ブルームバーグ報道によると、アルミ価格は15日、米国とイランがホルムズ海峡の再開に向けた暫定合意に達したことを受けて急落した。LMEアルミ3カ月物は前日比4.4%安の1トン3,379.50ドルで取引を終え、3月下旬以来の安値となった。また現先バックワーデーションも3カ月ぶりに20ドルのコンタンゴに転じた。
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中東紛争では製錬所への攻撃やホルムズ海峡封鎖によって原料や製品の物流が混乱し、アルミ市場は深刻な供給不足に陥っていた。しかし、海峡再開の可能性が高まったことで、市場では供給正常化への期待が広がった。
米銀バンク・オブ・アメリカは「供給リスクの後退と需要懸念の継続により、短期的にアルミ価格は下押し圧力を受けやすい」と指摘。海峡再開によって中東地域の在庫放出やインドネシアからの増産が進む可能性もあるとしている。
一方で、市場関係者の間では慎重な見方も残る。世界最大の生産国である中国は輸出を拡大しているものの、生産能力には政府規制による上限がある。JPモルガンは、目先は価格が反射的に下落する可能性を認めながらも、「市場は依然として大きな供給不足に直面している」と分析。中東からの供給が完全に回復するまでには時間を要し、在庫減少圧力も続くとの見方を示した。
今回の下落は、中東紛争によって織り込まれていた“戦争プレミアム”の一部が剥落したことを意味する。ただし、世界のアルミ供給の約1割を占める中東地域の生産は4月に前年同月比35%減少しており、供給不安が完全に解消されたわけではない。今後の焦点は、ホルムズ海峡の実際の再開時期と、中東製錬所の生産回復ペースに移りつつある。
(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)