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MIRU独占取材! ルノーグループが展開する循環経済に特化した施設「Refactory de Flins」訪問ルポ④The Originals Renault – La Collection

2026/06/15 11:00
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MIRU独占取材!  ルノーグループが展開する循環経済に特化した施設「Refactory de Flins」訪問ルポ④The Originals Renault – La Collection

 

MIRUでは4月30日に、仏自動車大手ルノーグループが運営する循環経済に特化した施設「Refactory de Flins」を訪問取材した。同施設の落成式以降、運営が開始されて以来、日本メディアが施設内に入るのは初である。訪問ルポ最終回(第4回)では、これまでのルノーの歴史を垣間見ることができる自動車展示スペースを紹介する。案内してくれたのは、The Originals Renault – La Collectionの マーケティング・イベント担当責任者Dominique-William JACSON氏で、ここでは博物館のキュレーターのような存在だ。この場所は一般には公開されておらず、今回の見学コースに含まれていたことは幸運だったようだ。

建物は古いビルだが、中に入ると美しいクラシックカーの数々が目に飛び込んできた。1898年から現代モデルに至るルノーの歴史をたどる時間旅行が始まった。

The Originals Renault – La Collectionに置かれた自動車コレクションは750台、1898年から現在に至るまでの期間を網羅している。コレクションを管理する専任チームは10名で構成されており、展示スペースのほかに、車両の整備・修復を行う「修復工房」が併設されている。

最初に説明をうけた車は「Type A」で、これは21歳のルイ・ルノーによって設計された最初のルノー車である。ルイ・ルノーは「prise directe(直接駆動)」の特許を出願しており、これは後のギアボックスの祖先とされた。当時すでに比較的急な坂を登ることができる構造を備えていた。1898年のクリスマス、ルイ・ルノーは報道関係者を集め、パリのモンマルトルにある最も急勾配で知られるルピック通りの登坂に成功。頂上で最初の12台分の注文書に署名したと伝えられており、これがルノー社の出発点となったとされている。

「RS01」は、ルノーグループが公式に参戦させた最初のフォーミュラ1マシンで、ターボ技術を搭載した史上初のF1マシンでもある。参戦初年度は成功とは言えなかったが、翌年フランスにおいて同社初のF1グランプリ勝利を挙げた。コレクションに収められた歴史的F1マシンの一部は現在も走行可能で、今後フランスでこれらのモデルを走らせるイベントが予定されている。

ターボの適用

ルノーはターボ技術のパイオニアであり、F1、耐久レース、ラリーにおいてターボを導入した。スペース上の制約から、一部のラリーモデルではエンジンをミッドシップ(後部中央)に搭載し、車体をワイド化している。展示されているラリーカーは、1981年のモンテカルロ・ラリーで優勝した車両で、多くのタイトルを持つ名だたる選手Jean RAGNOTTIが運転したものだ。

1930年代にみる美しいデザイン

いわゆるクラシックカーコレクションのなかでもその美しさで目を引くのは、1930年代のボディデザインだ。この時期のデザインは航空機や空力学から着想を得ており、ボディラインは非常に流麗かつエレガントである。第二次世界大戦前、ルノーグループは高級車メーカーとして知られており、ここで見られる展示車両はいずれも格式高いモデルであった。そもそも戦前に自動車を所有すること自体が富の象徴であり、小型車であっても一定の財力を要した。ルノー車は特に「ハイエンド」に位置づけられており、富裕層の顧客を惹きつけた。そのなかでもVivastella、Nervastella、Suprastellaモデルはグループ内のプレミアムブランド「Stella」として君臨したという。

生産の歴史と象徴的モデル

Flins工場は1952年に稼働を始め、最初に生産された車はJuva 4だ。その後すぐにルノー4CV(4馬力)が続いた。4CVは日本において日野自動車によりライセンス生産されており、The Originals Renault – La Collectionには右ハンドル仕様の日野4CVが収蔵されている。その後、ルノー DauphineがFlinsで生産され、総生産台数は200万台を超えた。

著名人の訪問とプレステージモデル

Flins工場は、開設当時は最新鋭の工場であったことから、1957年に英国・エリザベス女王の訪問を受けた。女王は、生産ラインを含む工場内部での移動にはフレガットのカブリオレ(オープンカー)を使用しており、同モデルの車両がコレクションの中に展示されている。白い流線型のデザイン、大きめで細いハンドルは白いレザー、シートは赤いレザー仕様と、非常に優雅で美しく、まさに芸術品である。フレガートのリムジン仕様は、アイゼンハワーやフルシチョフといった要人の移動にも使用された。

ルノー黄金期

欧州ではおそらく最も知られるルノーモデルの一つ「ルノー5」は1972年に登場し、総生産台数は550万台に達した。同モデルは、前後バンパーにプラスチックを採用した最初の車として位置づけられている。1972年当時、ここFlins工場では従業員2万1,000人を抱えており、1976年には年間42万1,000台の生産を記録した。これがFlins工場の黄金期とされている。

Clio(クリオ)とZOE(ゾエ)

クリオの最初の4世代はすべてFlins工場で生産されており、ここには展示車としてクリオ2が置かれている。ルノーの新事業戦略により、このFlins工場での新車生産が打ち切られることになったが、最後に生産ラインから出てきたモデル(2024年3月)は100%EVのゾエである。まさにその最後の一台がここに展示されている。

 

そして最後の車両を受け取りに行ったのはJACSON氏自身で、後続の車が一台もいない生産ライン終了の光景は非常に感慨深いものがあったと言う。「販売される予定はなかったのか」との問いに対し、「皆の思いが詰まった一台、絶対に売ることはありません」との答えが返ってきた。このモデルがコレクションの中で象徴的な位置を占めることが感じられる一幕だった。

JACSON氏とFlinsで生産された最後のゾエ

ルノー4(R4)

ルノー4(R4)は、日本で非常に人気が高く、多くの愛好家がR4を輸入しているという。同モデルはルノー車の中で世界最多生産モデルであり、総生産台数は800万台を超えている。生産期間は1961年から1992年までの30年以上にわたり、その間の仕様変更はごくわずかだったという。ちなみに、単一モデルとしての世界販売台数ランキングでは、1位はフォルクスワーゲン・ビートル、2位はフォード・T型、3位はプジョー206、そして4位がルノー4となっている。ただし、「複数世代をまとめたモデル(シリーズ)として数える場合には、トヨタ・カローラが第1位になります」と、JACSON氏さんは日本への配慮も忘れない。

Twingo(1993年以降)

Twingoは1990年代の小型車セグメントにおいて革命的なモデルと位置づけられており、当初は4色展開で発表された。外観は非常にコンパクトである一方、室内は広々としている。左ハンドル仕様のみで、日本やイギリスでは右ハンドル車として市販されることはなかった。発売当初の成功が非常に大きかったことから、現在ルノーグループは初代モデルにインスパイアされた新型Twingo E-Tech 100% éléctrique(EV)を発売している。なお、初代Twingoは今日の若者の間で人気が高く、手ごろな価格とデザイン・カラーリングが好まれている。価格も上昇傾向にあり、すでに将来のコレクションカーと見なされつつあるとのことだ。

 

クラシックカーに現代の快適さを加えるレトロフィット

訪問ツアーの最後に、JACSON氏へルノーグループが対応していると聞いていたレトロフィットについて質問してみた。ルノーは過去3年間、「レトロフィット」と呼ばれる旧来の車両(特にルノー4およびルノー5)の内燃エンジンを電動モーターに置き換える改造を実施してきた。しかし、残念ながらこのプログラムはコストが高く十分な成功を収めなかったため、現在は中止されているとの答えが返ってきた。一方で希望すれば、ルノーがパートナーシップを結んでいる専門事業者を通じ、オーダーメイドでレトロフィットを行うことは可能だという。レトロフィット車を公道走行可能にするには、フランスの型式認証および各種規制への適合が求められるため、改造作業が適切に行われたかどうかの厳しい検証が必要となるそうだ。

The Originals Renault – La Collectionの訪問が終了した後、JACSON氏からMIRUチームへ今回の訪問の記念として、写真と文章でルノーの歴史を辿ることができる美しい本を頂戴した。午前8時から始まった今回のRefactory de Flins訪問は、4時間以上という長時間にも関わらず、あっという間に終了した印象である。Refactory de Flinsを実際に訪問して感じたのは、自動車の循環経済を事業戦略としたパイオニアの発想の柔軟さと先見の明、そして実践力だ。ルノーが循環経済事業においてすでに新車販売を上回る成果を達成しているのは、早い時期からフロントランナーとして、そのバリューチェーンの基礎固めを行ってきたからではないか。

頂いたお土産を手にチームはThe Originals Renault – La Collection を後にし、安全装備を返却した後には、スタッフの方々とL’ARGR*が経営するレストランへ。ここでは、新鮮で厳選された素材を使ったフランス料理のコースランチを堪能した(やはり美食の国フランスである)。ランチのテーブルではThe Future is NEUTRAL・事業開発部長Catherine LELEU氏とのディスカッションの時間も設けていただくなど、ルノーおよびThe Future is NEUTRALの方々の温かい歓迎と細やかな配慮が隅々まで感じられる訪問であった。今回の訪問でご対応いただいた皆様にこの場を借りて改めてお礼を申し上げたい。

自動車メーカーであるルノーグループの現役社員と退職者を束ねる非営利団体(協会)ネットワーク

お世話になったルノー・The Future is NEUTRALチームの方々

取材協力:Renault Group, The Future is Neutral, Refactory de Flins of Flins, Aubergenville–Elisabethville, France

https://www.iru-miru.com/article/83532

 

Yukari SCHANZ

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