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SMM電池材料フォーラム:「後3~5年、アジアの電池材料をリードするのは誰か?」――中韓日のキーパーソンが激論

2026/09/04 07:19 FREE
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2026年9月3日午前11時、SMMがソウルで開催したアジア電池材料協力フォーラムにおいて、「多元技術並行時代――今後3~5年、アジアの電池材料をリードするのは誰か」と題したパネルディスカッションが行われ、IRuniverse代表取締役社長の棚町祐次氏も登壇した。

ほかにエコプロ(EcoPro)副社長のInwon Chang氏、BattLab創業者でサムスンSDI・LGエナジーソリューション出身のDr. Sungrok Bang氏、広東智子智能技術(Sophon)CTOの段臻氏が参加し、進行はSMM韓国支社カントリーマネージャーの崔益煥(チェ・イクファン)氏が務めた。

最初の話題は、業界で最も注目されるLFPと三元系(NCM)の競合構図。Chang氏は、数年前まで「NCMはいずれLFPに置き換えられる」との見方が業界の主流だった時期にも、あえてNCM注力を貫いてきたエコプロの選択を振り返った。世界のリン鉱石は年間約2億トン生産され、その半分近くを中国が占める上、一部の中国LFPメーカーは鉱山そのものを保有している——このコスト構造の中で韓国企業が正面から対抗するのは容易ではなく、三元系は今後も高付加価値・プレミアム市場で役割を果たし続けるとの見立てを示した。あわせて、インドネシアのニッケル資源確保にも動いているという。Bang氏も同じくNCM中心路線を支持しつつ、LFPについては米国市場などの地域的な政策支援をうまく取り込むことで韓国企業なりの成長機会を見出せると付け加えた。棚町氏によれば、日本の電池ラインアップもやはりNCMが軸だが、ESSに限っては国内でもLFPと他用途とのすみ分けが進みつつあるという。

二つ目の話題は、技術革新が進むほど深刻化する特許・営業秘密の保護と、企業間協力をどう両立させるかだった。Chang氏はまず、前駆体などの原材料を長らく中国に依存してきたエコプロの経緯を振り返り、グローバル化の潮流が転換点を迎える中でサプライネットワークの多元化とアップストリームへの進出が求められているものの、簡単ではないと率直に語った。Bang氏も、韓国企業が中国との難しい関係を抱えながら協力を続けてきた実情に触れ、米国向け製品であっても結局は中国由来の材料を使わざるを得ないのが現実であり、完全な決別は現実的ではないとの見方を示した上で、互いの役割と新たな必要性を認め合いながら協力を続けることこそが、韓国・中国・日本を含むアジア各国にとって現実的な道だと結んだ。

ここで製造・設備の観点から加わったのが段臻氏。広東智子智能技術(Sophon)の紹介を交えながら、新エネルギー材料向けにハードウェアからソフトウェアまでの生産ライン一貫ソリューションを手がけていると説明し、過去2年間で受注・納入したプロジェクトはすでにかなりの量産規模に達しているとした。材料・工程・設備の変化は切り離せないため、コストバランスを取りながら顧客に最適解を提供する必要があるという。かつては新材料が実験室から百万トン級の量産規模に達するまで30年以上を要したが、今の中国では5~10年にまで短縮されている。段氏は、この材料・工程・設備・コストを均衡させる「基盤能力」こそが、今後どの国・企業が材料開発を主導するかを決める核心だと締めくくった。

三つ目の話題は、全固体電池やナトリウムイオン電池といった次世代技術が、実際にいつ意味のある市場規模で商業化されるかという点。棚町氏は、素材コストの高さが最大のネックだとし、自動車メーカー各社が開発を進めてはいるもののコストの壁は依然厚く、当面はLFPやNCMを用途に応じて使い分ける状況が続くとの見通しを示した。日本国内の国産ドローン市場では今も高ニッケル・高ニッケルコバルト系材料が重視されていること、ESS分野ではバナジウムレドックスフロー電池を推す動きがある一方でハイブリッド車用リチウムイオン電池も使われ続けていることなど、用途の広がりとともに対応が多様化している日本電池産業の姿も紹介した。

Bang氏は、研究室やパイロット段階の成功と実際の量産移行の間には大きな溝があると指摘。製造設備の量産化・工程・安全性・歩留まりを総合的に見極める必要があり、スタートアップが掲げるコストや期間は実際には2~3倍を見込んでおくくらいがちょうどいいと持論を述べた。新技術が最初に採用されるのも、自動車用途より電動工具やロボットなど条件の緩やかな分野からだろうという。Chang氏は、エコプロ自身も全固体電池の開発を進めており、2017年前後には約40件規模のパイロットプロジェクトを実施してきたことを明かしたが、生態系全体の協力が欠かせない段階にあることから実用化の目安はやはり2030年前後になるとし、その間はリチウムマンガンリッチ(LMR)系材料でLFPのコスト圧力に対応していく考えを示した。段臻氏は再び製造・設備の視点に戻り、材料・工程・設備の相互連関と中国国内での急速なスケールアップの実例を挙げながら、量産移行の鍵はやはり「基盤能力」にあると重ねて強調した。

崔氏は討論の締めくくりに、LFPと三元系の市場競争力、技術協力と保護の重要性、そして次世代電池の実用化可能性と限界という3つの論点を振り返り、今後の電池産業は技術と市場の両面から方向づけられ、企業や顧客の要求に応じて複数の技術が共存・競合しながら発展していくとの見方を示した。韓国、中国、日本は競合関係にありながらも、材料・設備からサプライチェーン全体まで密接に結びついている——各社が自社技術を守りつつ、協力できる領域では原則に基づいた持続可能な協業モデルを築いていくことが、アジアの電池関連企業全体の競争力を高める鍵になると締めくくった。

Keikoo

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