中国国家統計局が6月16日にまでに発表した同国の2026年5月の経済指標では、低迷が投資から消費に拡大していることが鮮明化した。小売売上高が3年5か月ぶりにマイナスに転じた。固定資産投資や不動産開発投資の減少率拡大にも歯止めがかからず、不調の波が国民生活に及び始めている。
2026年の中国の主な経済指標

注)単位は新規融資以外は前年同期比増減で%、新規融資は元。GDPは四半期。不動産開発投資と固定資産投資は年初からの累計。―はマイナス。
(中国国家統計局、中国海関、中国汽車工業協会、中国人民銀行などの発表をもとにIR Universeが作成)
小売売上高が前回、前年割れとなったのは2022年12月の新型コロナウイルス禍の時だった。今回は特段の悪化材料がない中でのマイナスとあり、投資の不調がボディブローのように消費に効いてきている可能性が高い。
投資は回復の兆しが見られない。不動産開発投資は16.2%、都市部固定資産投資は4.1%まで減少率が広がった。新車販売も振るわず、融資はプラスに転じたものの多いとは言えない。景況感指数は製造業・サービス業ともに好不況の境目となる50ギリギリだ。
一方、貿易は好調だった。輸出入ともに2ケタの増加で、特に対米貿易の回復が明るい材料となった。
内需の拡大が期待しにくい中、米中関係の改善や中東紛争の一段落など海外環境の改善が光明と言える。貿易の好調を内需の回復に結び付けられるかが引き続き課題と言えそうだ。