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【貿易統計/日本】 2026年3月のフェロシリコン輸入統計
鉄鋼生産概況月次:一般社団法人日本鉄鋼連盟 (jisf.or.jp)
為替相場推移 TTS 3か月
(詳細分析)
■数量では、3月単月は2万5,373トンと、2月(2万3,360トン)から増加し前月比109%。一方、前年同月比では99%とほぼ前年並みとなった。中国(7,497トン)とマレーシア(7,626トン)が引き続き主力で、中国は前月比80%と減少した一方、マレーシアは同121%と回復。ブラジルは5,220トン(同235%)へ急増し、全体を押し上げた。カザフスタンは1,644トン(同48%)へ減少、ロシアは294トンと小幅ながら供給が再開した。その他も1,530トン(同276%)と増加。
1-3月累計は7万5,006トンで前年比101%と前年並みを維持。マレーシア(前年比106%)とカザフスタン(同181%)が増勢を支える一方、中国は同97%と横ばい、ブラジルは同74%と回復途上。総じて3月は、ブラジル急増とマレーシア回復が中国減少を補い、ロシア不在を前提とした多極調達構造が続く形となった。
(表―1、グラフ―1)。


■国別数量構成比では、2月→3月で再び変化がみられた。中国は40%→30%へ低下し、マレーシアも27%→30%へ持ち直して両国が並ぶ構図となった。一方、ブラジルは9%→21%へ急拡大し、第3極として存在感を強めた。カザフスタンは15%→6%へ低下、ロシアは1%と小幅ながら供給再開。その他も2%→6%へ増加した。結果として、中国・マレーシア2国合計シェアは67%→60%へ低下し、3月はブラジル急増を背景に供給構造がやや分散化した。もっとも、主軸が中国・マレーシアである構図自体に大きな変化はない。
(グラフ―2)

■金額では、3月単月は58億66百万円と、2月(48億06百万円)から増加し前月比122%、前年同月比107%と持ち直した。中国(13億40百万円)は前月比77%へ減少した一方、マレーシア(12億90百万円)は同121%と回復。ブラジルは19億40百万円(同262%)へ急増し、最大の押し上げ要因となった。カザフスタンは2億82百万円(同45%)へ減少、ロシアも47百万円と小幅ながら供給再開。その他は4億10百万円(同244%)と増加した。
1-3月累計金額は157億42百万円で前年比91%。数量は前年並みを維持する一方、金額はなお前年割れで、「数量維持・単価低位」の構図が続く。3月はブラジル急増が中国減少を補い、供給源分散が全体を支えた月と整理できる。
(表―2、グラフ―3)。


■輸入CIF単価は、全体平均で2月206円/kgから3月231円/kgへ上昇した。3月は円安傾向が進み、円建て価格の押し上げ要因となった。国別では、中国184円→179円、マレーシア169円→169円と横ばい圏だった一方、ブラジルは334円→372円、アイスランドは328円→357円へ上昇し、高単価材が全体を押し上げた。
数量構成では、中国比率40%→30%、カザフスタン15%→6%へ低下する一方、ブラジルが9%→21%へ急拡大し、「その他」も増加。結果として3月は、円安+ブラジルなど高単価材比率上昇という調達ミックス要因が重なり、全体平均単価は上昇した。市況要因以上に、仕入れ構成の変化が価格形成を左右した月と整理できる。
一方、ベンチマークとなる中国品の国際価格は、
2月 $1145.00/t→ 3月 $1162.50/tと反発、輸入CIF単価の上昇と歩調をそろえた。
フェロシリコン(75%min FOB China)1年
(グラフ―4)。

主要税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
■今後の展望
フェロシリコン輸入は、3月も2万5,373トンと2万トン台半ばを維持し、国内需要は急失速局面ではない。ただ、日本鉄鋼連盟によると建設関連は弱含みが続く一方、自動車・産業機械は持ち直し傾向もみられ、鉄鋼需要は「緩やかな回復」局面にある。
供給面では、中国・マレーシアの二大供給源が軸ながら、3月はブラジル比率が9%→21%へ急上昇し、調達構成が再び変化した。ロシア材不在の中、中国・マレーシア中心+ブラジル・カザフスタン補完という多極構造が続こう。
価格面では、3月は円安進行に加え、高単価のブラジル材比率上昇で平均CIF単価が231円/kgへ上昇した。ただし実需回復は限定的で急騰シナリオは描きにくく、「数量は横ばい圏、価格は円相場と調達ミックス主導」の展開が当面の基本線となりそうだ。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)