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【SUSscrap市況】親和スチール追加値下げに乗じて日鉄も?SUS鋼材値上げに逆行!とスクラップディーラー猛反発

2026/07/21 18:02
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【SUSscrap市況】親和スチール追加値下げに乗じて日鉄も?SUS鋼材値上げに逆行!とスクラップディーラー猛反発

 ステンレススクラップ(304系)市場で、メーカー・輸出シッパーによる買値引き下げの動きと、それに反発するサプライヤー(納入業者)との間のハレーションが激しさを増している。韓国向けの輸出不振を背景に輸出大手が追加の値下げに踏み切る一方、半導体製造装置関連向け需要が好調な特殊鋼メーカーは相対的に高値を維持しており、需要家間での価格差も顕著になっている。さらに、製品であるステンレス鋼材価格が値上げされる中で原料価格だけが引き下げられるという「市場のねじれ」に対し、サプライヤー陣からは納入停止を辞さない強硬な声も上がり始めた。

 親和スチールが追加5円下げ、ポスコ不振で買値210~215円へ

輸出最大手の親和スチールは、今月8日の5円引き下げに続き、22日からも304系スクラップの購入価格をさらにキロ当たり5円引き下げるとアナウンスした。

この連続値下げの背景にあるのは、同社の主力輸出先である韓国POSCO社の極めて鈍い購買意欲だ。POSCO社の輸入需要減退がそのまま輸出価格を消極的にさせる構造となっており、今回の追加値下げにより親和スチールの買値はキロ当たり210~215円に低下したとみられる。ただし、慢性的な集荷難が続く市中環境において、業界筋の一部からは「本当に建値通りに下げて買えているのか」と、表向きの値下げアナウンスと実勢価格の乖離(特別価格での買い付けの有無)を訝しむ声も漏れている。

中部地区は半導体関連向け好調で別格、特殊鋼メーカーは230円台を維持

輸出向けや汎用板メーカー向けの価格が下落基調にあるのに対し、全く異なる値動きを見せているのが中部地区の特殊鋼メーカーだ。

愛知製鋼や大同特殊鋼といったメーカーは、半導体関連向けのステンレス鋼需要が好調に推移しており、ステンレス板メーカーと比較して原料スクラップに対する購買意欲が旺盛だ。足元の相場環境を受けて若干の下げ調整は行ったものの、依然としてキロ当たり230円以上の単価を提示している模様で、輸出大手の215円前後とはキロ15円以上の顕著な価格差が生じている。

日鉄の追随姿勢にサプライヤー激怒、鋼材値上げとの矛盾を突く

親和スチールの追加値下げを受け、国内リーディングカンパニーである日鉄/JSPももう一段の買値引き下げを講じる構えを見せている。しかし、これに対してスクラップサプライヤー各社から猛反発が巻き起こっている。

サプライヤーの一社は「もし日鉄がここからさらに5円下げてくるなら、もう(スクラップを)入れない」と納入停止を突きつけるなど、鼻息が荒い。この強烈な反発の根底にあるのは、単なる利幅の縮小に対する不満だけでなく、現在の価格形成における「論理的な矛盾」に対する不信感だ。

「メーカー側は、ステンレス鋼材の販売価格を6月にキロ当たり25円も大幅値上げし、7月もその価格を据え置いている。製品価格を上げているにもかかわらず、原料のスクラップだけがどんどん値下げされるのでは筋が通らない。我々も発生元(ステンレス加工会社など)から買っている立場であり、『製品は上がっているのに、スクラップの買値はまた5円下げさせてください』とは到底言えず、発生元に対して申し訳が立たない」(前出のサプライヤー)

最近のLMEニッケル相場と為替円ドルTTS相場の推移 LMEニッケル相場はやや反発、為替は162~163円の相変わらずの円安水準
最近の国内304系スクラップ相場と国内304冷延薄板価格の推移 鋼材価格は値上げ基調変わらずだが・・・

市場の歪みがもたらす供給リスク

メーカー側はLMEニッケル相場の軟調や足元の需給バランスを理由に値下げを急ぐが、サプライヤー側は「製品値上げと原料値下げの矛盾」を盾に徹底抗戦の構えを見せている。加えて、中部地区のように高値を維持する実需も存在している。

もし大手メーカーが市場の理解を得られないまま強引な追加値下げに踏み切れば、サプライヤーの言葉通り「納入ストップ」による供給不安を引き起こすリスクがあり、また高値を提示する他方面への荷流れ(シフト)を加速させる可能性もある。ステンレススクラップ市場は現在、価格決定のロジックを巡るメーカーとサプライヤーの激しい心理戦の局面に突入している。
 

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