パナソニックインダストリーは30日、拡大する生成AI市場の需要に対応するため、AI関連事業へ約920億円を投資すると発表した。データセンター内のAIサーバなどに使用される高機能多層基板材料「MEGTRON(メグトロン)」と導電性高分子アルミ電解コンデンサ「SP-Cap(エスピーキャップ)」について、国内外の複数拠点で生産体制を強化し、生産能力を拡大。さらに、次世代半導体用材料の研究開発体制の整備も進め、足元の需要拡大に対応する供給能力の強化と、中長期的な競争力の源泉となる技術開発の強化を推進する。
まずは、高機能多層基板材料「MEGTRON」の需要拡大に対応するため、中国・蘇州の「パナソニック デバイスマテリアル蘇州有限公司」やタイ・アユタヤの「パナソニック マニュファクチュアリング アユタヤ」に総額約670億円を投資し、生産体制を強化する。蘇州工場では、2026年12月量産開始予定の新棟(I期)に加えて、新たに約300億円を投じて新棟(II期)を建設し、2028年8月の稼働開始を予定。
また、アユタヤ工場では、2027年11月に稼働予定の新棟(I期)に加え、新たに約370億円を投じて新棟(II期)を建設し、2029年4月の稼働開始を予定する。同工場は中国の電子回路基板市場向け、またアユタヤ工場は東南アジアの同市場向けの生産拠点と位置付けていく方針。今回の投資により、高機能多層基板材料においては地域ごとの需要動向に応じたグローバル5拠点(郡山、蘇州、広州、台湾、アユタヤ)での最適な生産体制を構築し、顧客への安定供給を強化する。
AIサーバに搭載されるGPU等の電源回路への採用が大きく拡大する導電性高分子アルミ電解コンデンサ「SP-Cap」の中長期的な需要増に対応するため、同製品の生産拠点である京都府の宇治工場とインドネシア・バタムの「パナソニック デバイス バタム」にも約170億円の投資を行う。バタム工場では、新たな生産棟の建設を計画しており、新棟は5階建て、延床面積約5万 m2で、「SP-Cap」の生産能力拡大に加え、将来のデバイス事業の成長も見据えた戦略的な生産拠点として整備する。2027年5月に着工し、2029年4月の稼働開始を予定している。
また、三重県四日市市の四日市南工場には、次世代半導体用材料の研究開発棟を新設する。新たな研究開発棟では、次世代半導体パッケージに用いられる材料の開発・試作・評価機能を強化していく。
(IRuniverse K.Kuribara)