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ARE HD:27/3期1Q決算を発表。業績見通し据え置き。

2026/08/04 16:41
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ARE HD:27/3期1Q決算を発表。業績見通し据え置き。

 8月4日15時半、AREホールディングスは27/3期1Qの決算を発表し、通期見通しを据え置いた。詳細は以下の通り。1Q決算のため説明会が無いが、決算説明資料を作成している。

 

<27/3期1Q実績>

〇1Q実績

●売上収益:1,972億円(前年同期比 +601億円)

 貴金属リサイクル事業1,889億円(前年同期比 +592億円)、北米精錬事業82億円(前年同期比 +9億円)

 増減分析:貴金属価格の上昇、韓国・タイでの事業拡大、北米精錬の製品事業における販売量増などがプラスに寄与した一方、宝飾分野における回収量の減少がマイナス要因となった。

●営業利益:123億円(同 +63億円)

 貴金属リサイクル事業92億円(同 +54億円)、北米精錬事業31億円(同 +13億円)、その他調整額等0億円(同 ▲3億円)

 増減分析:宝飾分野の採算性向上、韓国・タイなどのアジア子会社の事業拡大、北米精錬事業の成長が利益を押し上げた一方、コスト増などのマイナス要因があった。

 

図表1、27/3期1Q実績(百万円、%)

進捗率は上期見通しに対して

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇財務状況等

●資産合計:6,379億円(前期末比 +225億円)

 内訳:流動資産 5,583億円(主に営業債権等が+234億円、棚卸資産が▲147億円)、非流動資産 796億円(+12億円)。

●負債合計:

 流動負債 2,910億円(営業債務等が▲295億円、社債及び借入金が+546億円)。

 非流動負債 1,220億円(社債及び借入金が+163億円)。

●資本合計:2,249億円(△57億円)

・増減の背景

 北米精錬事業において鉱山会社との「前渡し取引」が増加したことにより、資産と負債が両建てで増加した。一方で、国内の貴金属リサイクル事業においては、入荷・販売状況による工場在庫量の減少や、貴金属価格の下落に伴ってヘッジ済みの棚卸資産が減少した。

●「自己資本比率」の考え方

 連結BSをそのまま用いた自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は35.3%にとどまる。しかし、同社のバランスシートは換金性の高い貴金属原料等の資産と、それに対応する短期有利子負債が大半を占めるという特徴を持っている。

 そのため、換金性の高い資産(北米営業債権等3,247億円、現金および同等物177億円、国内宝飾前渡金149億円)を除いた自己資本比率(80.2%)を用いて、財務の健全性を実質的に評価している。

 

〇キャッシュ・フロー

●営業活動によるCF:+571億円

 税引前利益(+124億円)、棚卸資産の減少(+147億円)、その他債権債務の増減等(+300億円)が主なプラス要因となった。工場在庫量の減少や貴金属価格下落による棚卸資産の減少が大きく寄与した。

●投資活動によるCF:▲16億円

 有形固定資産の取得による支出(△14億円)などが中心。

●財務活動によるCF:▲482億円

 借入金の減少(▲426億円)や配当金の支払額(▲56億円)が中心となり、借入金の返済を進めた。

●四半期末における現金及び現金同等物の残高

 前期末から74億円増加し177億円となった。

 

〇設備投資計画の進捗

 27/3期の年間設備投資は総額102億円(1Q実績 13億円、前期実績 88億円)を計画。

●貴金属リサイクル事業(通期計画 47億円 / 1Q実績 8億円)

 坂東工場の生産能力強化(計画約24億円)のほか、電子・触媒分野の収益性向上(28億円)、タイの現地工場設立(9億円)、技術開発(7億円)などを計画。

●北米精錬事業(通期計画 54億円 / 1Q実績 5億円)

 精錬事業の収益性向上(計画約29億円)のほか、銀製品の製造プロセス自動化(7億円)、金の倉庫キャパシティ拡大(4億円)を計画。

●減価償却費

 通期で36億円(1Q実績 9億円)を計画。

●大規模成長投資補助金

 約19億円の補助金交付が予定されており、今期以降の減価償却費計画に既に算入されている。

 

〇資金調達の多様化と格付

●貴金属価格の高騰や前渡し取引の拡大により北米精錬事業を中心に資金需要が拡大しているため、資金調達の多様化を進めている。

●外部評価(格付)

 格付投資情報センター(R&I)等より、発行体格付「A-(安定的)」、コマーシャルペーパー「a-1」の格付を取得・維持している。

●普通社債の発行

 第1回社債:200億円(25年10月発行、期間3年、利率 年1.554%)

 第2回社債:200億円(26年3月発行、期間3年、利率 年1.923%)

 目的:主に北米精錬事業の「前渡し取引」に伴う運転資金に充当し、グループ全体の金融費用を抑制している。

 

〇株主還元

●配当性向40%を目安とした安定配当を基本方針として掲げている。

 

<業績予想>

〇業績予想

 売上収益6,800億円、売上総利益505億円、営業利益410億円、税前利益400億円、当期利益290億円。

 

図表2、27/3期の会社業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇セグメント別

●売上収益内訳

 貴金属リサイクル事業6,453億円、北米精錬事業345億円、

●営業利益内訳

 貴金属リサイクル事業274億円、北米精錬事業133億円、環境保全事業等15億円、その他調整額▲12億円

●貴金属リサイクル事業 貴金属別の回収量計画

 国内およびアジア等の貴金属リサイクル事業における、主要4元素の通期回収目標は以下の通り。

 金31.7 トン、パラジウム5.5 トン、プラチナ7.3 トン、ロジウム283 kg

 

<配当>

〇配当予想

 「配当性向40%を目安とした安定配当」の基本方針に沿って、業績の拡大に合わせた増配を予定。年間配当予想135円(前期比 10円増配):中間配当65円、期末配当70円)

 

<その他>

〇貴金属リサイクル事業のビジネスモデルと分野別の特長

●回収から販売への3つのステップ:さまざまな産業から発生する貴金属スクラップを回収(STEP 1)し、長年のノウハウである合理的なサンプリングや高精度な分析(ICP発光分析等)で評価・精製(STEP 2)し、顧客への現物返却や市場への販売(STEP 3)を行う。

●分野別の回収特徴:

・デンタル分野:歯科医院や技工所から撤去冠(銀歯等)や加工くずを回収(金・銀・パラジウム・プラチナ)。自社アプリを活用した営業員による直接訪問で高い市場シェアを有する。

・宝飾分野:買取業者や宝飾製造工場から回収(金・銀・パラジウム・プラチナ)。採算性の高い顧客からの回収に注力して収益性を向上させているほか、タイやインドでの営業を強化している。

・電子分野(表面処理):電子部品メーカー等からメッキ廃液を回収(金・銀・パラジウム)。独自開発の電解式自動貴金属回収装置を顧客の工場ラインに直接導入している。

・電子分野(精密洗浄):半導体等の製造時に使用される真空蒸着装置や防着板などを預かり、貴金属の剥離・精密洗浄を行って性能を回復させた上で返却(金・銀・パラジウム・プラチナ)。

・電子分野(Eスクラップ):プリント基板、端材、車載電装品などから回収(金・銀・パラジウム・銅)。

・触媒分野:自動車解体業者や化学・医薬品メーカー等から自動車触媒(排気ガス無害化触媒等)や化学触媒を回収(パラジウム・プラチナ・ロジウム)。

 

〇北米精錬事業のビジネスモデルと「前渡し取引」

●事業概況:鉱山会社や宝飾スクラップディーラー等から調達した原料を精錬し、バーへの成型加工(地金製造)、鋳直し、さらには自社が運営するCOMEX認定倉庫への保管・管理を一貫して担っている。

●主な収益源:加工手数料、製品プレミアム、精錬手数料、フリーメタル(実収率と契約収率の差異)、保管料や出庫料など多岐にわたる。

●「前渡し取引」の仕組み

 精錬取引を拡大するための金融サービスとして、主に鉱山会社に対して貴金属の製品化・売却前に代金の一部を一時的に前渡し(融資)する。この取引により一時的にバランスシートの資産・負債(有利子負債など)が増加するが、前渡し期間に応じた金利収益を通じて利益に貢献し、取引先との強固な信頼関係構築につながっている。

 

<参考>

図表3、四半期別の業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

井上 康

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