リサイクルが困難な古紙と廃プラスチックを主原料とした、産業用固形燃料であるRPF。石炭と比べCO2排出量を約3割削減できることもあり、需要が高まっている。長期化が懸念されるホルムズショックの影響を受け、価格や荷動きに良い影響を与えていると思いきや、あるRPFの業界関係者は「(ホルムズショックは)そこまでプラス要因になっていない」と話す。
ホルムズショックの影響で全く影響がないということではなく、本来であれば、ホルムズショックによるRPFの価値が見直され、市況、商況がもっと賑わってもおかしくないが、国内市場がまだ発展途上であることから影響は限定的とのことだ。ただ、ホルムズショックとは関係なく、RPFの需要は、「確実に増えている」とのことで今後の盛り上がりが期待される。
RPF(Aグレード)の相場は、22~25円/kgで推移している模様。関係者曰く、取扱量によって大きく価格差が生じており、相場よりも低い価格で取引されるケースもあるが、強含みの状態であることは間違いなさそうだ。いずれにしても二束三文で取引されていた頃から見れば市場はかなり盛り上がってきているといえる。

日本RPF工業会の調査によれば2024年度の生産実績は155万7000トン。同関係者によれば2025年度から足元も「感覚的に製造量は増えている」状態だ。
国内の業界構造では、日本ウエストと関商店のツートップを含めた4~5社が業界をけん引している状態だが、製造プロセスの難易度から考えると参入のハードルはそこまで高いものではなく、RPFの受け入れ先も増えており、新規の製造事業者も少しずつ増えているようだ。
RPFの供給量は2017年末の中国のナショナルソード(廃棄物輸入禁止措置)を契機に急増。行き場を失った廃プラの相当数がRPF原料として出回ったという。その騒動が落ち着いてからもしばらくは一定程度の供給があったが2020年1月からのコロナ禍により需要と供給が停滞気味となった。
需要と相場が再びプラス転換したきっかけが、22年2月のロシアによるウクライナ侵攻だ。世界の石油・石炭の供給体制と価格を激変させたこの出来事により、RPFの引き合いと相場はともに急上昇したという。その後もトランプショックによる影響にしても、現状、RPFは外圧による影響を受けやすいアイテムともいえる。
今後、国内市場がさらに成熟していくため、「Aグレードではなく、塩素濃度の高いBやCグレードの製造量や受け入れ先を増やしていくことが必要」だと前述の関係者は主張する。
Aグレードの製造に使用される比較的質の高いプラスチックは他のリサイクルルートでも利用が可能で、将来的には取り合いになることが想定されるため、質の低いBやCグレードの需要と受け入れ先をバランスよく増やしていくことが求められるという。外圧に影響されない市場基盤が構築されることを期待したい。
【参考記事】
RPFの父 関商店 二代目社長に聞く、昨今のRPF界隈(後)
RPFの父 関商店 二代目社長に聞く、昨今のRPF界隈(前)
(IRuniverse K.Kuribara)