7月28日時点のトルコ統計機構(TUIK)のデータによると、2026年1月から5月のトルコから日本へのフェロクロム輸出量は1万1338トン、金額は2160万ドルに達した。2025年同期の1449トン・390万ドルと比較すると、数量で約5倍、金額でも5倍以上の増加となった。2025年通年のトルコから日本へのフェロクロム輸出は1万2787トン・2560万ドルであり、2026年の最初の5カ月だけで昨年通年の数量の85%に達した。
成長を牽引する高炭素フェロクロム
この急増はほぼ全面的に高炭素フェロクロムによって牽引されている。クロム含有量が60%超の高炭素フェロクロムは、2025年1月-5月の日本向け輸出が609トンだったが、2026年同期には5925トンへと約10倍増加し、輸出額は1180万ドルに達した。クロム含有量が60%以下の別グレードの高炭素フェロクロムは2025年1月-5月の日本向け取引がほぼゼロだったが、2026年には4493トン・840万ドルを記録した。低炭素フェロクロムの輸出も840トンから920トンへと増加したが、相対的な伸び率は小幅にとどまった。なお、2025年・2026年ともに4月の取引は記録されていない。
| 品目 | 2026年1-5月(kg) | 2026年1-5月(USD) | 2025年1-5月(kg) | 2025年1-5月(USD) |
|---|---|---|---|---|
| 高炭素フェロクロム(C>6%、Cr≤60%) | 4,493,268 | $8,382,216 | 0 | 0 |
| 高炭素フェロクロム(C>6%、Cr>60%) | 5,924,722 | $11,813,619 | 609,000 | $1,117,733 |
| 低炭素フェロクロム(C 0.05–0.5%) | 920,000 | $3,436,470 | 840,000 | $2,823,030 |
| 合計(輸出) | 11,338,250 | $21,632,305 | 1,449,000 | $3,940,763 |
背景:日本向けトルコ産フェロクロムの位置づけ
トルコは国内のステンレス鋼・特殊合金産業向けおよび欧州・アジア市場への輸出向けに、フェロクロムの主要生産国の一つだ。日本のステンレス鋼・特殊合金セクターは世界最大級のフェロクロム消費国として知られている。2026年の二国間フェロクロム取引の急増は、アジア市場での需要回復と南部アフリカからの伝統的なサプライチェーンに対する地政学的圧力による調達先シフトを背景に、世界的なフェロクロム供給が逼迫している時期と重なっている。2026年後半も同様のペースが続くかどうかは、日本の製鉄所のフェロクロム在庫水準と世界的な価格動向に左右されるとみられる。
出典:トルコ統計機構(TUIK)、2026年7月28日