メタル・カテゴリー閉じる

新着情報  - News -

2020/08/08   住友金属鉱山:決算...
2020/08/08   岡本工作機械(61...
2020/08/08   MARKET TA...
2020/08/08   7日の中国鋼材スプ...
2020/08/08   DOWA HD:上...
2020/08/08   日本カーボン:おお...
2020/08/07   三井金属:今上期業...
2020/08/07   NEDO、ドローン...
2020/08/07   三井金属、新型コロ...
2020/08/07   東邦亜鉛、今1Qで...
2020/08/07   IRRSG/ZOO...
2020/08/07   《Metal Pr...
2020/08/07   《Metal Pr...
2020/08/07   《Metal Pr...
2020/08/07   《Metal Pr...
2020/08/07   東京製鐵、鉄スクラ...
2020/08/07   Teslaの支持に...
2020/08/07   鉄子の部屋#20 ...
2020/08/07   大平洋金属:後半は...
2020/08/07   CobaltWat...

企業動向#271  新光電気工業 インテル向け拡大 2年で900億の投資

2020.07.07 08:56

 半導体パッケージ、リードフレーム大手の新光電気工業(6967)の21/3期決算予想開示メモ。

 21/3期は400億円の投資負担増をカバーし営利3.3倍予想、来期も実質2割増益へ。最大ユーザーが米インテルという小さな大企業だ。

 

 

要 約

 ・半導体パッケージ、リードフレーム大手でインテルが最大ユーザー

 ・20/3期は4.3%増収ながら33.4%営利減と、上期の市況悪化と先行投資負担大幅増が影響

 ・21/3期はPP部門のFCP本格拡大が寄与し15.3%増収、営利3.3倍、経常利益2.3倍予想

 

 

図半導体パッケージ、リードフレーム大手でインテルが最大ユーザー

 1946年に富士電機研究部長野分所の施設・従業員を引き継ぎ、「合資会社長野家庭電器再生所」として設立、家庭用電球のリサイクル事業を開始したものを、事業拡大のために改組・改称し「新光電気工業株式会社」として奥田孝治氏が設立。まずリングチューブ、水銀スイッチを生産、1948年には通信用電球・2号型ランプの製品化に成功し富士通に納入、翌年に歩電気通信省にも納入、1953年にはダイオード用ガラス端子の製造も開始した。転機となったのが1957年。富士通の資本参加を受け半導体分野への展開を図り、長野県に工場を開設した。1966年に初のセラミックICパッケージ・DIP-10の生産を開始、1967年にサーディップ用リードフレーム(LF)生産を開始、1970年には多層セラミックパッケージも生産を開始し、本格的に輸出も開始する態勢を整えた。その後、PGA(ピングリッドアレイ)タイプのセラミックスパッケージ、1987年には多層LFをCPU向けに供給を開始、さらに薄膜セラミックパッケージなどラインナップを広げた。1995年にはPLP(プラスチックラミネートパッケージ)の製造、BGA(ボールグリッドアレイ)組立を開始、その後もコアレス基板(DLL3)、デバイス内蔵パッケージ(MCeP:モールドコアエンベデッドパッケージ)など次々と先端パッケージを開発、インテルを中心とした先端半導体メーカーに広く供給して成長してきた。

 

 20/3期のセグメント別構成は、プラスチックパッケージ(PP)55.0%、メタルパッケージ(MP)40.1%、その他4.6%、部門別売上としてはICLF21.0%、ICパッケージ62.3%、気密部品16.1%、その他0.6%、またインテル向け納入比率が31.6%あり、最大ユーザーとなっている。

 

 

グラフ20/3期は4.3%増収ながら33.4%営利減と、上期の市況悪化と先行投資負担大幅増が影響

 20/3期は売上高1483.32億円(4.3%増)、営利32.27億円(33.4%減)、経常利益48.13億円(37.1%減)、税引利益26.90億円(6.5%増)となった。昨年10/23会社減額修正計画に対し、売上高で41.32億円、営利で20.27億円、経常利益で30.13億円の超過達成となった。但し、増収ながら営利減となったのは、上期の市況悪化と多額の先行投資負担継続、為替差益減少が影響したためで、ちなみに減価償却前営業利益では13.1%減、減価償却前経常利益では16.8%減と、減益幅が約半分に縮まる。

 

 セグメント別ではPP部門が売上高815.68億円(8.5%増)、経常利益4.75億円(67.3%減)に。フリップチップパッケージ(FCP)がWindows7のサポート終了による買い換え需要等でPC向けCPU用が拡大、サーバー向けも下期回復し増加し、全体牽引、ちなみにインテル向けは468.82億円(20.3%増)と伸長した。一方、PBGA基板はメモリー向けに減少、IC組立も自動車向け増加がスマホ向け減を補えず減収、全体では1桁増収に止まる。利益面ではFCP設備増強などで減価償却費が86.53億円(6.5%減)と引き続き高水準で継続しており、減価償却費控除前経常利益では91.28億円(6.5%減)に止まっている。MP部門は売上高598.67億円(1.1%増)、経常利益50.89億円(28.6%減)に。LFはプレスLFがメモリー向けに減少、エッチングLFも自動車向けに減少し311.54億円(2.9%減)、光素子用ガラス素子は5G向け増も光学機器向け不振で減収、半導体製造装置向け静電チャックも減収となった。一方でCPU向けヒートスプレッダーがサーバー向け中心に伸長、全体では微増収を確保した。利益面では静電チャック、リードフレームの 市況悪化と減収などが影響し、減益幅が大きくなった。ちなみに減価償却控除前経常利益でも100.67億円(19.5%減)となっている。

 

 四半期推移ではQ4にPP部門がFCPの収益拡大もあり、Q4は前年同期比17.1%増収、経常利益5.8倍、Q3比でも6.7増収、経常利益2.1倍と急拡大している。

 

 

21/3期はPP部門のFCP本格拡大が寄与し15.3%増収、営利3.3倍、経常利益2.3倍予想

 21/3期はコロナ影響が一部影響するもののプラス効果もあり、コロナかでも世界の半導体工場の稼働率は高く、7~9月に前年同期を1.8ポイント上回り88.8%となる予想が示されている。特に先端半導体の本格拡大を背景に、同社は売上高1711億円(15.3%増)、営利107億円(3.3倍)、経常利益110億円(2.3倍)、税引利益70億円(2.6倍)を見込む。なお21/3期は406億円の大型設備投資を実行する計画で、減価償却費は220億円(56.8%増、金額で80億円増)となる見通しで、減価償却費控除前営業利益は327億円(74.8%増)、減価償却費控除前経常利益は330億円(75.1%増)予想となる。

 

 

グラフ

 

 

 コロナ影響は自動車関連向け半導体向けで悪影響が懸念されるが、5G実用化やIoT・AI活用などでデータセンター用サーバー向け需要拡大、加えてアフタコロナを見据えテレワークやオンライン学習等でPC、タブレット需要、さらには下期に新型ゲーム機投入が相次ぎメモリー需要も拡大する見通し。

 

 このためPP部門は、大型設備投資を実行、インテルは次々と新世代チップの投入を行う計画で、FCPがインテル向けにPC用、サーバー用新コアデバイスの本格拡大が見込まれる。加えて新井工場で新ライン稼働の先端メモリー向けPBGA基板も伸長が見込まれ、PBGA全体も増収が見込める。IC組立は自動車、スマホ向けに減収が懸念される ものの、PP部門全体として2桁の伸びが見込める。

 

図 利益面でもビルドアッププロセスを更に進歩させたコアレス基板のDLL3などFCP拡大が収益拡大を加速、減価償却前の収益性も更にアップしよう。MP部門はLFについては車載向けが低迷継続し、スマホ向けもコロナ影響で伸びが見 込めないことから減収が続く懸念がある。一方、サーバー等のCPU用ヒートスプレッダーは引き続きデータセンター向けなどで伸長が続く見通しのほか、半導体製造装置向け静電チャックも需要急回復が見込め、ガラス素子も5G向けが増加し、光学機器向け減を相殺し横ばい程度を確保しよう。全体として前期同様、LFの減収を他製品の増で補い、増収を確保、利益面でも横ばいを確保しよう。

 

 全体として、前期の新井工場に加え、下期は高丘工場の量産開始などで減価償却費が嵩むものの、PP部門の増収効果がフルに寄与し、会社想定並みに大幅な収益拡大が見込まれる。

 

 続く22/3期は引き続き500億円近い設備投資を計画(有報で2年間予算904億円)、来期も減価償却負担が嵩むとみられるが、FCPの更なる拡大(生産能力で40%アップ)、先端BGA基板もメモリー需要本格拡大でPP部門の需要が引き続き牽引しよう。加えてリードフレームなども5Gスマホの本格普及、車載向けも自動車販売の回復と自動運転やEV化による車載半導体の拡大も期待され、MP部門の収益も本格回復が見込める。このため、償却負担増で表面上の利益は横ばいに止まるとみられるが、償却前利益率が向上、実質的には11%増収、20%経常増益が見込まれる。

 

 

表とグラフ

 

 

(H.Mirai)

 

 

 

 

関連記事