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ギニアのボーキサイト輸出規制観測、アルミ相場を一段押し上げ――中東リスク・中国減産懸念と“三重苦”に

2026/05/29 06:59
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ギニアのボーキサイト輸出規制観測、アルミ相場を一段押し上げ――中東リスク・中国減産懸念と“三重苦”に

 アルミ原料市場で新たな供給不安材料が浮上している。世界最大のボーキサイト輸出国であるギニアが、6月にも輸出規制を正式発表する方向と報じられ、すでに高騰しているアルミ国際相場にさらなる上昇圧力をかけ始めている。中東紛争による供給混乱、中国減産観測に続き、今度はアルミ原料そのものに供給リスクが及ぶ格好で、業界関係者の警戒感が強まっている。

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 ギニア政府は、ボーキサイト輸出量を一定程度抑制する方向で調整を進めているもようだ。当初は4月導入との観測もあったが、制度設計の遅れから6月開始へずれ込んだとみられる。政府高官はロイターに対し、「禁輸ではなく輸出量を減らす」と説明しており、鉱山会社ごとの数量管理や事実上の輸出枠設定が軸になるとみられている。背景には、価格下落と輸送費高騰による採算悪化、とりわけ中小鉱山の経営悪化懸念がある。 
 もっとも、足元の供給実態はむしろ拡大局面だ。ギニアの2025年ボーキサイト輸出量は前年比25%増の約1億8,300万トンと過去最高を更新。2026年1―3月期も前年比25%増の6,090万トンに達しており、中国向け需要が全体を押し上げている。輸出の7割超が中国向けで、中国系企業が主要供給を担う構図も鮮明だ。 

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 それでも市場が過敏に反応する理由は、ギニアが世界の海上ボーキサイト供給の4割超を握る“支配的供給国”だからだ。中国のアルミ精錬能力はすでに高水準に張り付いており、原料調達の不安定化は、そのままアルミナ・地金価格に波及しやすい。加えて中国では、環境・省エネ監査を背景に減産観測も浮上しており、LMEアルミ相場は5月下旬に1トン3,670ドル台と4年ぶり高値圏へ上昇している。 

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 日本市場への影響も小さくない。すでに中東紛争によるUAE産新地金・ADC供給停滞懸念から、国産ADC12は550円超の歴史的高値圏にあり、スクラップ・UBCも急騰している。ここにギニアの輸出規制が加われば、中国側の原料コスト上昇を通じ、中国産ADCや輸入塊価格の一段高につながる可能性が高い。
 市場関係者の間では、「中東リスク」「中国減産」「ギニア規制」という三重の供給不安が重なる局面との見方が広がっている。和平進展や中国景気減速が弱材料になる可能性も残るが、少なくとも当面は、アルミ原料から地金、二次合金、スクラップまでを巻き込んだ高値連鎖が続く公算が大きそうだ。 


(IRUNIVERSE S. Aoyama)
本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意図したものではありません。

 

青山 雫

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