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一廃プラは資源になりえるか⁉︎③国内マテリアルリサイクルは輸出が支える

2020.09.24 09:48

一廃プラは資源になりえるか⁉︎②おもちゃ、洗面器も資源で一括回収!?」からの続き。

 

 プラスチック資源循環戦略(案)に「3R」+「Renewable」(再生利用)が基本原則として記されているように、日本政府は今後、廃プラのリサイクルを「マテリアルリサイクル」に持って、行こうとしているようだ。これが選ばれるのは、やはり脱炭素社会(いうまでもなくプラは石油が原料)やCO2削減の文脈があるからだろう。サーマル(焼却による発電、熱回収)をリサイクルではないとする論拠は、まさにここだ。

 

 

環境省は「省CO2型リサイクル等高度化設備導入促進事業」を実施

 では、国内でマテリアルリサイクルは、どこまで推進できるのだろう。

 

 以下に示すのは、PETボトルのマテリアルリサイクルのフローだ。PETボトルリサイクル推進協議会のデータによると、2018年のリサイクル率(ケミカル、サーマル含む)は、84.6%だった。

 

 

図

 

 

 これは世界的にも高い数字で、それが実現しているのは、家庭、拠点などでしっかり分別され、回収されているからだ。プラスチック循環利用協会のデータから推計すると、リサイクル率中のマテリアルリサイクル(モノ→モノ)は78%となっており(2017年)、材料リサイクルとしても優等生とされる。

 

 PETボトルは容器包装リサイクル法のもとで管理されている品目だが、しかしそれ以外のプラスチック容器包装のリサイクル率となると、46%(2020年の目標値)と格段に落ちる。

 

 

表

 

 

 一廃プラのマテリアルリサイクルにおいて、分別と回収がどれほど重要かが分かるだろう。日本は1人当たりの容器包装廃棄量が世界で2番目に多い国とされており、その責任も大きい。

 

 廃プラをマテリアルリサイクルする場合、ペレットマシンなどを含むそこそこの規模のプラントが必要になり、資金も必要になるが、容器包装と「トイレタリー製品」や「玩具」を一体的に回収するスキーム(2022年以降)が始まった場合、これを受け入れられる施設の整備が間に合うのか。

 

 こうした、難しいリサイクルには技術の高度化が求められるが、環境省は「省CO2型リサイクル等高度化設備導入促進事業」を実施しており、2020年度は「プラスチックリサイクル高度化設備緊急導入事業」を公募した。その結果は以下のリンクから。28社あまりが選出されている。

 

https://www.jwrf.or.jp/subsidiary/save_co2/current/images/r02_recommend_primary02_v2.pdf

 

 

輸出目的の廃プラリサイクルもピンチ

 国内回収された廃プラのうちマテリアルリサイクル(材料リサイクル)されているものは、22%であるが(2013年;産廃含む)そのうち国内投入はわずか16%であり、残り84%が海外に輸出されている。

 

 

表

 

 

 環境省は昨年5月、中国や東南アジア諸国が廃プラの輸入を禁止したことで、日本国内で廃プラが処理できず滞留してきており、ことの重大さに、緊急対応として市町村に対し単純焼却を受け入れるよう要請した(実際はどこの自治体も未対応、カロリー不足であるにもかかわらず)。

 

 こうした国内に滞留した廃プラに目をつけ、これを資源化(主にペレット化)して、資源として海外(多くは中国)に輸出をしようと外国人リサイクラー(主に中華系)が近年、国内で数多く廃プラリサイクルを始めた。彼らは、長く同国で廃プラのリサイクルを行なってきたため、ノウハウを備えている。前記の輸出84%中にも大きく関わっているはずだ。

 

 しかし、設備や人件費で多くの資金を必要とする同リサイクル事業は、バージン材との価格競争に晒され、生産すればするほど赤字になる結果に汲々としているという。

 

 環境省は廃プラ輸入禁止後の現状把握のため、2018年末から都道府県・政令指定都および廃棄物処理業者に対し、アンケート調査を行った。地方自治体では、122自治体全てが回答し、廃プラの保管上限を超過している基準違反が15自治体出ていた。保管量が増加したと回答したのも24自治体。把握できていない自治体も15自治体あり、処理状況は逼迫してきている。

 

 前出の産廃業幹部は「このまま国内でのマテリアルリサイクルが一層やりづらい状況になると、彼らは撤退を余儀なくされるかもしれない。そうすると、夜逃げ同然でヤードを手放す場合もある。彼らは、集めた廃プラをイタズラに保管所に集積しているばかりで、管理も甘い。結果、火災などのリスクもある」と語る。

 

 行政は、業者があくまで有価物として扱っているため、立入検査に入る権限がなく、指導するとすれば、消防が介入するしかないという。相手が外国人であるために、指導らしい指導もできず(言葉が通じない)、指導書を渡す程度に留まっているらしい。

 

 国としても、材料リサイクルには、製造、購入の部分でなにがしかのインセンティブを設けるとはしているが、その具体案はまだ出ていない。(続く)

 

→(関連記事)一廃プラは資源か助燃剤か⁉︎① 焼却熱の安定利用・供給には実はプラが必要

 

 

(IRuniverse kaneshige)

 

 

一廃プラは資源か助燃剤か⁉︎① 焼却熱の安定利用・供給には実はプラが必要

一廃プラは資源になりえるか⁉︎②おもちゃ、洗面器も資源で一括回収!?

 

 

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