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金融アナリスト川上敦氏の世界経済動向セミナー この秋冬にパラダイムシフトが起きる!

2022.10.03 13:16 FREE

 金融アナリストの川上敦氏が定期的に開催しているセミナー「Chuck Kawakamiの金融経済Now!」の最新オンラインライブが10月1日に行われた。いつものように各経済指標を用いながら幅広く経済、コモディティ市場について説明していくなかで前回同様世界的な景気後退を指し示す指標が今回も目立った。とりわけ欧州はすでにエネルギー危機とインフレにより、明確にリセッションに入っている。中国も1970年代以来の低成長に入っている。ゼロコロナ政策に加え不動産市場の不調が長引いていることが要因だ。そして、超大国の米国も度重なる利上げと、高いインフレ率により変調を来している。

 

 

実は労働力は余剰になって来ている

 川上氏はまず、世界の労働力の余剰について触れた。

 

 一見すると、世界は労働力不足のように見えるが、実は各産業において労働力は余剰が見え始めているという。特に先進国ではAIの発達・ロボットの普及により単純作業の労働力というのは顕著になって来ている。一方で、高いスキルを求められる人材は常に逼迫している。労働需給のミスマッチがますます広がることになる。

 

 

グラフ

 

 

 日本の企業の純資産は十分確保されているにも関わらず、投資回っていないということが今の日本経済の停滞感を招いている。反対に米国の場合は、利益剰余金を積極的に投資に回しているという違いがある。


 川上氏は「もう少し非製造業をIT化して設備装備率を上げるべきである」。と述べている。

 

 

米国経済は大丈夫か?

 注目の米国経済だが、前回でも述べたようにいよいよ米国の景気後退の予兆がより一層目立って来ている。OECDは9月26日、「エコノミックアウトルック(経済見通し)中間報告」を発表した。2022年の世界の経済成長率(実質GDP伸び率)を3.0%、2023年を2.2%とした前回(2022年6月)の見通し(2022年6月9日記事参照)と比較すると、2022年は前回から据え置いたが、2023年は0.6ポイント下方修正した。OECDは「世界経済は欧州を筆頭に勢いを失い、経済回復は停滞する」と評した。

 

 中でも米国経済は2023年、0.5%という驚くべき低成長の予想となっている。

 

 

表

出典:(エコノミックアウトルック(経済見通し)中間報告より)

 

 

 米国経済がこれから急速に悪くなるシグナルが横溢している。

 

 冒頭示したように、米国経済の今の問題は、インフレ退治を主眼とした連続的な利上げが要因ではあるがFRB(米連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board))はあと2回利上げを行うと予想されている。0.75%と0.5%が積み重なれば、4.8%に到達する計算になる。

 

 流石に、4.8%に到達すれば利上げは打ち止めになると考えられるが、インフレの影響と利上げの副作用は2023年に強く残る。

 

 では、何が米国のインフレ率が8%にまで押し上げているのであろうか。

 

 最大の原因は賃上げによるレーバーコストの増大である。米国の最低賃金はカリフォルニアで時給14〜15ドルに達している。しかし賃金は上がっているが、生産性は上がっていないところにまた一つ米国の問題が控えている。次に来るのはこの高賃金に耐えられなくなった企業が解雇(レイオフ)に走ることである。レイオフが拡大することによって個人消費はさらに冷え込んでいく。そして経済は落ち込むという負のスパイラルに陥る。

 

 ということは、今までドル一強だった為替も変調が訪れることになる。つまりこれまでのドル高からドル安へと移行していくことが考えられる。円ドルの関係で言えば半年で25円もの円安が進んだが、この逆回転で急速に円高が進むこともあり得るだろう。

 

 思い出してほしい、2022年の為替は1ドル115円から始まった。

 

 

為替(円ドルTTS)相場の推移 1年

グラフ

 

 

 ただ、東南アジアの国々は、総じてインフレ率は低く、成長率は高いという好循環を続けている。

 

 特に、タイ、インドネシア、フィリピンは成長を続けている

 

 

表

 

 

グラフ

 

 

 米の期待インフレ率の10年物は2.1%まで下がっているということは、景気悪化の明確なシグナルと見て取れる。それを指し示すように米株も明確に下落している。9月末の米株は28000ドル台まで落ちており、8月の高値34000ドル台から18%もの値下がりとなっている。

 

 

NY株価の推移(US$)1年

グラフ

 

すでにリセッション入りしているヨーロッパ

 OECDのエコノミックアウトルックによると、2023年のユーロ圏では1.3ポイント減の0.3%となった。ロシアが欧州向けの天然ガス供給を減らし始めていることに加え、エネルギー需要が増加する冬に向け、ガス不足がさらに深刻化することが背景にある。こうした背景から、天然ガスのロシアからの輸入(2020年)が55%を占めるドイツは2.4ポイント減のマイナス0.7%と、マイナス成長に転じる厳しい予測となった。このように、ユーロ圏では一足先に景気後退に入っていることが分かる。その証左としてユーロの値下がりがある。9月末でユーロドルは0.96〜0.97で推移している。場合によっては一時的に0.6まで値下がりすることも考えられる異常事態となっている。

 

 

グラフ

 

 

期待はずれの中国

 ゼロコロナ政策にこだわり過ぎた結果中国経済はことごとく期待はずれに終始してきた。

 

 10月16日に習近平総書記(国家主席)の3期目は既定路線ではあるが、そこでどのような経済対策が打たれるのかが注目される。しかし現時点ではかつてみられたような中国らしい劇的なカンフル剤的な景気浮揚対策は出てこないのではないか、という見方が大勢。

 

 足元の景気指標もよろしくない。

 

 製造業はかなり厳しい。自動車販売は若干戻ってきたが、消費者物価指数は上がっていない。

 

 信頼感指数は下がったまま、小売売上高も弱い。やはりこれまでも中国経済の牽引役であった不動産セクターの低迷が今の中国経済の実態を表している。

 

 

グラフ

 

 

コモディティもやはりリセッション入り

 

グラフ

 

 

 コモディティは全体的に下ぶれしている。

 

 WTI原油相場は、9月末現在バレルあたり70ドル台まで下がっている。6月の高値120ドル台からは42%の下落を示している。

 

 EIAの統計では、すでに世界の原油需給は余剰を示している、かつ世界経済の落ち込みから鑑みると原油相場のもう一段の落ち込みは容易に想像できる。

 

 

グラフ

 

 

 そしてもう一つ重要なコモディティの指標として金があるが、この金も値下がりしている。

 

 

グラフ

 

 

 金が一番高かったのは2月の終わりロシア・ウクライナ戦争が始まった頃だったが、トロイオンス当たり2000ドルを超えて以降は下がり続けている。有事の金の輝きも一瞬だった。。

 

 なぜだろうか?

 

 有事に強い金、インフレに強い金、不安に強い金であるはずだが、下がり続けている今の金相場はどのように理解すればいいのであろうか。

 

 つまりそれは、金にすらも投資マネーが回ってこないほどマネーサプライは萎縮しているのである。

 

 従って原油、金というコモディティの中でも代表的なコモディティが値下がりしていることで、当然のことながらLMEメタルの銅、アルミ、ニッケルなどの主要な非鉄金属もダウンロードに入っている。

 

 

グラフ

 

 

世界経済のその他リスク要因

 欧州のギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインの経済危機が高まっている。

 

 中国経済と関係の深い銀行企業の株価が顕著に下がっている(ドイチェ銀行、VW、クレディ・スイス)

 

 

グラフ

 

 

経済の大波乱は常に秋冬に起きている

 結論だが、今の状況は2008年秋のリーマンショック時の状況に似ていると言われている。

 

 また、ブラックマンデーもやはり秋に株の大暴落が起きた。

 

 やはり今回の局面でも肥大化したゼロ金利マネーの引き上げによる暴落劇が突如として表出する予兆に満ち溢れている。

 

 

(IRUNIVERSE Ayuko Tanaka&Tanamachi)

 

 

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