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バルカー(7995) 23/3Q2決算他

23/3期5.3%増収6.8%営利減予想は増額で営利増期待、24/3期M&A含まず収益拡大へ

 

株価2660円(12/12) 時価総額497億円 発行済株18,689千株

PER(22/3DO予:8.8X)PBR(1.1X) 配当(22/3DO予)130円  配当利回り:4.9%

 

要約

 

23/3Q2は先端産業向けが半導体関連中心に伸長、21.6%増収23.3%営利増に

 

 23/3Q2は売上高153.14億円(21.6%増)、営業利益18.97億円(23.3%増)、受注175.12億円(34.1%増)、受注残高165.28億円(57.5%増)と収益上伸が続いた。

 

 事業別にシール事業は売上高104.02億円(23.7%増)、営利16.09億円(25.9%増)、受注105.31億円(15.9%増)、受注残65.46億円(40.8%増)に。市場別売上では先端産業向けが42.5億円(47%増)と伸長。高シェアを持つエラストマー製品でフッ素樹脂ガスケットやOリングなど中心に内外半導体産業向け等に伸びる。機能性樹脂製品も売上高40.83億円(16.3%増)ながら営利2.89億円(7.4%減) 、受注は61.76億円(93.1%増)、受注残97.20億円(76.5%増に。先端産業向けが売上高19億円(12%増)と、部材不足で納期ずれで受注残が積み上がりコストアップが影響。仕向先では国内26.7%増、海外が2.9%増に。利益面では増収効果も部材高、納期ずれで減益に。再生ウエハ事業他は売上高8.29億円(23.2%増)、営業損失0.01億円(0.49億円改善)に。主力のウエハ再生事業は韓国ユーザーの調達変更影響が一巡、利益は新規事業の停滞が続き、足を引っ張る形に。

 

 全体を通じ、市場別で先端産業向けが68億円(42%増)と牽引、構成比も44.4%まで高まった。利益面ではシール製品を中心にフッ素樹脂関連製品中心に高付加価値品の拡大からシール製品の営業利益率が高位を保ち、資材高等のコストアップを補い全体として営利率が0.2ポイント改善した。

 

 

22/3期先端産業向け活況で再増額修正し17.4%増収72.7%営利増予想で最高収益更新へ

 

 23/3.期会社予想に対し、上期での進捗率は売上高で52.8%も、営利では60.7%と、円安もあり進捗率が高い。しかし会社側では米中摩擦、資源・材料高、コロナ拡大など不透明要因が多いとして会社予想を変更せず、売上高560億円(5.3%増)、営利65億円(6.8%減)、経常利益67億円(6.9%減)、税引利益48億円(0.8%減)予想を据え置いた。

 

 セグメント別でもシール製品が売上高365億円(4.3%増)、営利54億円(1.9%減)、機能樹脂が売上高165億円(9.4%増)、営利13億円(5.2%減)、シリコンウエハ再生他は売上高30億円(2.7%減)、営業損失2億円(横ばい)予想に変更はない。市場別では先端産業向け236億円(5.8%増)、機器市場175億円(5.4%増)、プラント市場148億円(6.5%増)と平均的な伸びを見ている。

 

 現状、半導体製造装置の前工程では30%程度の伸びが見込まれている。同社は年度で先端産業向けは5.8%増予想と控え目で、上期進捗率は55.5%、受注残高も膨れ上がっており、大幅な増額が見込める。機器事業は受注が大幅増ながら部材不足などで進捗率が48%となっており、この状況は下期多少解消されても会社計画並みが精一杯の状況と判断される。ウエハ再生事業は収益改善で収支均衡が可能と判断され、結果として利益増額が見込める。全体を通じ、シール製品の増額を主に、会社予想を上回る収益が期待され、営業増益維持から最高益更新継続が見込まれる。

 

23/3期も特殊タンクビジネス、国内半導体設備投資向け等拡大で最高益更新期待

 

 同社は新中計で、24/3期に売上高700億円、営利75億円を目指す計画としている。24/3期は23/3期会社予想比25%増収を見込むが、この前提にはM&Aが含まれており、その具体的なものが示されていない。但しその他事業が105億円(3.5倍)予想となっており、M&Aにより売上高で70億円規模、営業利益は8億円を見込んでいる模様。さらに同社はそのシナジー効果を含め、創業100周年に向け、27/3期に売上高800億円、ROE15%(20/3期起点は8.8%)を目指すとしている。

 

 現状、半導体製造装置需要の減少が見込まれるが、同社はTSMC、キオクシア、マイクロン、これにパワーデバイス各社の工場新設に伴い半導体工場設備関連での売上寄与が見込める。加えて能力増強が進むフッ素樹脂特殊タンクの売上寄与が期待される。なお先端半導体では微細化で薬液処理など工程数が増え、スクリーンの大幅増額等もあり、半導体製造装置需要の落ち込みの中でも同社製品の伸びが維持されよう。加えて同社は半導体実装プロセス開発を得意とするコネクテッドジャパンと資本業務提携を締結、実装プロセス向け売上の拡大も見込まれる。このため24/3期も増収増益が見込まれ、M&Aの具体化を織り込まない状況下でも緩やかながら連続最高益更新が期待される。

 

 

 

(H.Mirai)

 

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