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2026年4月アルミ再生塊輸入統計分析 UAE急減で供給構造変化、中国材急増も価格は最高値圏

2026/06/11 05:02
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2026年4月アルミ再生塊輸入統計分析 UAE急減で供給構造変化、中国材急増も価格は最高値圏

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為替相場推移 TTS 3か月

 

(概況)
4月は数量が7万1,225トンと前年同月比76%に減少し、中東情勢の影響が統計面にも表れ始めた。UAEからの輸入が前年同月比22%まで急減する一方、中国やインド、ナイジェリアからの調達が増加し、供給先の分散が進行している。
価格面では、LMEアルミ相場の上昇と円安進行を背景にCIF価格が一段高となり、全体平均は477円/kgと過去最高水準を更新した。中東リスクや対日プレミアム高騰が輸入コストを押し上げている。
一方で、国内では国産ADCやスクラップ相場の上昇が一服し、自動車業界の生産動向を見極める慎重姿勢も強まっている。供給不安は続くものの、市場の関心は「原料不足」から「高価格下での実需の持続性」へ移りつつある。

(詳細分析)
(アルミ再生塊輸入分析・2026年4月アップデート)
■数量面では、2026年4月単月は7万1,225トンと、前月比90%、前年同月比76%となり、3カ月ぶりに前年水準を大きく下回った。最大供給国だったUAEは5,314トン(前月比29%、前年同月比22%)まで急減し、中東紛争やホルムズ海峡リスクの影響が統計上も鮮明になった。一方、中国は1万5,520トン(前月比143%)と急増し単月ベースで最大供給国に浮上。ナイジェリアも6,109トン(217%)と大幅増となり、中東材減少を補完する動きが加速している。
■1-4月累計は32万1,075トンで前年同期比87%。UAEは6万3,675トン(前年比64%)と大幅減が続く一方、中国は4万6,621トン(126%)、インドは2万83トン(111%)と増加しており、調達構造の変化が一段と鮮明になっている。
■総括
4月統計では、中東材の急減が数量面にも明確に表れ始めた。実際の市場では国産ADC12が560~580円、UBCやアルミスクラップも歴史的高値圏にあり、供給不安を背景とした「戦争プレミアム」が続いている。一方で、中国材やマレーシア材など代替ソースへのシフトが進み、輸入総量の急減は回避されている。ただ、市場では自動車業界の減産懸念や中東情勢の行方を見極める空気も広がっており、供給不安と需要減速懸念が交錯する局面に入りつつある。今後の焦点は、UAE材の回復可否と、中国・東南アジア勢がどこまで代替供給を担えるかに移っている。

(表―1、グラフ―1、2)。


■数量構成比では、2026年3月→4月で大きな変化がみられた。最大の特徴はUAEが23%→7%へ急低下したことで、中東材の存在感が急速に後退した点である。
一方、中国は14%→22%へ大幅上昇し、単月ベースでは最大供給国に浮上。ナイジェリアも4%→9%へ拡大した。ロシアは5%→4%、マレーシアは11%→10%と小幅低下したものの、引き続き一定のシェアを維持している。インドは6%→7%へ上昇し、代替調達先としての重要性が高まった。
総じて、4月は中東紛争やホルムズ海峡リスクの影響を背景に、従来最大の供給源だったUAEの比率が急低下し、中国・ナイジェリア・インドなどへのシフトが鮮明となった。供給構造は従来の中東中心型から、多極分散型への転換が一段と進んだ月として位置付けられる。

(グラフ―3)。


 

■金額面では、2026年4月単月は339億83百万円と、前月(367億94百万円)比92%、前年同月比92%となった。数量減少の影響を受けて総額はやや縮小したものの、市況高騰を背景に依然として高水準を維持している。
主要仕入先では、中国が74億89百万円(前月比155%、前年同月比207%)と急増し最大調達先に浮上。一方、UAEは27億70百万円(前月比30%、前年同月比27%)まで急減し、中東材の存在感は大きく低下した。ナイジェリア(24億31百万円、241%)、インド(23億01百万円、116%)も増加し、代替ソースとしての役割を強めている。
1-4月累計は1,444億61百万円で前年同期比98%とほぼ前年並み。中国(147%)、インド(127%)、ロシア(118%)が増加する一方、UAE(71%)の減少が全体を押し下げている。
■総括
4月は中東紛争やホルムズ海峡リスクの影響が金額統計にも鮮明に表れた月となった。従来最大だったUAEの調達額が急減する一方、中国が最大供給国へ浮上し、インドやナイジェリアも存在感を高めている。市場では国産ADCやアルミスクラップが歴史的高値圏で推移しており、調達構造の多極化と「戦争プレミアム」の共存が一段と鮮明になっている。
(表―2、グラフ―4)。

■CIF動向は、2026年3月→4月で全体平均が465円/kg→477円/kgへ上昇し、10カ月連続の続伸となった。4月は為替が1ドル160円近辺まで円安が進行したことに加え、LMEアルミ地金が3,370ドル→3,601ドル、アルミ合金も2,724ドル→3,075ドルへ急騰しており、輸入コストを大きく押し上げた。
主要ソースでは、中国塊が445円→483円、UAE塊が506円→521円、ロシア塊が432円→461円へ上昇。マレーシアも433円→459円、インドは432円→462円となった。オーストラリア(555円→576円)、ニュージーランド(563円→606円)はさらに高値を更新し、依然として最も高い価格帯を形成している。
総じて、4月は中東紛争による供給不安、LME相場急騰、対日プレミアム上昇に加え、円安進行が重なりCIF価格は全面高となった。UAE材の数量は急減したものの価格は高止まりしており、市場は完全に「戦争プレミアム」を織り込む局面へ移行している。5月もLME地金が3,670ドル台、アルミ合金が3,230ドル台まで上昇していることから、為替動向次第では輸入コストの一段高が続く可能性が高い。

(グラフ―5、6、7)。






主要税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 (  )内は前月実績

主要国別税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 (  )内は前月実績

■今後の展望(アルミスクラップ・二次合金原料)
今後数カ月の市場は、単純な上昇相場から「供給不安」と「需要減速懸念」がせめぎ合う局面へ移行しつつある。中東紛争の長期化を背景に、LMEアルミは3,700ドル台まで上昇し、7‐9月対日プレミアムも460~480ドルと過去最高水準でスタートしている。UAE材の輸入急減や低水準の世界在庫を踏まえれば、CIF価格や国内スクラップ価格は引き続き高値圏で推移する公算が大きい。
一方、市場の景色は4月までとは変化している。国産ADC12は560~580円で高止まりしているものの、5月以降は上げ一服の色彩が強まり、大手合金メーカーの原料買値も据え置きが続いている。スクラップ相場もUBCを除けば上昇テンポが鈍化しており、問屋・メーカーとも積極的な在庫積み増しには慎重な姿勢を見せている。
背景には、自動車業界の生産動向に対する警戒感がある。ホルムズ海峡リスクによるナフサや化学原料の供給不安が現実化した場合、自動車メーカーが減産を余儀なくされる可能性が意識されており、ダイカストメーカーや合金メーカーは成り行き買いに徹している。中国国内需要の低迷を背景に、中国産ADCやゾルバ価格が軟化していることも、上値追いを難しくしている要因だ。
総じて当面のシナリオは、「供給面は強気、需要面は弱気」という綱引きである。中東情勢の悪化や低在庫を背景に価格は高値維持が基本線だが、市場の関心は既に「供給不安そのもの」から「高値に実需がどこまで耐えられるか」へ移り始めている。7月以降の自動車生産計画と対日プレミアム交渉の行方が、アルミスクラップ・二次合金原料市場の次の方向性を決定づける最大の焦点となりそうだ。


(IRUNIVERSE S. Aoyama)

 

青山 雫

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