5月28日14時、日軽金ホールディングスはIR説明会を開催した。内容は15日発表した長期ビジョン「2035ビジョン」、中期経営計画「26中計」について説明。説明に使われた資料はこちら。説明は朝来野社長が行った。

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<前中期経営計画「23中計」の振り返り>

〇再発防止策と経営改革の完了
品質問題に関わるガバナンス再構築などの再発防止策は、計画通りにすべて完了した。経営方針の改訂や内部統制機能の強化、従業員との直接対話を通じた企業風土改革が進められ、新たな成長に向けた基盤が整えられた。
〇財務目標の未達と課題
3期連続の増益と資本効率の向上は達成したものの、半導体関連やバッテリーEV(BEV)の需要先送りなどが影響し、最終年度の経常利益は目標の300億円に対して236億円となり未達に終わった。今後の課題として、成長と効率化の両立が不可欠と認識している。
<長期ビジョン「2035ビジョン」>
〇目指す姿
「循環型価値創造のグローバル・リーディング・カンパニー」となることを目指し、ROIC(投下資本利益率)10%以上、PBR(株価純資産倍率)1倍以上の企業グループへと進化する目標を掲げた。
〇循環型サプライチェーンの構築
アルミリサイクルを中核戦略と位置づけ、顧客の廃材を水平リサイクルするクローズドループの推進や、混合スクラップのアップグレードリサイクル技術の開発を行う。また、インドのCMR-NLM Eco社への出資などを通じて、海外成長市場の取り込みと日本への低炭素再生アルミ還流というグローバルなリサイクルフローを構築する。
〇「循環×共創」
脱自前主義を掲げ、TREグループやJR東海など外部のビジネスパートナーとの連携を強化して新たな価値を創出する。
<中期経営計画「26中計」の基本方針・施策>
26中計期間内の早期に経常利益300億円超の安定収益基盤を確立し、ROIC8%以上を達成することを目指す。
〇新しい価値づくり(成長戦略)
・成長分野・地域
半導体関連(製造装置向け厚板や放熱部材)および自動車(LIB向け板材)の分野、ならびに米国やインドといった成長地域に経営資源を注力する。
・次期成長市場の捕捉
30年以降の利益牽引を見据え、モビリティ(BEV向け冷却・放熱材料)、航空・宇宙関連、循環型事業(再生アルミなど)への投資や種まきを推進する。
〇プロセス変革
・事業グループ体制の見直し
同用途・同機能事業の統合や集約を進め、「攻め」の事業体制へとアップデート。グループ全体のエンティティ(連結会社や事業部門)は、現在の規模から70前後にまで集約する予定。
・AI・DXによる業務変革
統合データプラットフォームの構築によりデータドリブン経営を実現。また、将来の人材不足や品質要求の高度化に備え、AIを活用した画像検査や作業指示の自動化による省力化を進める。
・人的資本戦略
「主体的なキャリア成長行動」を促すため、成長実感・多様性・透明性を重視した新しい人事賃金制度(シンプル&柔軟な制度)へシフトし、従業員エンゲージメントを向上させる。
〇キャッシュアロケーションと株主還元
・投資計画
26〜28年度の営業CF1,500億円に対し、投資CFとして▲1,100億円を計画。内訳は、維持更新に300億円、省力化・安全に450億円、成長・新商品に250億円、共創投資に100億円。老朽化対応や省力化に対する投資にも正面から向き合い、経営基盤を強固にする。
・株主還元
総還元性向の目安を従来の30%以上から「40%程度(自己株式の取得を含む)」へと引き上げ、26年度の年間配当は1株当たり100円を予定。
<各事業グループの戦略と位置づけ>
〇成長牽引
「軽圧事業グループ」と「箔事業グループ」が26中計における成長を主に牽引する。半導体・LIB関連をはじめとする高付加価値分野に注力。
〇安定収益基盤
「化成品事業グループ」「輸送機器事業グループ」「エンジニアリング事業グループ」は、国内トップシェアなどの強みを活かし、高位で安定的な収益基盤を支える。
〇収益基盤再構築・戦略的育成
「メタル事業グループ」はリサイクル事業や二次合金の拡販により、「自動車部品事業グループ」は電動化・軽量化・放熱ニーズの拡大を捉えることで収益改善を図り、35年に向けて中長期的な成長牽引役へと育成していく計画。
(IRuniverse 井上 康)