7月の世界経済は停滞しそうだ。米国とイランの終戦協議が膠着し、先行きの見通しが付けづらい状況が続く。野村証券金融経済研究所経済調査部コモディティ調査の高島雄貴エコノミストは「2月に米イスラエルの攻撃で殺害された前最高指導者アリ・ハメネイ師の国葬が済むまでは両陣営はともに動けず、その後もちょっとわからない」と話す。
■イラン、今週中は動かず
イランでは7月4日から9日までハメネイ師の国葬が行われる。高島氏は「少なくともこの間は交渉ができないので、今週中は動きがないことになる」と指摘。米イスラエルとイランは交渉成立と言いながらも攻撃しあうなど動きが流動的で、ホルムズ海峡が紛争以前の状態に戻る可能性も望み薄だ。高島氏は「ホルムズの通過許可も遅れており、先行きの不透明感が強い」と話した。

■金や銅は米ドル高が重荷に
イラン紛争の決着がつかない中、商品相場への打撃も長引く。最も打撃が大きなアルミはカタールやバーレーンの精錬所閉鎖などもあり、「中東産の回復は遠い」(高島氏)。ロンドン金属取引所(LME)のアルミ価格は紛争前水準には戻ったものの、供給縮小懸念はくすぶる。
過去6か月間のLMEアルミ価格の推移($/ton)

米ドル高も商品相場に影響する。米ドル建て決済であるため米ドルと逆相関になりやすい金相場はドルの独歩高が続く中で軟調で、ニューヨーク商品取引所(COMEX)では、1月の$5000/toz超えから6月末には$4000ちょうど近辺まで下落した。しかし、高島氏は「中央銀行が金保有を増やす動きは変わらない」として、中長期の堅調を見込む。
一方の銅相場はやはり米ドル高が重荷になるものの、こちらはAIデータセンター向けなどの需要期待が強く、「前回上昇時の利益確定売りを消化して」(高島氏)比較的堅調だ。5月中旬からの世界的なインフレの流れも追い風となり、COMEXの銅価格は$6/lb台を維持している。
過去6か月間のNY金と銅価格の推移($/toz)($/lb)

■円相場は夏場にかけピークか
円相場はなかなか反転の兆しが見えない。1ドル=162円台と約40年ぶりの円安となり、誰もがやきもきしている中、野村證券は7月7日付の週刊レポートで、足元1ドル=158円~163円程度との予測を出した。日本は現政権の積極財政方針が海外勢による財政不安を誘い、円売りを誘いやすい。一方、日銀の為替介入への警戒が円安進行の歯止めとなる。野村證券は「ドル円相場は夏場にかけてピークを付ける」とも予想していた。
過去3か月間のドル円相場の推移($/JPY)
