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2026年5月 SUSスクラップ輸出入統計分析 輸出は調整局面、輸入は高水準維持

2026/07/15 13:16
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2026年5月 SUSスクラップ輸出入統計分析 輸出は調整局面、輸入は高水準維持

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為替相場推移 TTS 3か月

 

(輸出分析・5月更新)
■数量面
5月単月の輸出数量は1万8,247トンと、4月(2万1,826トン)から減少し前月比84%となった。一方、前年同月比では117%と前年を上回り、引き続き高水準を維持した。
国別では、中国向けが6,148トン(前月比118%)へ増加し最大仕向け地となったほか、インド向けも2,989トン(同104%)と底堅く推移した。台湾向けは2,427トン(同142%)へ回復した一方、韓国向けは4,068トン(同52%)と大幅減少。タイ向けも1,737トン(同81%)へ減少し、「その他」も878トン(同41%)と縮小した。
■1-5月累計
累計数量は9万4,365トンとなり、前年同期比107%と前年を上回った。中国(前年比151%)、インド(同149%)が引き続き全体を牽引する一方、韓国(同91%)、台湾(同81%)、タイ(同72%)は前年水準を下回った。
■総括
5月は韓国向けの反落で全体数量は前月から減少したものの、中国向けが再び最大仕向け地となり、インド向けも底堅く推移した。累計では中国・インド向けの増勢が続いており、日本のステンレススクラップ輸出は中国・インドを軸としたアジア向け需要の強さを背景に、高水準を維持する構図が続いている。(表―1、グラフ―1)。


■数量構成(4月→5月)
5月は中国が24%→34%へ上昇し、再び最大の仕向け地となった。一方、韓国は36%→22%へ大きく低下し、4月の回復分をほぼ失った。台湾は13%へ上昇、インドは16%とほぼ横ばい、タイは10%で安定推移した。
総じて5月は、韓国主導から中国主導へ再び重心が移る一方、インド・台湾も一定の比率を維持しており、アジア向けを中心とした分散型の輸出構造が続いている。(グラフ―2)。


 

■金額面(5月)
5月の輸出金額は30億68百万円と、4月(40億40百万円)から前月比76%へ減少したものの、前年同月比では124%と前年を上回った。中国向けは9億44百万円で最大市場となり、台湾向けは4億55百万円、インド向けは4億円へ増加した。一方、韓国向けは8億57百万円と前月から大きく減少した。
1~5月累計は160億12百万円で前年同期比121%。中国(前年比171%)、インド(同148%)が伸びを牽引した。
■総括
5月は韓国向けの反落で輸出金額は減少したものの、中国・インド向けの堅調な需要が下支えした。累計では前年を上回る水準を維持しており、中国を中心にアジア向けへ分散した輸出構造が続いている。(表―2、グラフ―3)。




 

■FOB単価推移(4月→5月)
5月の平均FOB単価は185円/kgから168円/kgへ低下した。為替は160円台から159円台へやや円高に振れた一方、LMEニッケルは4月の18,006ドルから5月は18,805ドルへ上昇し、国際市況は引き続き強含みで推移した。ただ、韓国向け高単価材の減少など仕向け地ミックスの変化が影響し、円建てFOB単価は調整した。LME高値を背景に価格水準自体はなお高く、5月は市況高と輸出構成の変化が併存した月と整理できる。(グラフー4)


 

■今後の展望
ステンレススクラップ市場は、LMEニッケルが6月に17,663.86ドルまで反落したにもかかわらず、国内外とも需給要因が価格を下支えする構図が鮮明になっている。韓国ではPOSCOがLME下落に反して7月積み購入価格を引き上げ、国内ではスクラップ発生不足や円安を背景にメーカー買値は高水準を維持しており、国際指標と実需価格のデカップリング(乖離)が拡大している。
一方、日本鉄鋼連盟の統計では粗鋼・ステンレス需要の本格回復にはなお時間を要するとみられ、需要面が急拡大する環境にはない。このため、今後も価格を左右するのは生産量より原料確保競争や市中発生量、メーカー在庫水準となる可能性が高い。
輸出では、中国・インド向けが引き続き主要な受け皿となる一方、韓国向けはPOSCOの買値引き上げにもかかわらず、日本国内価格の上昇で輸出採算はなお限定的である。当面は「LME軟調でもスクラップ価格は底堅い」という構図が続き、為替動向と国内外の発生・在庫状況が相場形成の主役となる公算が大きい。

主要税関数量・FOB(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績

主要国別税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績

 


(輸入分析)
■数量面では、2026年5月の輸入数量は3,973トンと、4月(4,807トン)から前月比83%へ減少したものの、前年同月比では111%と前年を上回った。1~5月累計は2万2,065トンで前年同期比116%と、回復基調を維持している。
主要輸入先では、韓国が2,227トン(前月比66%)と減少したものの引き続き最大の供給源となった。台湾は743トン(同160%)へ大きく増加し、米国も368トン(同128%)と回復した。一方、「その他」は635トン(同93%)とやや減少したが、引き続き一定の規模を維持している。
総じて5月は、韓国からの輸入減少により全体数量は調整したものの、台湾・米国向けの増加が下支えした。累計では韓国依存が続く一方、米国やその他地域からの調達も前年を上回っており、輸入構造の分散化基調に大きな変化はみられない。
5月の「その他」635トンの内訳は、香港180トン、タイ160トン、シンガポール114トン、インドネシア60トン、ベトナム47トン、ドイツ24トン、ヨルダン18トン、ハンガリー15トン、バングラデシュ9トン、インド6トン、フランス2トンなどで構成された。4月に比べるとシンガポール経由は縮小した一方、香港・タイなど東アジア・東南アジア向けの比重が高まり、多元的な調達構造が維持されている。(表―3 グラフ―6)。



 

■数量構成では、4月→5月で、
•    韓国が70%→56%へ低下 
•    台湾が10%→19%へ上昇 
•    米国が6%→9%へ上昇 
•    「その他」が14%→16%へ上昇 
となった。
■整理
5月は韓国向けの比率が7割から6割弱へ低下する一方、台湾や米国、「その他」地域の比率が上昇し、供給構造は再び分散化が進んだ。韓国は引き続き最大の供給源であるものの、4月に強まった韓国集中型から、台湾・米国を含む複数ソースで補完する調達構造へとやや回帰した月と整理できる。(グラフ―7)。



■金額面では、
2026年5月の輸入金額は11億94百万円と、4月(15億37百万円)から前月比78%へ減少したものの、前年同月比では117%と前年を上回った。韓国向けは6億67百万円(前月比60%)へ減少した一方、台湾は2億35百万円(同152%)、米国も1億10百万円(同121%)へ増加し、韓国の減少を一部補った。「その他」は1億81百万円と前月並みを維持した。
1~5月累計では65億46百万円となり、前年同期比112%と増加基調を維持。韓国が41億94百万円(前年比116%)で最大の供給元を維持する一方、米国(同115%)やその他地域(同109%)も前年を上回った。
総じて5月は、韓国向けの減少で輸入金額は調整したものの、台湾・米国向けの回復により輸入先の分散が進み、累計では引き続き堅調な輸入水準を維持した。(表―4、グラフ―8)。



■CIF価格の推移を見ると、全体平均は4月の320円/kgから5月は301円/kgへ低下した。5月は為替が160.33円から159.38円へ円高に転じたものの、LMEニッケル平均価格は18,006ドルから18,805ドルへ上昇しており、本来は輸入価格の押し上げ要因となった。しかし、韓国品が329円/kgから300円/kgへ低下したことに加え、輸入構成の変化が影響し、全体平均は反落した。
国別では、台湾品が333円/kgから317円/kg、米国品も316円/kgから300円/kgへ低下した一方、韓国品は300円/kgと主要調達先がそろって軟化した。国内310系スクラップ価格は420円/kgで高止まりを続けており、国内需給は引き続き堅調だったものの、その強さは輸入価格へ十分には波及しなかった。
総じて5月は、LMEニッケルの上昇を円高進行と調達先ミックスの変化が相殺し、CIF価格は4月の上昇局面から一服した。もっとも、その後6月のLMEニッケルは17,663.86ドルへ反落した一方、国内310系スクラップ価格は427.5円/kgへ一段高となっており、国際指標と国内実需の乖離が一段と鮮明になっている。(グラフ―9)。


 


主要税関数量・CIF(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績

主要国別税関別数量・CI(JPY/Kg)F実績 ( )内は前月実績

 


(IRUNIVERSE S. Aoyama)
 

青山 雫

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