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Fe scrap watch2026#10 国内相場は調整局面、ベトナムは下落傾向も折り合い付かず

2026/06/23 21:54
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東京製鐵は23日、鉄スクラップ価格を改定した。九州工場(海上・陸上)の全品種を500円下げとし、他の拠点は据え置きとした。全体的に見ると横ばい基調が続いており、H2(東鉄・田原陸上)では、5月12日にトン54000にあがってからは1カ月以上動きが無い状態だ。

東京製鐵の関係者によると、九州工場の500円下げについては持ち込まれるスクラップ量がやや多めの水準であることに加え、同拠点が7月27~8月7日に夏季定修を実施するため、それまでに在庫を消化したい狙いがある。

国内拠点ごとの在庫調整が価格に反映される一方で、海外市場の動向も無視できない局面を迎えている。特に日本の輸出先として大きな比重を占めるベトナム市場の軟調な推移は国内のサプライヤーの判断に大きな影響を与えている。

 

 

ベトナムの鉄スクラップ(HMS 1&2 (80:20) 、CFR)の輸入価格は5月中旬から下降傾向にあり、現在はトン395~400ドルで推移している。業界関係者によれば、「日本とベトナムのサプライヤーの間で価格の駆け引き」が行われている構図だという。東京製鐵をはじめとする電炉メーカーはエネルギーを含めた製造コストが上昇していることもあり、鉄スクラップ価格を上げたくても上げられない状況にあり、国内価格はしばらく弱含みでの横ばいが続く見込みだ。国内価格は調整局面に入ったといえる。実際に東京製鐵は製造コスト転嫁を理由に7月契約の鋼材販売価格を2000~3000円上げたばかりであり、鉄スクラップの購入価格を躊躇なく上げていける状況ではないとみられる。

製造コストの転嫁が喫緊の課題となる中、メーカー側は仕入れ価格の抑制に腐心しているが、実際の流通現場からはまた異なる声も上がっている。価格の弱含みとは裏腹に、スクラップの発生状況は芳しくなく、需給バランスは複雑化している。

ある流通筋によれば、「鉄スクラップの排出元である建築分野や工業分野の元気がない」とのことで地方によってはスクラップの数量が少なく卸売業者での取り合いが続いているという。また、前回の本連載で記載した通り、ベトナム市場も限界を迎えており、日本のオファー価格と折り合いがついていない状況は変わらないようだ。今後の相場の動きに注視していきたい。

 

 

なお日本鉄源協会によれば、2026年4月の鉄スクラップ輸出は、5ヵ月連続の前年減となる前年同月比10.1%減の66.8万トン。向け先別にみると、ベトナム向けは3ヵ月連続の前年減となる13.5%減の25.5万トン、バングラデシュ向けは3ヵ月連続の前年増となる同38.5%増の20.5万トン、韓国向けは5ヵ月連続の前年減となる15.7%減の6.2万トン、中国向けは28.9%減の1.4万トン、タイ向けは166.4%増の6.3万トン、フィリピン向けは71.8%増の2.4万トンとなった。

老廃屑に該当する「その他屑」は4.8%減55.0万トン。輸出単価は5万4726円となり前月から1991円上昇した。一方、鉄スクラップ輸入は3ヵ月ぶりの前年増となる5.12%増の6万1000トンとなった。

Kota Kuribara

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