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中国の輸入回復と供給懸念で銅高継続 VAT摘発がスクラップ流通に影響

2026/07/27 17:29
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中国の輸入回復と供給懸念で銅高継続 VAT摘発がスクラップ流通に影響

7月の銅相場は、中国景況感の持ち直しに加え、中国国内で進められている増値税(VAT)不正取引の摘発に伴うスクラップ流通の停滞、さらにチリなど主要産銅国の供給不安を背景に高値圏で推移した。

LME銅3カ月物は7月中旬に13,800ドル台まで上昇した後も底堅く推移。COMEX銅も14,000ドル前後を維持し、COMEXとLMEの価格差(プレミアム)は500ドル近辺で推移した。

中国PMIは改善、ただし回復は緩やか

中国国家統計局による6月製造業PMIは50.3となり、前月の50.0から改善した。

生産指数、新規受注指数はいずれも50を上回り、製造業活動は拡大基調を維持している。一方、不動産開発投資は前年同期比18%減と依然低迷しており、中国経済全体が力強い回復局面に入ったとは言い難い。

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もっとも、

工業生産は前年比5.3%増
輸出は27%増
小売売上高も前年比1%増

となるなど、一部には持ち直しの動きも見られている。

VAT摘発でスクラップ流通が停滞

今回の相場で市場関係者が注目しているのが、中国政府によるVAT不正取引の取り締まり強化である。

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中国当局は銅スクラップを利用した架空取引や虚偽増値税還付の摘発を進めており、その影響でスクラップ流通量が減少した。

スクラップの供給が細った結果、製線メーカーや伸銅メーカーでは精製銅への代替需要が発生し、中国の精製銅輸入は9か月ぶりの高水準まで増加した。

これに伴い、洋山銅プレミアムは100ドル近辺まで上昇し、中国向け輸入需要の強さを示した。

在庫減少が相場を下支え

LME在庫は30万トンを下回る水準まで減少し、キャンセルワラント比率も50%を超える高水準で推移している。

一方、COMEX在庫は70万トンを超え史上最高水準に積み上がっているが、これは米国の銅関税導入に備えた事前搬入の影響が大きい。

このため、世界全体で銅が不足しているというより、

「米国へ在庫が偏在し、中国では精製銅需要が強まっている」

という地域的な需給のアンバランスが相場を押し上げているとみられる。

チリ供給にはなお不透明感

供給面では、チリの鉱石品位低下や主要鉱山の操業制約が引き続き意識されている。

Cochilcoは2026年のチリ銅生産を前年比約2%減の530万トンと見込んでおり、鉱石品位の低下や設備保守が下押し要因になるとしている。


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また、コンゴ民主共和国やペルーでも物流や操業上の課題が残っており、銅精鉱市場ではスポットTCが極めて低い水準で推移するなど、製錬原料不足は依然解消していない。

今後の焦点

足元の銅相場は、中国需要の急回復というより、

中国のVAT摘発によるスクラップ供給減少
精製銅輸入の増加
米国向け在庫移動
銅精鉱不足

といった複数の供給要因が重なった結果と考えられる。

一方、中国の不動産投資は依然マイナスが続き、ICSGは2026~27年の精製銅市場を供給過剰と予測している。今後は中国の実需が価格上昇に追随するか、あるいは高値による需要抑制が強まるかが、相場の次の焦点となりそうだ。

(IRuniverse S. Aoyama)

青山 雫

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