インドネシアのエネルギー鉱物資源省(ESDM)は6月25日、ホームページ上で、「2026年のニッケル採掘割当枠(RKAB)はまだ確定していない」と表明した。鉱石不足が深刻化する中でRKABの拡大期待が浮上していたが、否定した形だ。
■7月に見直しを予定
発表によると、トリ・ウィナルノ鉱物・石炭局長は6月25日、「RKABは採掘側の事情だけでなく下流の製品ニーズも見極めたうえで決定するもので、政府としては現時点では具体的な数量を決定していない」と話した。
ESDMは7月にRKABの見直しを予定する。2026年のRKABは現時点では2億6000万~2億7000万トン。米ブルームバーグ通信は6月24日、「インドネシア政府は一部の採掘業者に、RKABが3億6000万トンに引き上げられると伝えた」との消息筋の話を伝えていた。今回の政府表明は報道を否定したことになる。
インドネシアは単純な資源生産国から製造立国への転換を目指し、ニッケルでは価格下支え目的での採掘抑制と加工業に注力する。2026年のRKAB2億6000万~2億7000万トンは業界団体が試算する2026年需要の3億4000万~3億5000万トンを賄えない。
このため、加工業は拡大したものの原料調達に困り、フィリピンからのニッケル鉱石輸入に頼る。一部の精錬所では減産も始まっているという。
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■中国は統制なら「投資引き上げる」と示唆か
インドネシアは世界最大のニッケル生産国であり、生産動向は世界のニッケル供給量に直結する。中でもニッケル消費の多い中国はインドネシアの政策に強く反発している。英経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の6月15日報道によると、中国は4月、インドネシア政府に対し、「ニッケル産業への規制を強化すれば、最大500億ドル(約8兆円)規模の投資と40万人分の雇用が脅かされる可能性がある」と警告した。
ロンドン金属取引所(LME)のニッケル価格は6月24日に現物$1万6610/tonを付けた。2025年にはステンレス向け需要の弱さから供給過剰感があり価格が低迷したが、2026年に入ってからは持ち直している。ただ、インドネシアの政策が供給動向の要になるとあり、7月の見直しが注目されている。
過去1年間のLMEニッケル価格の推移($/ton)

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