訳では、タイ120トン、インド20トン、エストニア10トンが中心となり、供給源の分散傾向は維持された。
総じて3月は、2月の急増局面から調整入りしたものの、前年対比では高水準を維持。鉄鋼需要の弱さを踏まえると、依然として在庫補充やスポット調達主導の不安定な回復局面と整理できる。

(表―1、グラフ―1)。




 

■金額では、3月単月は1億78百万円と前月(2億58百万円)から減少し、前月比69%。ただし前年同月比では286%と高水準を維持した。
英国は1億03百万円(前月比72%)と減少、「その他」も76百万円(同66%)へ縮小。もっとも「その他」は前年同月比157%と増加を維持した。
1-3月累計は6億32百万円で前年同期比93%。総じて3月は2月の増勢から調整入りしたが、前年対比では回復基調を保ち、英国依存低下と供給源分散の流れが継続している。
(表―2、グラフ―2)。
 


 

■輸入CIF単価は、全体平均で2月のキロ509円から3月も509円と横ばい圏で推移した。3月は円安が進行したものの、円建て単価が上昇しなかった点から、ドル建てでは調整圧力が続いた可能性が高い。
内訳では、英国は512円→514円と小幅上昇した一方、「その他」は504円→503円とほぼ横ばい。総じて、円安による押し上げと市況調整が相殺され、輸入単価は高止まりながらも落ち着きをみせた局面と整理できる。


フェロチタン(Ti 70% EU USD/Kg)1年

 

主要税関別数量・CIF実績 (  )内は前月実績

 

■今後の展望
英国依存の低下と調達先分散は今後も継続し、スポット案件比率の高い不安定な輸入構造が続く見通し。数量面では、日本鉄鋼連盟の粗鋼生産統計でも粗鋼・鋼材需要の弱さが続いており、基調的な需要拡大は見込みにくい。このため、輸入は在庫補充や調達タイミングに左右される横ばい圏の推移が基本線となろう。
価格面では、3月以降の円安が輸入単価の下支え要因となる一方、英国・その他の調達ミックスやスポット高単価案件による振れは大きい。総じて、「数量は横ばい、価格は高止まり、構造は多極化」という不安定ながら底堅い局面が続く公算が大きい。

(IRUNIVERSE S. Aoyama)

 

関連カテゴリ

関連記事

新着記事

ランキング