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IRRSGシンポ 廃プラ RECYCLE SPECIALを拝聴して 熊本大学 外川健一

2019.07.24 08:45

写真 2019年7月22日、大雨の福岡を脱出して、梅雨空から小雨降る東京学士会館でIRRSG主催のリサイクルシンポジウム2019♯2 廃プラ RECYCLE SPECIALが開催された。

 

 第1講演は、香港からわざわざお越しくださった中国プラスチックリサイクル工業会のスティーブ・ウォン博士による「中国のプラスチックリサイクル現況と今後の動向」と題する英語の講演であった。中国での処理ができなくなった廃プラが、まずは東南アジアでリサイクルされるようになったが、その動きも堅実なものではなく、欧州から中国へ出ていたプラスチックは、東欧やトルコへ、アメリカ由来の廃プラはラテンアメリカやアフリカへも処理再起を求めて出て行っているが、昨今の環境問題の深刻化を背景に、OECD諸国での域内の廃プラリサイクルの必要性を強調されていた。

 

 フロアからは、「しかし先進諸国のコスト高の問題は、如何ともし難いのでは?」とのコメントがあったが、先進技術の導入に活路を見出すべきだというウォン博士の信念が感じ取られた。なお、司会者の不手際で英語講演の内容をうまく通訳できず、会場のムードが白けてしまったが、フロアで質問されたショーン・ライアンさん((株)アイケミカル)や、IRRSGのJENNYさんのおかげで、少しは場が和んだ。

 

 

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 第2報告は、株式会社アプライズ 代表取締役 平良 尚子様 と中国からおいでになった海宝机械科技有限公司の謝家政(カイホウ シェ)様の共同公演。内容は中国で開発されているセンサー技術を中心とした最新の廃プラスチック分離技術の紹介で、とくにPPとPEの高度な水準での分別が可能となることをPRされていた。すでに日本企業でも導入されているケースがあるという。中国企業がその技術力を携えて日本でビジネスパートナーを求めて廃プラ事業を始めている実態を垣間見た気がした。第1講演者のスティーブ・ウォン博士も、高度な技術をうまく活用することが重要だとコメントされていたと思う。

 

 第3報告は、トムラソーティング株式会社 代表取締役 佐々木 恵様のプレゼンテーション。15分という枠の中で、この数年で急速に進化した廃プラの分別技術を紹介しながら、廃プラのマテリアルリサイクルが国際的に求められてきていること、お客様のニーズを的確に把握して、より付加価値の高いマテリアルリサイクルが求められていることを力説されていた。フロアからは、リサイクル率の定義やサーマルの評価、安定型処分場の存在もどんどん少なくなっている現状などが提起され、私も大変勉強になった。

 

 

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 コーヒー・ブレークを挟んで、第4講演は、株式会社レックス 営業部長 鳥居 哲也様による「今まで見落としていた国内資源物の課題解決について」と題するご講演。株式会社レックスは関西を拠点に自らは廃棄物処理の業の許可をとらず、自らがこれまで培ってきたネットワークを駆使して、セメント、鉄鋼、製紙メーカー等と連携しつつ、直面する廃プラ問題にその地域や会社にあったソリューションを提供できることを力説されていた。

 

 続く第5講演では、太平洋セメント株式会社  環境事業部 営業企画グループ 担当課長 森 賢一様による「セメント産業における廃プラ等の活用について」。今更ながらセメント産業なくして、日本の廃プラ問題を解決することは非常に困難であることを改めて痛感した。とくに脱塩システムに関しては国の助成金をうまく使いながら、様々な技術が開発されてきたようだ。しかし、CFRPは相変わらず大きな禁忌品として、まだ解決策は見えない。またクロム等の重金属がSRやASR中に増加しているなど、これから解決すべき問題が提示された。

 

 第6講演は株式会社捷大 代表取締役 坂本 秀明(サカモト ヒデアキ)様による「再生プラ市場の現状と課題及び提案」。再生プラJIS化の話や、パレットメーカー、コンパウンドメーカーの現状など、なかなかしれないお話が満載だった。また欧州とくにオランダにおけるCar to Carへの取り組みとその問題点の紹介は、生産性本部の喜多川さんからも窺ったことのある話と似ており、製品寿命の長い自動車のマテリアルリサイクルの難しさを、改めて感じた。坂本様の講演では、再生プラの価格形成メカニズムが変わってきているという、これまで私が知らなかった情報もあり、もっと掘り下げて聞きたかったところだったが、タイムキーパーが私の一番の役目。

 

 

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 トリを飾るのは、国立環境研究所の寺園先生の小型家電リサイクル法の抱える課題と、雑品火災問題について。とくにご講演の最初に紹介されたこの5月に発生した茨木県の大規模雑品置き場での火災の現状は、寺園先生自らがカメラを握って移された貴重な資料であった。この火災も行政が前々から指導をしていて、まさに改善を行わんとした矢先での火災であり、もっと実効力のある行政指導が求められると感じた。なお、中国ショックと同時にバーゼル改正も行われたことを力説され、グレイゾーンをできるだけ狭めていこうという環境省の方針が示された。寺園先生のグループは、この4月から5月にかけて、小型家電リサイクル認定業者に対する小型家電リサイクルに関するアンケート調査も行っており、その成果の一部が報告された。

 

 全体として盛りだくさんの内容で、会場の皆さんは消化不良だったかもしれない。司会者として、もっとうまく議論ができたはずだと反省している。

 

 

(熊本大学 外川健一)

(編集 IRUNIVERSE)

 

 

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