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アミタホールディングス(2195) ウイズコロナ時代セミナーメモ 

2020.09.28 08:15

 事業展開の方向性は正しい認識も経営体制は未だ脆弱で理想と現実のギャップが課題。

 ディスクローズも良くなく、具体的な数字がなく、売上区分も今期から開示止め。

 

 

要 約

 ・「ウイズコロナ時代の理想の社会を描く」をテーマに目指したい新しい社会像を描く

 ・新しい社会像とアミタHDの事業展開とは別と認識

 ・20/12上期は1.6%減収、1.3%営利増と、期初計画比売上未達も利益は上振れ

 ・20/12期は取扱量の減少が止まらず期初計画を減額し4.6%減収32.2%営利減予想

 

 

「ウイズコロナ時代の理想の社会を描く」をテーマに目指したい新しい社会像を描く

 9/24に廃棄物再資源化企業のアミタHD熊野代表による「ウイズコロナ時代の理想の社会を描く」をテーマとしたセミナーが実施された。同社は1977年、鉛・亜鉛の問屋業務と鉄鋼ダストの物流管理業務を目的に姫路市に設立され、1992年には姫路市に産業廃棄物再資源化工場が完成、その後、茨城県筑西市にも進出、2000年に社名をアミタとし、その後、京都府丹後市、川崎市、北九州市などで循環資源製作所を開設し、事業を拡大してきた。

 

 現在同社は持続可能社会の実現に向け、環境課題、社会課題の解決を事業とするアミタグループとして事業展開している。

 

 

図

 

 

図 今回のセミナーでは、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」について、新しい世界に転換することを目指すとして、SDGsの意義、その背景を説明、さらに将来はどのようになるかを示した。

 

 現在、歴史上はじめて地球の制約条件と人間の拡張性がぶつかる時代となり、行動変容が新しい社会を作り、市場を作るとした。具体的には企業の長期的な成長のために、短期的な収益を追求するだけでなく、Environment =環境、 Social =社会、Governance =ガバナンス…に配慮した経営、すなわちESG経営を行うことが求められるとした。同社はこのようなESG経営を行う企業の認証、「SDGインパクト」プロジェクトに沿っての認証業務などを推進するとした。具体的行動として、同社は九州サーキュラー・エコノミー・パートナーシップを設立。内容はサプライチェーン上の製造会社、処理会社、収集運搬会社、リサイクル製品のユーザー会社、地方自治体等と連携し、廃棄物の再資源化に関するデータをICTにより取得・蓄積・分析する。また本データを用いて、最適な資源循環を設計し、資源利用の全体最適化を図るプラットフォームの構築に取り組むというもの。このような活動により、持続可能な未来を設計していく事を事業の柱とすることを目指している。

 

 既に工業文明の終焉、ピークアウトは2025年に近づいており、しかもコロナショックで行動変容が生じ、価値観の変容の進んでおり、自立分散型社会へ向けて変化が加速するとした。そのような中で、目指したい新しい社会像として、経済優先から豊かな関係性優先の社会が到来すると結んだ。

 

 以上がセミナー要旨であるが、最終的には「モノ豊かな幸福感」から「心豊かな幸福感へ」というような、ある意味で一種の価値論的な話で締められた。

 

 

表

 

 

グラフ新しい社会像とアミタHDの事業展開とは別と認識

 今回のセミナーを拝聴し、「ウイズコロナ時代の理想の社会」についてのイメージは正しいと判断出来た。しかし同時に、アミタHDの過去の事業展開の推移をみると、社会的ニーズとそれに対して必ずしも同社が対応できていない現実があるように感じた。同社は2006年に大証ヘラクレス市場に上場、2013年には市場統合により東証ジャスダック市場に統合上場となっているが、過去10期の業績推移では、売上高、利益とも成長しているとは言い難い。しかもその間に、MSC認証サービス、CSR・環境分野に特化したテレマーケティングサービス、廃棄物管理業務支援システム提供、MSC(海のエコラベル) CoC認証機関に認定、ASC(養殖版エコラベル) CoC認証機関に認定、またそれ以外でも様々な事業を始めているものの、これらがどれをとっても事業規模の拡大に結びついていない。また同時期、無配を続けている。

 

 廃棄物処置業界での上場企業としては、売上規模でアサヒHDが1447億円、ダイセキ540億円、タケエイ377億円、エンビプロ367億円の順で同社は9位、営業利益でアサヒ205億円、ダイセキ107億円、同社は8位に止まり、収益性でも下位にとどまる。また過去の収益の伸び率でみても、見劣りがする。そこで現状の収益状況を調べてみた。

 

 

グラフ20/12上期は1.6%減収、1.3%営利増と、期初計画比売上未達も利益は上振れ

 20/12上期業績は、売上高22.22億円(1.6%減)、営利1.05億円(1.3%増)、経常利益1.28億円(53.5%増)、税引利益1.94億円(5.6倍)となった。期初計画に対し売上高では2.08億円未達成も、営利では0.63億円上振れた。なお四半期ではQ1は好調だったものの、Q2が8.3%減収、30.8%営利減とQ2からコロナ影響を強く受けている院祖湯がある。

 

 事業状況は、北九州循環資源製造所の取り扱い増も、台湾事業の閉鎖、有価物取引減、川崎、茨城は計画の取扱量を下回り、全体として売上高未達成となった。なお同社は今期より報告セグメントを単一に変更しており、説明会開催もないことから、事業の具体的な数値評価が難しくなっている。営利は台湾閉鎖で製造原価が低減、収益性の高い北九州の寄与と販管費抑制で増益に。税引利益は台湾の株式譲渡益等で大幅増に。

 

 

図20/12期は取扱量の減少が止まらず期初計画を減額し4.6%減収32.2%営利減予想

 20/12期は上期収益環境を考慮し期初計画を減額修正、売上高45.26億円(5.64億円減額、4.6%減)、営利1.6億円(0.94億円減額、32.2%減)、経常利益2.01億円(0.73億円減額、48.8%減)税引利益2.48億円(0.83億円増額、53.1%増)予想とした。税引利益は台湾株式譲渡益で増益に。

 

 現状、上期が営利は計画を上回ったものの、取扱量で計画を下回り、下期も有価物取引減、各循環資源製造所の取扱量の減少、加えて認証関連サービスの提供時期の期ずれなどが見込まれるためとしている。ディスクロージャーが少なく、具体的にどのような減少となるか不明ながら、製造業の稼働状況などを勘案し、会社計画並みの収益に止まるものとみられる。

 

 なお同社は2月末に2022年までの3カ年中計を発表、22/12期に売上高54.76億円、営 利3.29億円を目指す計画となっているが、コロナ影響もあり、早晩、見直しが必要となろう。

 

 全体を通じ無配を続け、収益拡大も果たしていない。同社は社会的価値を「解決し続ける」ことを事業とし、「企業と地域の持続性を高め、社会全体の新たな価値作りを支援する」という経営方針は崇高なものであるが、実際の経営は必ずしも優れているとは言いがたく、今後の奮起を期待したい。

 

 

表とグラフ

 

 

(H.Mirai)

 

 

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