メタル・カテゴリー閉じる

新着情報  - News -

2020/10/31   フランスからの風:...
2020/10/31   MARKET TA...
2020/10/31   日本伸銅生産下期回...
2020/10/31   黒崎播磨:ユーザー...
2020/10/31   30日の中国鋼材ス...
2020/10/31   日本冶金:上期は会...
2020/10/31   日軽金HD:決算発...
2020/10/31   東京鉄鋼:上期業績...
2020/10/30   フェニックス202...
2020/10/30   エコネコル、国内で...
2020/10/30   モリブデン市場近況...
2020/10/30   VanadiumW...
2020/10/30   《Metal Pr...
2020/10/30   《Metal Pr...
2020/10/30   《Metal Pr...
2020/10/30   《Metal Pr...
2020/10/30   大手資源開発各社、...
2020/10/30   ユニリーバ 今後1...
2020/10/30   南ア政府 クロマイ...
2020/10/30   長期低迷から脱する...

ドクターE 江守哲の相場解説Season2#3 どうなる原油相場?その2

2020.09.23 12:32

ドクターE 江守哲の相場解説Season2#2 どうなる原油相場?その1」からの続き

 

 

 いまは世界最大の産油国になった米国では、原油安を背景に産油量が頭打ちになっている。米国内の石油掘削リグ稼働数は、最新週で180基と、リーマン・ショック後の2009年5月の水準にまで低下している。産油量も日量1000万バレルにまで落ち込んでいるが、これは原油安により採算の合わない油断での生産が閉鎖されていることが背景にある。米エネルギー情報局(EIA)は最新の月報で、10月の国内主要シェール総7カ所のシェールオイル生産量が日量約6万8000バレル減少し、764万バレルになるとの見通しを示している。減少は5月以来となる見込みである。現在の米シェールオイル企業の生産コストは40ドル前後とみられている。現在の原油価格の水準では、多くのシェールオイル企業は採算が取れない。また、将来の生産拡大に必要な原油価格の水準は46ドルから50ドルとされており、将来のための開発が進まない状況にある。

 

 

*米国の産油量と石油掘削リグ稼働数の推移

グラフ

 

 

*米国の原油在庫の推移

グラフ

 

 

 米国では世界のトレンドと同様に、石油需要が低迷している。石油製品需要は日量1700万バレルにまで落ち込んでおり、例年の2000万バレルと比較すると、現在の需要がいかに弱いかが確認できるだろう。こうなれば、在庫が積み上がるのも当然であり、原油相場が抑制されるのもまた当然である。米国内の原油在庫は過去12年で最高水準にあり、需給の弱さが確認できる。米国では8月末でドライブシーズンが終了し、ガソリン需要期はピークを過ぎている。また、今後は製油所の保守点検の季節に入る。製油所稼働率が低下するのが通例であり、この時期の原油価格は下がりやすくなる。冬場のヒーティングオイルの需要期までは軟調に推移しやすくなるが、この間に石油製品在庫が積み上がりすぎると、冬場に原油相場が上がりづらくなる。

 

 

*米国の石油製品需要の推移

グラフ

 

 

*米国の製油所稼働率の推移

グラフ

 

 

 現在のヒーティングオイルやディーゼル油、ジェット燃料などを含むディスティレート(中間留分)の在庫も、過去12年間で最高水準にある。これらの在庫が捌けない限り、原油価格の上昇は想定しづらいだろう。その意味でも、世界経済が回復する一方、新型コロナの脅威が低下し、世界の人々の交流が再び行われるようになり、ジェット燃料などの輸送用燃料の需要が回復することが、石油需給全体の改善には不可欠といえる。現在の短距離航空路線の世界需要はパンデミック前の50%、長距離路線は30%の水準にとどまっているもようである。また、航空運航データ会社OAGによると、9月7日までの週の世界の運航予定便は前年同期の約半分にとどまっているという。これらが正常化に近づくことが、原油相場の回復には不可欠であるといえそうである。

 

 

(tetsu emori)

(編集iruniverse)

 

 

関連記事